心室性不整脈の病院内での除細動後の生存の可能性は、推奨されている心停止後2分以内の除細動を施行することにより劇的に高まる、とNew
England Journal of Medicine 1月3日号に掲載された。研究者らは米国国家登録内の患者で心室性不整脈が認められた者7,000人のデータを解析した。30%の患者は心室性不整脈を認めてから2分以上経過した後に除細動された。除細動の遅延により生存して退院する確率は有意に低下した。除細動を2分以内に施行した場合の生存率が39%であったのに対し2分を過ぎた場合のそれは22%であり、重大な神経学的障害を有さずに退院した生存者のみで比較すると26%低かった。筆者らは、除細動遅延が夜間や週末に起こりやすく心拍モニターをされていない患者に発生しやすい原因を調査し、設備や人員のどのような改善により処置までの時間を短縮できるかを確定する必要があると主張している。
下肢静止不能症候群(レストレスレッグ症候群)を有する人々はこれを有さない人々と比較し心血管疾患または脳血管疾患を有する確率が2倍以上高く、症状の頻度と重症度のリスクも増加する、とNeurology
1月1日号に掲載された。この種のスタディでは最も規模が大きなSleep Heart Health Studyでは、成人男女3,433人(平均年齢68歳)が組み入れられた。詳細なアンケートに対する回答の結果、女性の7%近く男性の3%近くが症候群を有していた。年齢、性別、人種、ボディマスインデックス、糖尿病、高血圧、降圧薬、高密度コレステロール値対低密度コレステロール値、および喫煙で補正した後も結果は同じであった。筆者らは、夜間の下肢運動により血圧や心拍数の急激な実質的な上昇を引き起こし、それが血管疾患の発症を促進していると記している。心疾患および脳卒中との相関は症状を月に16回以上有する者において強く認められた。
肺塞栓の診断においてコンピュータ断層肺動脈造影は換気血流シンチグラムにとってかわる安全な画像検査となりうるが、血管造影はクロットをより検出するため臨床的意義に関して疑問視される可能性がある、とJournal
of the American Medical Association 12月19日号に掲載された。このトライアルでは急性肺塞栓の疑わしい患者1,417人を従来の画像法(716人)または血管造影(701人)を施行する群に無作為に割り付けた。検査で陰性であった患者は単純に3ヵ月間追跡した。血管造影群の患者のうち133人(19.2%)が初回検査で肺塞栓または深部静脈血栓と診断された。シンチグラム群の患者のうち101人(14.2%)が同様の診断を下された。初回検査で静脈血栓塞栓が発見された全体の率は血管造影群で有意に高かった(差は5%)。編集局は、いずれの画像検査も考慮する前に体系化した病歴や身体データの検討およびDダイマー検査を行うことを提案している。