4月8日、15日のDOL NewsはACC特集のため、Oncologyニュースは
  お休みさせていただきました。



肛門がん患者に対し、シスプラチン/フルオウラシルと放射線療法併用はマイトマイシン/フルオウラシルと放射線療法併用と比較し無病生存期間を改善しない [208-04-28]  
Cisplatin/fluorouracil plus radiation does not improve disease-free survival for patients with anal cancer compared with mitomycin/fluorouracil plus radiation

肛門がん患者に対し、シスプラチン/フルオウラシルと放射線療法併用はマイトマイシン/フルオウラシルと放射線療法併用と比較し無病生存期間を改善しない、とJournal of the American Medical Association 4月23日号に掲載された。研究者らは肛門がん患者682人において二つの化学放射線療法を比較した。計644人が解析に含まれた(追跡期間中央値、2.51年)。5年無病生存率はマイトマイシンベース群で60%、シスプラチンベース群で54%であった。5年全生存率はマイトマイシンベース群で75%、シスプラチンベース群で70%であり、がん関連死はシスプラチン群において多かった(54%対28%)。シスプラチンベース治療群では累積結腸人工肛門術率が有意に高かった(19%対10%)ため、筆者らは、一般的にはこれらの患者に対する初期治療としては結腸人工肛門術は避けるべきであるとしている。

頭皮または頸部のメラノーマ患者は顔面や耳を含む他の部位のメラノーマ患者と比較し死亡率が2倍近く高い [2008-04-28]  
Patients with scalp or neck melanomas die at nearly twice the rate of people with melanomas at other locations including the face and ears

頭皮または頸部のメラノーマ患者は顔面や耳を含む他の部位のメラノーマ患者と比較し死亡率が2倍近く高い、とArchives of Dermatology 4月号に掲載された。研究者らは米国の51,704症例のデータを解析し、影響因子と考えられる年齢、性別、腫瘍の厚み、および潰瘍で補正した結果、頭皮または頸部のメラノーマの死亡率が他の部位のメラノーマの死亡率の1.84倍高いことを見出した。頭皮または頸部のメラノーマ患者は他の部位のメラノーマ患者よりも高齢であり(それぞれ59歳と55歳)、男性の割合が多かった(それぞれ74%と54%)。さらに、頭皮および頸部のメラノーマは厚く(0.8mm対0.6mm)、より潰瘍を形成する傾向にあった。リンパ節転移も頭頸部メラノーマにおいてより多かった。筆者らは、原発巣の異なるメラノーマの細胞および分子レベルの差異を観察するような今後の研究の必要性を強調している。

低用量difluoromethylornithineとスリンダクの併用により、低い毒性で大腸腺腫再発のリスクを有意に軽減することができる [2008-04-22]  
Combination of low-dose difluoromethylornithine and sulindac significantly reduces risk for recurrent colorectal adenomas with low toxicity

低用量difluoromethylornithineとスリンダクの併用により、大腸腺腫再発のリスクを劇的に軽減することができたため、phase IIIトライアルが早期に中止されたとAmerican Association for Cancer Research学会で発表された。研究者らは過去5年間に1つ以上のポリープを認められた患者375人をdifluoromethylornithine 1日500mgおよびスリンダク150mgの併用またはプラセボ群に無作為に割り付けた。3年後、腺腫再発のリスクは実薬群で12.3%、プラセボ群で41.1%であり、治療により70%のリスク軽減が認められた。進行腺腫のみを解析すると、プラセボ群で8.5%、実薬群で0.7%であり、92%のリスク軽減率であった。両群間で副作用に差はなかった。Difluoromethylornithineは標的治療薬であり、スリンダクは非ステロイド抗炎症薬である。

経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法とラジオ波焼灼療法の併用により進行肝細胞癌患者の生存期間が改善するた [2008-04-22]  
Transcatheter arterial chemoembolization plus radiofrequency thermal ablation improve survival for patients with advanced hepatocellular carcinoma

経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法とラジオ波焼灼療法の併用により、どちらか一方の治療のみと比較し、進行肝細胞癌患者の生存期間が改善するとJournal of the American Medical Association 4月9日号に掲載された。研究者らは3cmを超える腫瘍を有する患者291人を、化学塞栓療法、焼灼術、または併用療法を受ける群に無作為に割り付けた。化学療法群のうち33人(35%)において治療目的を達成し効果が6ヵ月以上持続したのに対し、焼灼療法群においては36人(36%)、併用群では52人(54%)において同様の効果が認められた。生存期間中央値は化学療法群で24ヵ月、ラジオ波焼灼療法群で22ヵ月、併用群で37ヵ月であった。単結節および多結節性の肝がんいずれにおいても、全生存期間はどちらか一方の単独療法群よりも併用療法群のほうが有意に良好であった。

Stage Iの非小細胞肺がんでは腫瘍内のある遺伝子のメチル化およびリンパ節転移が組織学的に陰性であることにより術後早期の再発が予知される [2008-04-01]  
Methylation of certain genes in tumor and histologically negative lymph nodes predicts early postoperative recurrence of stage I non-small cell lung cancer

腫瘍内の4つの遺伝子プロモーター部位のメチル化およびリンパ節転移が組織学的に陰性であることにより、ステージI非小細胞肺がんの術後早期再発が予知されるとNew England Journal of Medicine 3月13日号に掲載された。研究者らは患者167人(51人は40ヵ月以内に再発し、116人は再発なし)の700以上の組織検体を検査し、メチル化のパターンと腫瘍の進行の速さの相関の有無を調べた。早期再発の患者において7つの遺伝子のうち4つがメチル化していた。そのパターンはp16およびH-cadherinが高度にメチル化している11人の患者において劇的であった。8人は1年以内に再発し、11人全てが30ヵ月以内に再発した。術後化学療法が最も有効な患者を見極めることができる可能性に加え、筆者らは標的遺伝子の脱メチル化を促進させる可能性のある薬剤の研究に焦点を当てている。

生検の結果COX-2酵素を発現する異型過形成を示した女性は将来乳がんに進行する可能性が高い [2008-04-01]  
Women whose biopsies show atypical hyperplasia with expression of the COX-2 enzyme are at significantly higher risk for eventual progression to breast cancer

生検の結果COX-2酵素を発現する異型過形成を示した女性は将来乳がんに進行する可能性が高い、とJournal of the National Cancer Institute 3月11日号に掲載された。研究者らはマンモグラフィで異常を指摘され生検を施行した結果異型過形成と診断された女性235人の組織および診療録を調査した。平均追跡期間15年の間に41人(17%)が乳がんを発症した。がんと診断されるまでの平均期間は11.4年であった。15年間のがんの絶対リスクは、COX-2発現が少ないまたはないものにおいて13%であり、COX-2発現が中等度のもので19%、COX-2発現の強いもので25%であった。20年以上追跡された患者においてはこの相関はより強く統計学的に有意であった。リスク率はそれぞれ14%、24%、31%であった。

 
 


 

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