不眠と大うつ病
  成人における注意欠損多動性障害の負担
  痴呆高齢者における抗精神病薬使用に関する新たなデータ
  徐放性抗精神病薬の有益性 (APA)

 6月10日、17日のDOL NewsはACC特集のため、Psychiatryニュースは
  お休みさせていただきました。



ゾルピデム徐放性製剤は大うつ病を合併する患者の不眠および日常機能の質の両者を改善する [2008-06-24]

Zolpidem extended-release tablets improve both insomnia and quality of daily functioning in patients with comorbid major depressive disorder

ゾルピデム徐放性製剤は大うつ病を合併する患者の不眠および日常機能の質の両者を改善する、とAssociated Professional Sleep Societies学会で発表された。この8週間のトライアルでは21〜64歳のうつ病と不眠を合併した患者383人をゾルピデム徐放性製剤12.5mgまたはプラセボ投与群に無作為に割り付けた。全ての参加者は1日10mgのescitalopramによる抗うつ療法を受けていた。ゾルピデム徐放性製剤による実薬治療によりプラセボと比較し、入眠、睡眠の継続、および総睡眠時間が改善した。8週後に実薬治療群患者はベースラインと比較し睡眠時間が101分延長したのに対し、プラセボ投与群患者では64分であった。治療薬投与下有害事象は主に頭痛や嘔気であったが、実薬群患者の72.9%に発現したのに対しプラセボ投与群におけるその割合は66.3%であった。

 

注意欠損多動性障害を有する成人就業者は障害を有さない者と比較し年間の仕事日数が22日少ない [2008-06-24]

Employed adults with attention deficit hyperactivity disorder do 22 fewer days of work per year on average than peers without the disorder

注意欠損多動性障害を有する成人就業者は障害を有さない者と比較し年間の仕事日数が22日少ない、とJournal Occupational and Environmental Medicine 5月26日号に掲載された。世界保健機関が行ったThe World Mental Health Survey Initiativeでは、ベルギー、コロンビア、フランス、ドイツ、イタリア、レバノン、メキシコ、オランダ、スペイン、および米国の18〜44歳の成人7,000人以上を評価した。標準的な診断基準に基づくと、調査対象国全体で労働者の約3.5%が障害を有していた。障害は男性そして先進国で多かった。精神的な評価の結果を知らされていないスタッフが前月の仕事ぶりについて問診した。研究者らは、障害により労働日が年間平均22日(働けないかまたは通常の仕事を行うことができないのが8.4日、仕事量の減少が21.7日、仕事の質の低下が13.6日)失われていると計算した。

 

痴呆高齢者における短期間の抗精神病薬使用は入院または死に至るような重篤な有害事象と関連がある  [2008-06-03]

Short-term use of antipsychotic drugs in older adults with dementia is associated with serious adverse events requiring hospitalization or causing death

痴呆高齢者における短期間の抗精神病薬使用は予後不良と関連がある、とArchives of Internal Medicine 5月26日号に掲載された。地域に住む成人20,682人のうち、6,894人は抗精神病薬を服用せず、6,894人は非定型抗精神病薬を6,894人は定型抗精神病薬をそれぞれ服用した。ナーシングホームの20,559人のうち、6,853人は抗精神病薬を服用せず、6,853人は非定型抗精神病薬を6,853人は定型抗精神病薬をそれぞれ服用した。重篤な有害事象は入院または治療開始後30日以内の死亡と定義した。地域のマッチする成人と比較し、非定型薬を服用した患者は3倍、定型薬を内服した患者は約4倍、有害事象を有する確率が高かった。ナーシングホームのマッチする成人と比較し、非定型薬を内服した患者は1.9倍、定型薬を内服した患者は2.4倍、有害事象を有する確率が高かった。

 

徐放性paliperidoneを服用している患者は服用開始前年に比べ評価項目値が良好である [2008-06-03]

Long-term follow-up indicates that deep brain stimulation is potentially effective for patients with treatment-resistant major depression

脳深部刺激は治療抵抗性の大うつ病患者に有効な可能性がある、とAmerican Association of Neurological Surgeons学会で発表された。外科医らは、複数の薬物治療、心理療法および電気痙攣療法を試みたが無効であった患者15人に対し、可逆的非破壊的な手術を施行した。患者らは腹側内包/腹側線条体に双極電極埋め込みを施行された。一次結果指標は、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度(MADRS)であった。結果を評価する者はブラインドされていた。経過観察期間は6〜48ヵ月であり、11人の患者においては1年以上であった。治療効果はMADRSスコアの50%低下と定義した。効果は、6ヵ月後には15人中7人(47%)に、12ヵ月後には11人中5人に(45.5%)、それぞれの経過観察最終時には15人中8人(53.3%)に認められた。抑うつ、機能、およびQOLの長期にわたる改善が認められた。有効であった患者においては短期記憶力の計測値が改善した。

 


 

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