統合失調症の徐放製剤
  気分安定薬と双極性障害における抗うつ薬
  徐放性非定型抗精神病薬
  親の状態と小児期の虐待

 4月3日・10日のDOL NewsはACC特集のため、Psychiatryニュースは
  お休みさせていただきました。



徐放製剤paliperidoneの長期投与は統合失調症の症状をコントロールし人格的および社会的機能の改善を維持するのに役立つ  [2007-04-24]

Long-term use of extended-release paliperidone helps patients control symptoms of schizophrenia and maintain improvements in personal and social function

徐放製剤paliperidoneの長期投与は統合失調症症状のコントロールおよび、短期治療で得られた人格的社会的機能の改善の維持に役立つ、とInternational Congress on Schizophrenia Research学会で発表された。このスタディは、6週間のpaliperidone、オランザピン、またはプラセボを1日1回投与する無作為試験を終了した患者に対する、 52週間の延長オープンラベル試験である。1,083人の患者は、北米、ヨーロッパ、およびアジアを含むいくつかの大陸で治療された。短期間のトライアルでpaliperidoneを投与された患者がこの延長スタディに参加するためには、スタディ終了までにプラセボを投与された患者と比較し有意な改善を示す必要があった。計47%の患者が長期スタディを終了した。延長スタディ開始後12週間に認められたPositive and Negative Syndrome Scaleの合計スコアおよびPersonal and Social Performance scale scoreの改善はその後のトライアル期間中維持された。

 

気分安定薬を投与されているうつ状態の双極性障害患者に抗うつ薬を追加しても、プラセボを追加するのと効果は同等である  [2007-04-24]

Depressed patients with bipolar disorder who receive mood stabilizer therapy do no better with addition of an antidepressant than with addition of placebo

気分安定薬を最大限に投与されているうつ状態の双極性障害患者に抗うつ薬を追加しても、プラセボを追加するのと効果は同等であるとNew England Journal of Medicine 3月28日号に掲載された。計366人の患者が米国のクリニックから募集され、併存疾患で既に治療を受けていても参加が可能であった。Bupropion、パロキセチン、またはプラセボのいずれかを投与する群に無作為化する前に医師らは、気分安定薬の用量を最良のレベルにまで調整した。約26週後、少なくとも連続8週間以上良好な状態を保つ、という厳しい回復の基準を満たしたのは抗うつ薬投与群の24%であり、プラセボ投与群の27%で回復の診断基準に合致した。さらに、それぞれの群の約10%において躁病の兆候が認められ、このことから抗うつ薬はプラセボよりも躁病のスイッチを入れる原因になり易いわけではないことが示された。2つの抗うつ薬における奏功率および躁病発現率は同等であった。

 

徐放性のクエチアピンを3日間に渡り漸増することにより統合失調症の症状および再発までの時間が有意に改善する [2007-04-17]

Sustained-release quetiapine significantly improves symptoms of schizophrenia and time to relapse when initiated stepwise over three days

徐放性のクエチアピンを2日目までに有効用量範囲内に達するような3段階の方法で投与を開始することにより、統合失調症の症状および再発までの時間が有意に改善する、と2007年European Congress of Psychiatry 学会にて発表された。あるスタディにおいて急性期の統合失調症患者588人を、1日400mg、600mgまたは800mgのクエチアピンまたはプラセボを投与する群に割り付けた。400mg、600mgおよび800mg投与群の6週後のPositive and Negative Syndrome Scaleは、それぞれ24.8、30.9および31.3ポイント減少し(プラセボ18.8ポイント)、プラセボよりも有意に多くの患者においてスケールの改善が認められた。他のスタディでは臨床的に安定している統合失調症患者197人をクエチアピン(平均用量669mg)またはプラセボに投与群に無作為に割り付けた。その結果、実薬を投与された患者はプラセボを投与された患者よりも再発のリスクが低く(リスク低下率87%)、再発までの期間が有意に長かった。再発率の差が大きかったため、このスタディは早期に終了となった。

 

片親の少年は両親のいる少年と比較し性的虐待を受けるリスクが有意に高い可能性がある  [2007-04-17]

Boys in one-parent families may have a significantly higher risk for sexual abuse than boys living in two-parent families

片親の少年は両親のいる少年と比較し性的虐待を受けるリスクが有意に高い可能性がある、とJournal of Epidemiology and Community Health 4月号に掲載された。米国の研究者らはある都市に居住する男性197人(18〜49歳)に対し、家族構成、経済因子、および虐待に関する質問をした。90%を超える人々が少なくとも一人の親と同居していた:76人(39%)は片親と同居し110人(56%)は両親と同居していた。片親と同居している者の30%弱が性的虐待を受けたと報告し、一方両親と同居している者のその割合は16%であった。社会的および経済的因子で統計学的に補正してもなお、同居する親の数と性的虐待の関連は有意に認められた。片親の少年は親類以外の女性から虐待を受ける確率が高かった。一方、両親と同居する少年は親類の男性から虐待を受ける確率が高かった。



 

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