胃がんに対し術後化学療法を受けた患者は手術単独の患者と比較し、死亡リスクが低下し無病生存期間が改善するとの過去のスタディの解析結果がJAMA 5月5日号に掲載された。研究者らは、経過観察期間中央値が7年を超える17のトライアル(患者3,838人)における患者個々のデータのメタ解析により、補助化学療法の有益性を定量的に評価した。化学療法群に割り付けられた患者1,924人中1,000人が死亡し、手術単独群に割り付けられた患者1,857人中1,067人が死亡した。解析の結果、総じて化学療法を併用することにより死亡リスクが18%低下したことが示され、手術単独よりも化学療法を併用することにより有意な有益性が認められた。推定全生存期間中央値は手術単独群で4.9年であったのに対し、補助化学療法群では7.8年であった。5年後の全生存率において約6%の絶対的な改善が認められ、10年後にも維持された。全体の5年生存率は化学療法により49.6%から55.3%に上昇した。また、補助化学療法により手術単独と比較し再発リスクは18%低下した。
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