飲酒を14歳以下で開始した成人はストレスを緩和するために飲酒をする確率が高いが、これらの人々はもともとの飲酒量が最も多く健康上のリスクがさらに上昇する、とAlcoholism:
Clinical and Experimental Research 1月号に掲載された。研究者らは、2001〜2002年に米国の過去の飲酒者27,000人近くを調査し収集したデータを解析した。前年にあった、ストレスになる様々な事柄に関しての質問がなされた。飲酒を14歳以下で開始した成人はそれぞれのストレスが加わることにより19%ずつ一日の平均飲酒量が増加したのと比較し、初めて飲酒をしたのが18歳以降の者におけるその割合は3%であった。他の因子で補正した結果、ストレスと飲酒量の関係は10歳代前半に飲酒を始めた者においてのみ有意であった。
食事およびサプリメントを介して葉酸を多く摂取している人はアルツハイマー病のリスクが低い可能性がある、とArchives
of Neurology 1月号に掲載された。研究者らは1992〜1994年に痴呆を有さない米国の成人965人を評価し、彼らを平均6.1年間フォローした。参加者のベースライン時の年齢は平均75.8歳であり、70.2%が女性であった。フォローアップ中に192人がアルツハイマー病を発症した。彼らを葉酸摂取量に基づき4つの群に分け、患者背景、合併症、ビタミンB12およびB6摂取量で補正した結果、アルツハイマー病のリスクは葉酸摂取量のより高い群においてより低かった。食事による葉酸摂取またはサプリメント単独ではいずれもアルツハイマー病のリスクとは有意な関連がなく、両者を組み合わせて摂取することにより効果が生み出されると思われた。
メンタルトレーニングは高齢者の認知機能低下を最小限に食い止めるのに役立ち、これにより高齢者の認知機能に対する不安を軽減できる可能性がある、とJournal
of the American Medical Association 12月20日号に掲載された。Advanced Cognitive Training
for Independent and Vital Elderly (ACTIVE)スタディにおいて、約3,000人の対象者のうち半分が10セッションの認知トレーニングを受け、残りの半分はトレーニングを受けなかった。トレーニングを受けた者は記憶、論証、および処理スピードにおいて短時間のうちに改善を認めた。5年後もその改善は持続していた。他の最近の研究の結果、活動性の低い高齢者は記憶力を計測する検査において成績が悪く、身体活動は記憶力を改善する可能性があることから、筆者らは、医師らが近い将来、個々のリスクファクターに合わせた身体活動や認知トレーニングプログラム(例えばアルツハイマー病のリスクの高い者は記憶力に有効なトレーニングに集中するなど)を組むことが可能となるかもしれないと述べている。
新たな脳スキャンにより軽度認知障害を有する人々のアミロイドを同定することができ、この発見により研究者らのアルツハイマー病の追跡や理解が可能になる、とNew
England Journal of Medicine 12月21日号に掲載された。研究者らはアミロイドに結合するマーカーを用いてポジトロン断層撮影法を施行した。83人のボランティアのうち25人がアルツハイマー病を、28人が軽度の認知障害を有し、30人はコントロールであった。機能障害のレベルとアミロイド−マーカー複合体レベルには直線的な相関関係が認められた。2年後に12人の患者に対し、新たなマーカーを用いたフォローアップスキャンが施行された。機能障害が進行した患者においては過去のスキャンと比較しマーカー結合の増加が認められた。2回目のスキャンから14ヵ月後に死亡したあるアルツハイマー病患者の死亡解剖の結果、過去にスキャン上マーカーの結合が多く示された領域にアミロイドの沈着が確認された。