うつ病と疼痛は関連がある
  うつ病は早産のリスクを増加させる
  うつ病はCOPDに影響する

 11月18日、25日のDOL NewsはAHA特集のため、Psychiatryニュースは
  お休みさせていただきました。



fMRIによりうつ病と疼痛の関連が示された [2008-11-11]

fMRI reveals relationship between depression and pain

大うつ病障害患者の脳は予知する疼痛により強く反応し痛覚を調節する神経ネットワークの機能が変化している、とArchives of General Psychiatry 11月号に掲載された。研究者らは薬物投与をされていないうつ病の若年成人15人(平均年齢24.5歳)および同じ学歴レベルだがうつ病を有さない若年成人15人(平均年齢24.3歳)を調査した。うつ病患者は、顔面の疼痛をより強くあるいは何度も感じたり、無力感を覚えたりする傾向に関するアンケートに回答した。全ての参加者は痛みを感じる程度(セ氏46.4〜46.9度または華氏115〜116度)および痛みを感じない程度に温められた発熱装置を当てられている間に、機能的磁気共鳴画像検査(fMRI)を施行された。熱を当てる前に、眼で見える合図が送られた。その結果、うつ病患者においては痛み刺激を予測している間、右扁桃体を含む脳の活性化が見られた。彼らはまた痛みを感じている間、右扁桃体が活性化し、痛み変化に反応すべき部位を含めた他の部位の活性は低下していた。

 

妊娠中のうつ病は早産のリスクを倍にする [2008-11-04]

Depression during pregnancy can double risk of preterm delivery

うつ病の妊婦はうつ病症状のない妊婦と比較し早産のリスクが倍であり、そのリスクはうつ症状の重症度に応じて増加する、とHuman Reproduction誌に掲載された。この研究では1996〜1998年にかけてサンフランシスコにおける妊婦791人を観察した。第10週頃の女性にインタビューをした結果、41%の女性が有意なまたは重度のうつ症状を有していた。重症度の低い女性の早産(妊娠満37週未満)のリスクは有意なうつ症状のない女性と比較し60%高く、重度のうつ症状を有する女性のリスクは倍以上であった。これらの結果から、社会的な、および出産に関するリスクファクターや肥満、およびストレスの多い出来事によりうつ病と早産の関連が増強されるとの予備的なエビデンスも得られる、と研究者らは述べている。このスタディの対象者のうち抗うつ薬を処方されていたのはわずか1.5%であり、処方されていた女性は解析から外されていた可能性もあるため、このスタディは抗うつ薬により結果が不明瞭になっていることはない。

 

うつ病は慢性閉塞性肺疾患の増悪および入院のリスクを上昇させる可能性がある [2008-11-04]

Depression may increase exacerbations and hospitalizations for chronic obstructive pulmonary disease

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine11月号に掲載されたスタディによると、うつ病と不安障害は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の入院を増加させ増悪を招く可能性があるとのことである。研究者らは北京の10病院の安定したCOPD患者500人近くを前向きに組み入れた。各々の患者はベースラインの時点で原疾患重症度と不安障害およびうつ病の評価を受け、1年間電話での追跡調査を受けた。うつ病の患者はうつ病を有さない患者と比較し、不安障害を合併する頻度が高かった。また彼らはうつ病を有さない患者と比較し、死亡率が高く症状およびイベントに基づく増悪や入院が多く入院期間が長かった。不安障害もまたCOPDの増悪および入院期間の長期化と関連があった。少なくとも1回の増悪を経験した不安障害患者においては、不安障害のない患者と比較し増悪の期間が2倍近く長かった。これらの影響は既知の交絡因子で補正しても明らかであり、また結果は心理的暴露後に計測したため研究者らは、うつ病がCOPD増悪の頻度上昇および増悪や入院期間の長期化と関連しているのみではなく、因果関係が示唆されると述べている。

 


 

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