テモゾロミドと標的療法の併用化学療法による新たな治療法が、最も一般的で悪性度の高い脳腫瘍である多形膠芽腫の再発を減少させることが明らかにされたとCancer Research 9月号に掲載された。手術、放射線療法および化学療法にもかかわらず、多形膠芽腫の予後および生存率は不良である。テモゾロミドは患者の生存率を延長する化学療法薬である;放射線療法単独により2年生存率が約10%上昇するものが放射線療法にテモゾロミドを併用すると25%上昇する。さらに、Notchシグナリングパスウェイは膠芽腫組織および腫瘍細胞内においてしばしば過剰発現しているとのデータが示されている。研究者らは培養細胞および免疫欠損マウスにおいてテモゾロミドとNotch阻害剤の併用療法を評価し、この併用療法が腫瘍再発を減少させる治療法を増強させるかどうかを明らかにした。その結果、テモゾロミドとNotch阻害剤の併用はそれぞれの薬剤単独と比較し、腫瘍の成長および再発をはるかに有効に減少させた。いずれの薬剤も単独で使用すると、一過性に腫瘍の成長を遅延させるのみであった。筆者らはこのスタディにより、テモゾロミドで治療されている膠芽腫細胞が生存するのをNotchパスウェイが促進するとの前臨床研究のエビデンスが示されたと考えている。 |