関節リウマチ(RA)に対する抗TNF療法はがんを発現させないようであるとの研究結果がAmerican College of Rheumatology学会で発表された。スペインの研究者らは近年、2001年に確立された薬物治療登録簿BIOBADASERに注目した。2007年12月の段階でこの登録簿にはTNF阻害薬で治療されたRA患者4,529人が登録されていた。これらの患者と1999〜2005年に追跡されたBIOBADASERに登録されていない第二のグループを調査し、TNF阻害薬で治療されたRA患者とTNF阻害薬で治療されていない患者におけるがん発現率を評価した。計14,001観察人年(BIOBADASER群11,758人および第二グループ2,243人)を経過観察した結果、コントロール群において29例およびTNF治療群において70例のがん症例が認められた。年齢、性別、罹病期間、および疾患活動性で補正した結果、TNF阻害薬治療群におけるがん発症率はTNF阻害薬非治療群のそれと非常に近く(0.92)、その結果彼らは、TNF阻害薬の使用によってがん発現のリスクは上昇しないと結論付けた。 |