親の突然の死亡は、残された子供および介護者のうつ病および外傷後ストレス障害(PTSD)のリスクを上昇させるようである、とArchives of Pediatrics
& Adolescent Medicine 5月号に掲載された。研究者らは、片親が自殺、事故、または突然死した140家族、および両親存命で過去2年間に第一度親族が誰も死亡していない99家族を抽出した。7〜25歳の子供に問診および精神疾患の評価を行った。親が死亡した子供および残された介護者は対照の家族と比較し、うつ病およびPTSDのリスクが約3倍高く、この傾向は死亡した親の精神疾患で補正した後も認められた。親が自殺した家庭の子供および介護者は、他の原因で死亡した家庭のそれらの人々よりもPTSDまたは他の精神疾患を発症しやすいという傾向はなかった。
脳深部刺激は治療抵抗性の大うつ病患者に有効な可能性がある、とAmerican Association of Neurological Surgeons学会で発表された。外科医らは、複数の薬物治療、心理療法および電気痙攣療法を試みたが無効であった患者15人に対し、可逆的非破壊的な手術を施行した。患者らは腹側内包/腹側線条体に双極電極埋め込みを施行された。一次結果指標は、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度(MADRS)であった。結果を評価する者はブラインドされていた。経過観察期間は6〜48ヵ月であり、11人の患者においては1年以上であった。治療効果はMADRSスコアの50%低下と定義した。効果は、6ヵ月後には15人中7人(47%)に、12ヵ月後には11人中5人に(45.5%)、それぞれの経過観察最終時には15人中8人(53.3%)に認められた。抑うつ、機能、およびQOLの長期にわたる改善が認められた。有効であった患者においては短期記憶力の計測値が改善した。
血中ビタミンDレベルが低く副甲状腺ホルモンレベルの高い高齢者はうつ病のリスクが高い可能性がある、とArchives of General Psychiatry
5月号に掲載された。研究者らは65〜95歳の地域住民1,282人を評価した。26人は大うつ病、169人は小うつ病と診断され、1,087人はうつ病ではなかった。平均の血中ビタミンDレベルは21ng/mLであり、平均の副甲状腺ホルモンレベルは3.6pg/mLであった。平均の血中ビタミンDレベルは大うつ病または小うつ病患者で、うつ病ではない者より14%低かった(19ng/mL対22ng/mL)。副甲状腺ホルモンは、うつ病でない者(平均3.53pg/mL)よりも小うつ病患者(3.72pg/mL)で平均5%高く、大うつ病患者(4.69pg/mL)で33%高かった。筆者らはビタミンD欠乏症の人々の治療およびうつ病との関連の本質を評価する研究の必要性を主張している。
女性は男性よりも脳卒中後にうつ病を発症しやすいが、内服のコンプライアンスは男性よりもよいとAmerican Academy of Neurology学会で発表された。研究者らは脳卒中の再発リスクを軽減するために退院時に処方を受けた虚血性脳卒中患者491人を評価した。3ヵ月後に研究者らは患者のうつ症状レベル、QOL、および内服コンプライアンスを評価した。計385人(78%)が3ヵ月後も内服を続けていた。女性の19%がうつ病症状を訴えたのに対し男性でのその割合は10%であり、睡眠障害を訴えたのは女性の30%であったのに対し男性では22%であった。内服を継続している男性は内服を継続している女性よりも全体的なQOLが良好であると報告し、女性は速やかに発見され治療されないうつ病を発症していてもコンプライアンスが男性よりも良好であることが示唆された。