頭頸部がんの患者は初回治療を受けた年の身体的QOLは低下しているが精神的QOLは改善している [208-03-25]  
Patients with head and neck cancer report a decline in physical quality of life but improvement in mental quality of life in the year following initial treatment

頭頸部がんの患者は初回治療を受けた年の身体的QOLは低下しているが精神的QOLは改善している、とArchives of Otolaryngology-Head & Neck Surgery 3月号に掲載された。研究者らは新たに診断された患者316人を、患者背景、喫煙の有無、アルコール問題、臨床上および治療上の要因、およびうつ病に関する調査を行い評価した。患者は1年後に再度評価を受けた。喫煙、うつ病および合併症を有する場合はベースライン時のQOLが低い傾向にあった。治療、特にチューブ栄養、化学療法および放射線療法によりQOLはベースラインから1年後に低下した。ベースライン時の喫煙およびうつ病症状はまた1年後の生活の質尺度の有意な予測因子であった。筆者らは医師に、異なる治療やうつ病を積極的に治療することおよび禁煙の推奨により、それらがQOLに影響することを患者に気付かせるよう勧めている。

Cetuximabに対する重篤なアレルギー反応発現の地域差を認識することにより、既存の抗体が薬物に反応する可能性があるとの発見につながる [2008-03-25]  
Recognition of regional differences in incidence of severe allergic reactions to cetuximab leads to discovery that pre-existing antibody can react with the drug

米国においてcetuximabに対する重篤なアレルギー反応に地域差があることが認識されたことから、既存の抗体がこの薬剤に反応する可能性があるとの発見につながったとNew England Journal of Medicine 3月13日号に掲載された。研究者らは国内の異なる地域の患者および対照検体を入手した。Cetuximabで治療を受けた患者76人中25人に過敏反応が認められた。Cetuximabに対する抗体が17人(68%)の治療前検体から検出された。過敏反応を起こさなかった患者51人中抗体を有していたのはわずか1人であった。抗体はテネシー州(注目地域)のコントロール検体の20.8%、北カリフォルニアの検体の6.1%、ボストンの検体の0.6%から検出された。抗体が反応した薬物抗原は、ある特異的な細胞株を用いて薬物を製造する際に蛋白に追加した炭水化物であることが明らかとなった。現在異なる細胞株が用いられており、cetuximab療法開始前の抗体検査が開発中である。

エストロゲン/プロゲスチン補充療法を中止した閉経後女性は数年以上経過した後にがんのリスクが高い可能性がある [2008-03-18]  
Postmenopausal women who stop estrogen/progestin replacement therapy may have an increased risk for cancer for at least several years afterward

Women's Health Initiative Trialのフォローアップデータの結果、 エストロゲン/プロゲスチン補充療法を中止した閉経後女性は数年以上経過した後にある種のがんのリスクが高い可能性があるとJournal of the American Medical Association 3月5日号に掲載された。研究者らはトライアルの参加者15,730人を、ホルモン補充療法を中止した後約3年間追跡した。「全てのがん」発現率はホルモン療法群で年間1.56%、プラセボ群で1.26%であり、進行性乳がんおよび他のいくつかのがんのリスクが高いことを反映していた。大腸がんの発現率は群間で差がなく、子宮内膜がんの発現率はホルモン療法群で低かった。乳がんのリスクはフォローアップ期間中高いままであったが、トライアル期間終了頃に認められたリスクより高くなかった。スタディは、併用補充療法の健康における全体的な有益性がないことが明らかとなった時点で早期中断された。

女性に対するヒトパピローマウイルスワクチン接種が開始されてから細胞診で異常が認められる確率が減少した [2008-03-18]  
Proportion of abnormal cytology results decreases significantly after girls and women are given vaccine against human papillomavirus

女性に対するヒトパピローマウイルスワクチン接種が開始されてからパップスメア検査で異常が認められる確率が減少した、とSociety of Gynecological Oncologists学会で発表された。研究者らは、米国、ヨーロッパおよびアジアの16〜26歳の女性18,000人以上を組み入れた3つのトライアルのデータを解析した。全ての対象者のベースライン時のパップスメアは正常であった。3年以上のフォローアップの間、高悪性度扁平上皮内病変発現率はワクチン接種を受けた女性において接種を受けていない女性と比較し43%低下した。ワクチン接種により、軽度の前がん性細胞変化を含む他の異常病変は接種を受けていない女性と比較し16〜35%低下した。ワクチン接種により子宮頸がんの発現率が低下するか否かを評価するにはフォローアップ期間が短すぎるが、研究者らはワクチンが進行性がんの発現に先立つ異常な細胞性変化のリスクを軽減したと結論付けている。

