20年間のフォローアップスタディの結果、出生時にB型肝炎のワクチンを接種された6〜19歳における肝がんが劇的に減少したことが明らかにされた、とJournal
of the National Cancer Institute 9月16日号に掲載された。研究者らは、1983〜2004年にかけて、診断時6〜29歳であった肝細胞がん患者約2,000人のデータを収集した。ワクチンを接種した者としていない者の出生者群の年齢および性別による発現率を回帰モデルを用いて比較した。ワクチンを接種した者約3,800万人/年中64人に肝細胞がんが発症したのに対し、ワクチンを接種しなかった者約8,000万人/年中444人に肝細胞がんが発症した。ワクチンを接種したにもかかわらず肝がんを発症した患者が少数認められた。しかしこれらの患者の記録を解析した結果、患者の多くは十分な用量のワクチンを投与されていなかったか、B型肝炎に感染した母親から産まれてきた際に保護が不十分であったことがスタディから示された。これらのデータから、一般的なHBV免疫化プログラムによる肝細胞がん予防は、過去20年間のうちに小児期からさらに若年成人に拡大してきたことが示唆された。
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