高血圧患者の管理を改善するためには家庭血圧をルーチンに監視すべきである [2008-05-27]

Patients with hypertension should routinely monitor their blood pressure at home to improve management of the disease
高血圧患者の家庭血圧はルーチンに監視すべきであるとの新たな科学声明がAmerican Heart Associationから発表されHypertension誌5月22日号に掲載された。患者の血圧を外来で計測するよりも積極的に監視することにより、治療に対する反応を迅速に検出し経時的な血圧の変動を把握することができる。家庭血圧計測により特に利点が認められるのは、高齢者、妊婦、および糖尿病や腎疾患を有する患者である。声明では、医療従事者は患者に対して、適切なカフを使用し、血圧計の使い方を理解し、1日数回、1日2回、あるいは推奨された間隔で進んで計測するよう確認することを強く勧告している。筆者らは、このようなプログラムに積極的に参加することにより、服薬コンプライアンス、生活習慣の改善、およびその他の治療計画項目の改善が高まる可能性があると述べている。

ATHENAトライアルの結果、dronedaroneは一部の心房細動または心房粗動患者の入院および死亡率を有意に低下させることが示された [2008-05-27]

ATHENA Trial shows that dronedarone significantly reduces incidence of hospitalization and death in select patients with atrial fibrillation or atrial flutter
Dronedaroneは中等度から高リスクの発作性または持続性心房細動または粗動患者の心血管疾患による入院および死亡を有意に低下させる、とHeart Rhythm 2008で発表された。ATHENAトライアルでは、心房細動を有するまたは心房細動の既往のある患者4,628人(平均72歳)を、dronedarone 400mgを1日2回またはプラセボを内服する群に無作為に割り付け、1年以上追跡した。その結果、dronedaroneは心血管疾患による初回の入院までの期間を改善し心血管死を有意に減少させた。初回入院までの期間の改善は主に不整脈による入院が減少したことによるものであった。急性冠症候群による入院もdronedarone群においてプラセボよりも少なかった。筆者らは、このトライアルは治療の目的が不整脈自体のコントロールから、入院、急性冠症候群、さらに心血管とあらゆる原因による死亡などの機能的な予後のコントロールに変化していることを示していると述べている。

ループ利尿薬を使用している高齢男性は使用していない高齢男性と比較し股関節の骨密度の減少率が高いようである [2008-05-20]

Use of loop diuretics appears to increase the rate of bone loss in the hips of older men compared with bone loss in peers who do not take the medication
ループ利尿薬を使用している高齢男性は使用していない高齢男性と比較し股関節の骨密度の減少率が高いようである、とArchives of Internal Medicine 4月14日号に掲載された。研究者らは初回評価時に65歳以上であった男性3,269人(平均72.7歳)を調査し、その後平均4.6年間経過観察を行った。総股関節および他の2ヵ所の骨密度が計測された。スタディ期間中、計84人の男性が利尿薬を継続使用し、181人は断続的に使用、3,004人は内服しなかった。関連因子で補正した結果、総股関節骨密度の平均年間減少率は、利尿薬非内服群で0.33%、断続的内服群で0.58%、継続的内服群で0.78%であった。非内服群と比較し、補正後の骨密度減少率は断続的および継続的内服群でそれぞれ2および2.5倍高かった。このパターンは別に評価した他の2ヵ所の股関節部位においても同様であった。

心不全とうつ病を合併した患者に有酸素運動と認知行動療法を併用することにより、身体機能が向上し抑うつ症状が軽減する [2008-05-20]

Aerobic exercise plus cognitive behavioral therapy can improve physical function and reduce depressive symptoms in patients with heart failure and depression
心不全とうつ病を合併した患者に有酸素運動と認知行動療法を併用することにより、身体機能が向上し抑うつ症状が軽減する、とAmerican Heart Association's ninth Scientific Forum on Quality of Care and Outcomes Research学会で発表された。研究者らは74人の患者を、12週間の家庭での併用療法、カウンセリング、運動、または従来の治療のいずれかのプログラムを施行する群に無作為に割り付けた。患者(平均66歳)はクラスIIまたはIIIの心不全を有していた。それぞれのグループは、ベースライン時、12週後、3ヵ月後、および6ヵ月後に評価を受けた。全ての患者は12週後の運動目標を達成したが、併用療法群は6分間歩行検査において他の群よりも有意に大きく改善した。併用療法群は従来治療群と比較し、抑うつ症状スコアが有意に低下した。抑うつ症状スコアはカウンセリング群においても低下したが、併用療法または運動療法群と比較し、QOLは低いと感じていた。

