遺伝子多型により、うつ病の男性のうち抗うつ薬開始後自殺思考や自殺行動をとる者が少ない理由が解明される可能性がある、とArchives of General Psychiatry 6月号に掲載された。研究者らは、U.S. STAR*Dトライアルに参加しcitalopramを最長12週間投与された非精神病性大うつ病性障害と診断された18〜75歳の成人1,447人を評価した。抗うつ効果および自殺に関連すると考えられている蛋白をコードするCREB1遺伝子内またはその近くにある変異を解析した。1,447人中123人(8.5%)が、少なくとも1回のフォローアップの通院時に自殺思考または行動を報告し、そのうち男性の割合は539人中54人(10%)であった。男性において5個中2個の独立したヌクレオチド多型が治療後の自殺行為開始と関連があったが、女性においてはその関係は認められなかった。この結果が確証できれば将来的に、診断時にリスクの高い男性が発見できるようになるであろう。 |