統合失調症患者が暴力犯罪を犯すリスクが高いのは主に同時に有している薬物乱用の問題によるようであるとJAMA 5月20日号に掲載された。このスタディはスウェーデン国内の入院および犯罪の有罪判決の登録データを用いた。統合失調症と診断された後の患者(8,003人)における暴力犯罪のリスクを一般人口のコントロール(80,025人)におけるそれと比較した。統合失調症患者のうち、1,504人(13.2%)が少なくとも1回は暴力犯罪を犯したのに対し一般人口コントロールにおいては4,276人(5.3%)であった(補正後のオッズ比2.0)。統合失調症と薬物乱用を有すると診断された者が暴力犯罪を犯す率は薬物乱用を有さない統合失調症患者と比較し有意に高く(27.6%対8.5%)、統合失調症および薬物乱用を有する者のオッズ比は4.4であり、薬物乱用のない統合失調症患者のそれは1.2であった。薬物乱用者において認められた暴力行為のリスク上昇度は、統合失調症のない兄弟姉妹をコントロールとして用いると有意に低下し(統合失調症患者の28.3%が暴力犯罪を犯したのに対し、疾患を有さない兄弟姉妹におけるその割合は17.9%であった)、統合失調症と暴力の関連には家族性の交絡(遺伝子または幼少期の環境)が有意に認められることが示唆された。 |