喫煙を止めた女性は禁煙から5年以内に心血管死のリスクが有意に低下する [2008-05-13]

Women who quit smoking significantly reduce risk of death from cardiovascular disease within five years of smoking cessation
喫煙を止めた女性は禁煙から5年以内に心血管死のリスクが有意に低下する、とJournal of the American Medical Association 5月7日号に掲載された。女性看護師104,519人のスタディデータから、24年間で12,483人の死亡が明らかになった。4,485人(35.2%)は一度も喫煙の経験がなく、3,602人(28.9%)は現喫煙者であり、4,396人(35.2%)は過去に喫煙歴があった。禁煙により、喫煙を続けるのと比較し5年以内の総死亡率が13%低下し、過剰リスクは20年後には一度も喫煙をしたことのない人と同等のレベルまで低下した。リスクのベースラインまでの低下は死亡原因により異なった。早期の過剰リスク軽減の多くは冠動脈疾患および脳血管疾患において認められた。禁煙により得られる有益性全体に関して、冠動脈疾患の61%、脳血管疾患の42%が、5年以内に認められた。

抗骨粗鬆症薬アレンドロネートは心房細動のリスクを上昇させる可能性がある [2008-05-13]

The anti-osteoporosis agent alendronate may be associated with increased risk for atrial fibrillation
骨粗鬆症の治療に使用されるビスホスホネート製剤の一種であるアレンドロネートは、心房細動のリスクを上昇させる可能性があるとArchives of Internal Medicine 4月28日号に掲載された。研究者らは心房細動の確認された女性719人および年齢をマッチさせた不整脈のない女性966人を調査した。アンドロネートを服用している、または過去に服用していた女性のうち47人(6.5%)が心房細動を有していたのに対し、対照群においては40人(4.1%)であった。他の心房細動のリスクファクターで補正した結果、アンドロネートの服用は、このクラスの薬剤を全く服用したことがないのと比較し、心房細動のリスクが上昇した。研究者らは、この患者集団の新規発症の心房細動症例の約3%はアンドロネートの使用によるものであろうと推測している。メカニズムの可能性としては、調整蛋白の破壊、炎症の誘発、および血中カルシウムおよびリン酸レベルの軽度の低下を引き起こすことなどが考えられている。

Optimize-HFのデータから、肺炎、心筋虚血、および不整脈は心不全による入院の原因となる最も一般的な因子であることが示唆された [2008-05-07]

Optimize-HF data suggest pneumonia, myocardial ischemia, and cardiac arrhythmias are the most common factors contributing to hospitalizations for heart failure
3つの病態は、ほぼ3回の入院のうち2回の心不全による入院の原因となる、とArchives of Internal Medicine 4月28日号に掲載された。研究者らは、OPTIMIZE-HFレジストリの48,612人の患者データを解析し、5,791人の患者は退院後もフォローした。入院につながる主な因子は、肺炎または他の呼吸器疾患(15.3%)、心筋虚血(14.7%)、および心不整脈(13.5%)であった。他の因子は、コントロールされていない高血圧(10.7%)、服薬不遵守(8.9%)、食事(5.2%)、および腎機能悪化(6.8%)であった。院内死亡率はこれらの因子を有さない患者の方が少なくとも一つ有する患者よりも低かった。肺炎、虚血および腎機能悪化により院内死亡率が上昇し入院期間が長期化した。入院時の虚血または腎機能悪化は退院後60〜90日の死亡率上昇の予測因子であった。

ラジオ波クランプCox-Maze法にアブレーションを1回加えることにより、短期および長期の心房粗細動の再発が減少する [2008-05-07]

Addition of one extra ablation to the radiofrequency-clamp Cox-Maze procedure reduces short-term and long-term recurrence of atrial flutter and fibrillation
ラジオ波クランプCox-Maze法にアブレーションを1回加えることにより短期および長期の心房粗細動の再発が減少する、とJournal of Thoracic and Cardiovascular Surgery 4月号に掲載された。この新たな施術法では肺静脈および心房後壁を他の心房部位から電気的に隔離させる箱型の部位を作成する。研究者らは従来の方法または箱型部位法を施行された患者を比較した。箱型部位患者は従来の方法で施行した患者よりも入院期間が短く(平均9日対11日)、術後最初の週の心房粗細動再発率が48%低かった。術後3ヵ月後の不整脈の徴候は箱型部位患者の95%で認められず、従来の方法の患者では85%に認められなかった。その差は12ヵ月後までに有意ではなくなった。さらに、3〜6ヵ月後の抗不整脈薬の使用は箱型部位法を施行された患者において低かった。
 
 

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