非ポリープ性病変は比較的一般的に認められ大腸がんと密接に関連している [2008-03-11]  
Non-polypoid colon lesions are relatively common and are closely associated with colorectal cancer

平坦な非ポリープ性大腸病変は発見するのが困難であるかもしれないが、比較的一般的に認められ、大腸ポリープよりもはるかに大腸がんとの関連が大きい可能性がある、とJournal of the American Medical Association 3月5日号に掲載された。研究者らは待機的大腸内視鏡検査を施行された米国の退役軍人1,819人を評価した。非ポリープ性病変の有病率は全体で9.35%(170人)であった。スクリーニング、切除後のフォローアップ、有症状別の有病率はそれぞれ5.84%、15.44%、6.01%であった。上皮内がんまたは粘膜を越えて拡がった腫瘍を有する非ポリープ性病変の割合は0.82%であったのに対し、スクリーニング患者におけるその割合は0.32%であった。全体的に非ポリープ病変は大きさに関係なくポリープ性病変よりもがん組織を有している確率が10倍近く高かった。筆者らは平坦病変およびそれらに発生するがんの有病率や病因に関するさらなるスタディを行うことを勧めている。

グローバルALTTOトライアルはHER-2陽性の早期乳がんに対するlapatinibとトラスツズマブの治療効果を直接比較する [2008-03-11]  
Global ALTTO trial will directly compare lapatinib and trastuzumab as treatment for HER2-positive, early-stage breast cancer

ALTTOスタディはHER-2陽性の早期乳がんに対するlapatinibとトラスツズマブの治療効果を、6大陸50ヵ国の患者8,000人を対象としたphase IIIトライアルにおいて直接比較する。米国National Cancer Instituteによると、全ての患者は標準的な治療とデータ収集を行うプログラムに参加するとのことである。このスタディはステージIまたはIIの患者がすでに化学療法で治療されたか否かによって2つの異なるデザインからなっている。52週間にわたる4つの異なる治療法(トラスツズマブ単独、またはlapatinibの単独投与、トラスツズマブの後にlapatinib投与、または2つの治療を併用)を比較した。ALTTOスタディの重要な点は、患者の生物学的サンプルを治療経過中に収集解析し、何らかの腫瘍プロファイルからこれらの治療薬のいずれかまたは両方の効果を予測することが可能か否かを調査することである。

エリスロポエチン製剤はがん患者の静脈血栓塞栓症および死亡のリスク上昇と関連がある [2008-02-04]  
Erythropoiesis-stimulating agents are associated with increased risk for venous thromboembolism and death in patients with cancer

がん患者の貧血治療に対するエリスロポエチン製剤の使用は静脈血栓塞栓症および死亡のリスク上昇と関連がある、とJournal of the American Medical Association 2月27日号に掲載された。研究者らは38のphase IIトライアル(8,172人)を選び出し静脈血栓塞栓症について評価した。データ解析の結果、エリスロポエチン製剤で治療された患者における静脈血栓塞栓症のリスクが有意に高い(57%)ことが示された(4,610人中334件対コントロール3,562人中173件)。研究者らは51のphase IIIトライアルの患者13,611人を選び出し死亡率を評価した。データ解析の結果、死亡のリスクはエリスロポエチン製剤で治療された患者においてプラセボを投与された患者より有意に高かった。筆者らは、エリスロポエチンおよびdarbepoetinは臨床的に広く使用されていると記している。

陽電子放出断層撮影(PET)は従来の画像法よりも肉腫患者の治療に対する反応を評価するのにより感度が高く正確である [2008-03-04]  
Positron emission tomography is more sensitive and more accurate than conventional imaging methods to assess response to treatment in patients with sarcomas

陽電子放出断層撮影(PET)は従来の画像法よりも肉腫患者の治療に対する反応を評価するのにより感度が高く正確である、とClinical Cancer Research 2月1日号に掲載された。生検で証明された切除可能な高悪性度軟部組織肉腫患者計42人が、ネオアジュバント療法前後に、PETとコンピュータ断層撮影(CT)を同時に施行する特殊なスキャナーを用いて画像検査を施行された。ベースラインからフォローアップ撮影時までの腫瘍のグルコース取り込みおよび大きさの相対的な変化を計算し、組織病理学的反応(少なくとも腫瘍の95%が壊死)評価の精密度を比較した。標準的な大きさを基本とした評価(CT)では治療に反応した腫瘍の20%しか同定できなかったのに対し、腫瘍組織のグルコース代謝(PET)では治療に反応した全ての腫瘍を同定することができた。

 
 


 

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