テモゾロミドとNotch阻害剤を併用することにより多形膠芽腫の再発が減少するようである [2010-09-28]
Temozolomide combined with a Notch inhibitor appears to reduce recurrence of glioblastoma multiforme

テモゾロミドと標的療法の併用化学療法による新たな治療法が、最も一般的で悪性度の高い脳腫瘍である多形膠芽腫の再発を減少させることが明らかにされたとCancer Research 9月号に掲載された。手術、放射線療法および化学療法にもかかわらず、多形膠芽腫の予後および生存率は不良である。テモゾロミドは患者の生存率を延長する化学療法薬である;放射線療法単独により2年生存率が約10%上昇するものが放射線療法にテモゾロミドを併用すると25%上昇する。さらに、Notchシグナリングパスウェイは膠芽腫組織および腫瘍細胞内においてしばしば過剰発現しているとのデータが示されている。研究者らは培養細胞および免疫欠損マウスにおいてテモゾロミドとNotch阻害剤の併用療法を評価し、この併用療法が腫瘍再発を減少させる治療法を増強させるかどうかを明らかにした。その結果、テモゾロミドとNotch阻害剤の併用はそれぞれの薬剤単独と比較し、腫瘍の成長および再発をはるかに有効に減少させた。いずれの薬剤も単独で使用すると、一過性に腫瘍の成長を遅延させるのみであった。筆者らはこのスタディにより、テモゾロミドで治療されている膠芽腫細胞が生存するのをNotchパスウェイが促進するとの前臨床研究のエビデンスが示されたと考えている。

スタチン療法はどの部位またはどの患者群においてもがん発現の有害事象は有さない [2010-09-28]
Statin therapy has no adverse effect on cancer at any site or in any group of individuals
この種のスタディでは最も大規模なスタディの結果、スタチン療法はがん発現率や死亡を増加させる原因とはならないことが2010年European Society of Cardiology学会で報告された。コレステロール治療トライアル施行者による共同研究(Cholesterol Treatment Trialists' Collaboration)では、26の無作為化コントロールトライアルの対象170,000人のデータを解析した。これらの人々において10,000人余りががんを発症し、3,500人余りががんにより死亡した。解析の結果、がん発現率と死亡はスタチン内服群とプラセボ内服群とで全く同等であった。試験のサイズが大きかったために、スタチン療法が乳がんのようなある種のがんを引き起こす可能性があることやスタチン療法が一部の患者群においてがんの原因になる可能性があることなどの過去の仮説を否定することができた。この題目に関する過去の研究は、比較的小規模なスタディや他の因子の影響を除外できないスタディの結果に基づいていた。このスタディによりまた、高用量のスタチンは標準用量のスタチンと比べ、がんのリスクを上昇させないことも示された。既にコレステロールレベルの低い人々においても、より有効なスタチンによりコレステロールレベルを低下させてもがんのリスクは上昇しなかった。
 


 

DOLについて - 利用規約 -  会員規約 - 著作権 - サイトポリシー - 免責条項 - お問い合わせ
Copyright 2000-2025 by HESCO International, Ltd.