スタディにより初めて心房細動とアルツハイマー病が関連付けられた [2009-05-26]

Study makes first connection between atrial fibrillation and Alzheimer's disease
新たなスタディの結果、心房細動とアルツハイマーの発症に強力な関連があることが示されたとHeart Rhythm Society学会で発表された。研究者らはIntermountain Heart Collaborative Studyの対象となった患者37,025人の5年間のデータを解析した:スタディ期間中に10,161人が心房細動を発症し、1,535人が認知症を発症した。解析の結果心房細動を有する患者はこれを有さない者と比較し、認知症を発症する確率が44%高かった。若くて心房細動を有する者ほど全てのタイプの認知症(特にアルツハイマー病)を発症する確率が高く、70歳未満で心房細動を有する患者はアルツハイマー病を発症する確率が130%高かった。心房細動と認知症を有する患者は心房細動を有さない認知症患者と比較し、スタディ期間中の死亡率が61%高かった。研究者らは心房細動の早期治療が認知症やアルツハイマー病の発症を予防できるかどうかを観察するスタディを今後予定している。

心筋内骨髄細胞注入療法により慢性心筋虚血患者の症状が改善する [2009-05-28]

Intramyocardial bone marrow cell injection improves symptoms for patients with chronic myocardial ischemia
慢性心筋虚血患者の心臓に骨髄細胞を注入することにより狭心症症状、心筋灌流、および左室機能が改善するとのスタディ結果がJAMA 5月20日号に掲載された。研究者らは、標準的な治療の対象とならない慢性虚血患者に対する心筋内骨髄細胞注入の心筋灌流および左室機能に対する効果を評価した。このトライアルには50人の患者(平均年齢64歳、男性43人)が組み入れられ、骨髄細胞またはプラセボ液を8回注入される群に無作為に割り付けられた。3ヵ月後の経過観察時、ストレススコア(心筋灌流の計測)の合計の改善は、プラセボ治療群と比較し骨髄細胞治療群において有意に大であった。磁気共鳴画像の結果、左室駆出率の絶対増加量は骨髄細胞治療群患者で有意に大であった。3および6ヵ月後のQOLスコアは、骨髄治療群で上昇していたのに対しプラセボ治療群では上昇率が小さかった。運動耐容能の改善も骨髄細胞治療群で大であった。

ホルモンレベル低値および高値の心不全男性は死亡リスクが高い [2009-05-19]

Low and high levels of hormone in men with heart failure associated with increased risk of death
エストロゲンの一種であるエストラジオールレベル低値または高値の収縮期慢性心不全男性は、このホルモンレベルが中等度の男性と比較し死亡のリスクが高いとのスタディ結果がJAMA 5月13日号に掲載された。研究者らは左室駆出率の低下した慢性心不全患者の血中エストラジオール濃度と死亡率の関係を調査した。ポーランドの二つの循環器センターが行ったこのスタディには501人の男性(平均年齢58歳)を組み入れた。患者は血中エストラジオールレベルに基づき5群に分けられた。第3五分位を参照群と考えた。3年間の経過観察期間中に171人(34%)が死亡した。解析の結果、最も予後が良好だったのは五分位が中間の患者であり、3年死亡率が最も高かったのは循環エストラジオールレベルの最も低い五分位群の患者(死亡のリスクが約4倍)および五分位の最も高い群の患者(死亡リスクが約2倍)であった。

血圧低下食を摂取する女性は心不全のリスクが低下する [2009-05-19]

Women who follow blood pressure-lowering diet have reduced risk for heart failure
高血圧を予防し治療するように献立された食事は、女性において心不全リスクを低下させる可能性もあるとArchives of Internal Medicinen 5月11日号に掲載された。研究者らは、スウェーデンマンモグラフィーコホート(Swedish Mammography Cohort)に参加した48〜83歳の心不全のない女性36,019人のデータを解析した。参加者は1997〜1998年に施行されたスタディ開始時に食事摂取頻度調査票に回答した。この回答結果を用いて、彼らの食事がどの程度厳密にDietary Approaches to Stop Hypertension(DASH)ダイエットガイドラインに合っているかを示すスコアを計算した。7年間の経過観察期間中に443人が心不全を発症し、うち415人は入院し28人は心不全により死亡した。DASHダイエットスコアの最も低い4分の1の患者と比較し、DASHダイエットスコアの最も高い4分の1の患者は、年齢、身体活動性および喫煙状況などの因子を考慮に入れた後の心不全発症率が37%低かった。スコアが上位10%以内の女性はスコアが最も低い4分の1の女性と比較し、心不全発症率が半分であった。

突然心停止を来した患者に対する心肺蘇生は、熟練した救命士が胸部圧迫(心臓マッサージ)の中断を最小限にすることに集中した場合に生存率が上昇する [2009-05-12]

Survival rates for sudden cardiac arrest patients increased when professional rescuers focused on minimizing interruptions to chest compressions during CPR
院外で発生した心臓突然死に対しては、熟練した救命士がより有効な胸部圧迫(心臓マッサージ)を行い中断時間を最小にし心肺蘇生(CPR)を施行することにより生存率はほぼ二倍になる、との研究結果がCirculationに掲載された。このスタディはカンザスシティ救急医療サービス(EMS)が実施した蘇生プロトコールの変更結果を追跡したものである。救命士は胸部圧迫を50回行い休止して人口呼吸を2回行った(American Heart Associationガイドラインは胸部圧迫を30回行い休止して人口呼吸を2回行うことを推奨している)。他の変更事項は挿管および投薬を遅らせることであった。EMS局の作成した蘇生法に変更したことにより院外心停止の総生存率は7.5%から13.9%に上昇した。プロトコールの移行前36ヵ月と移行後12ヵ月を比較したところ、通行人により目撃され最初は心室細動であった心停止患者のうち、心拍再開し患者を生存した状態で病院に搬送できたのは37.8%(143人中54人)から59.6%(57人中34人)に改善し、生存して退院したのは22.4%(143人中32人)から43.9%(57人中25人)に上昇し、退院した25人中88%において脳機能スコアが良好であった。

急性冠症候群の発作の最中からスタチンを開始することは有益である可能性がある [2009-05-12]

Statins may have a beneficial impact when begun while patients experience acute coronary syndrome
2009年American Heart Association's Arteriosclerosis, Thrombosis and Vascular Biology学会で発表されたスタディにより、スタチン療法は二次予防ばかりでなく不安定な患者に入院と同時に開始することにより急性冠症候群の治療においても直接有効であることが示唆された。チェコ共和国の研究者らは急性冠症候群患者156人をフルバスタチン80mg(78人)またはプラセボ(78人)を内服する群に無作為に割り付けた。内服は入院直後に開始され、その後30日間毎日継続し、その後も継続することを推奨された。入院時、2日目および30日目に採血を施行した。全ての患者を主要な心血管イベント(死亡、心発作、症候性虚血再発、緊急血行再建術施行または脳卒中)の発生に関して1年間追跡した。フルバスタチン療法により一年間の主要な心血管イベント発現率は有意に低下した(12.8%対26.9%)。この差は主に症候性虚血の発現が少ないことによりもたらされた(7.7%対20.5%)。新たな入院もフルバスタチン群患者において少なかった(17.9%対43.6%)。30日間の治療後の低密度リポ蛋白コレステロールはフルバスタチン群患者において29.5%低下していた。
 
 
 
 

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