マイクロRNAの発現パターンにより慢性膵炎と膵臓がんを鑑別したりがん患者の生存期間を予測したりできる可能性がある [2007-05-22]  
Expression pattern of microRNA may help distinguish chronic pancreatitis from pancreatic cancer and predict survival of patients with cancer

マイクロRNA配列の発現パターンにより慢性膵炎と膵臓がんを鑑別したりがん患者の生存期間を予測したりできる可能性がある、とJournal of the American Medical Association 5月2日号に掲載された。研究者らは膵臓の管状腺がん患者65人および慢性膵炎患者42人の組織検体を解析した。切除したがんおよび隣接した正常組織そして慢性膵炎の組織からRNAを採取した。その結果、彼らはがんと正常組織または慢性膵炎を95%の精度で鑑別するマイクロRNA(非コード)の配列および、24ヵ月以上生存するがん患者と24ヵ月以内に死亡する患者を鑑別する6つのRNA配列のサブグループを同定した。編集局は、このような発見は重要であるが、個々のがんの発生を理解し生物学的習性に基づくような治療戦略を進歩させる最初のステップに過ぎない、と述べている。

CTコロノグラフィは高齢者において忍容性が良好であり、憩室症などを有していてもほとんどの患者において腸全体の撮影ができる [2007-05-22]  
Computed-tomographic colonography is well tolerated by older patients and images the entire colon in most patients despite conditions such as diverticular disease

CT(コンピュータ断層撮影)コロノグラフィは高齢者において忍容性が良好であり、憩室を有し結腸冗長性であってもほとんどの患者においてうまく腸全体の撮影ができる、とAmerican Roentgen Ray Society学会で発表された。60歳以上の患者42人中29%は大腸内視鏡検査が禁忌であるため、71%は大腸内視鏡検査が不完全に終了したため(ほとんどが憩室を有し結腸冗長性であるため)CTコロノグラフィを施行された。その結果90%の患者において合併症なく腸管全体の撮影ができた。全体で93%が大腸造影上憩室やポリープなどの陽性所見を有していた。大腸以外の所見も多く認められた:62%の患者はさらなる放射線撮影検査を必要とする所見を有し、25%は内科的または外科的処置を必要とした。

白血病またはリンパ腫に対しステロイドを投与されている小児において大腿骨頭の変質劣化が30%以上ある場合、短期間のうちに手術が必要となることが予測される [2007-05-15]  
Deterioration of the femoral head of 30 percent or more in children receiving steroids for leukemia or lymphoma predicts short-term need for surgery

白血病またはリンパ腫に対しステロイドを投与されている小児において大腿骨頭の変質劣化が30%以上ある場合、骨頭の圧潰および数年以内の再建術が必要となるリスクが高い、とJournal of Clinical Oncology 4月20日号に掲載された。研究者らは、大腿骨頭壊死症を発症した患者80人のカルテと核磁気共鳴画像を再評価した。初回診断から大腿骨頭壊死までの期間中央値は1.7年であったが、この期間の幅は広く0.1〜17.5年であった。計23人(29%)が36個所の股関節の関節形成術を受けた(手術時年齢中央値20.1歳)。診断時の大腿骨頭の骨壊死の割合が、唯一手術を要する骨頭の圧潰を予測する因子であった。これらの股関節の80%が2年以内に圧潰し、半数は関節形成術を必要とした。

新たな評価方法は標準的な臨床および疫学データを用い、どの喫煙者が肺がん発症の高リスクかを予測する [2007-05-15]  
A new assessment tool uses standard clinical and epidemiologic data to predict which smokers are at highest risk for developing lung cancer

肺がんのリスク予測に標準的なデータを用いることが可能である、とJournal of the National Cancer Institute 5月2日号に掲載された。研究者らは患者1,851人と2,001人のコントロールのデータを評価した。集団の数が大きいことの一つの利点は、モデルを作成するための群および評価し確認する群の2つの群をもつことができた点である。このスタディの限界は白人を基本とした患者集団のみしか入っていないことである。危険因子については、一度も喫煙したことのない人では、受動喫煙およびがんの家族歴であった。現在および過去の喫煙者では、肺気腫および粉塵への暴露であった。過去の喫煙者ではたばこを止めたときの年齢およびがんの家族歴であり、現在の喫煙者ではアスベスト暴露、喫煙量、および喫煙に関するがんの家族歴であった。予測能力は60%であり、乳がんリスクのGailモデルに匹敵するものであった。

閉経前の女性において自然流産または人工中絶のいずれも乳がんのリスクではないようである [2007-05-08]  
Neither spontaneous nor elective abortion appears to be associated with risk for breast cancer in premenopausal women

閉経前の女性において自然流産または人工中絶のいずれもが乳がんのリスクではないようである、とArchives of Internal Medicine 4月23日号に掲載された。研究者らは、US Nurses' Health Study II(1993年のベースライン時年齢29〜46歳)に参加した女性の一部の105,716人のデータを解析した。参加者は2003年まで2年ごとに、自然流産または人工中絶を経験したか、経験した場合はそれが何歳のときであったかについての質問に回答し、乳がんのリスクファクターおよび診断についての情報を提供した。計16,118人(15%)の女性が人工中絶の経験があると回答し、21,753人(21%)が流産を経験したと回答した。1993年から2003年の間にこれらの女性のうち1,458人が新たに乳がんを発症した。今回のスタディの結果は、2003年に報告された、National Cancer Instituteの召集した国際専門家委員会が中絶と乳がんの関連の可能性について調査したスタディの結果と同様であった。

抗酸化サプリメントは化学療法の効果を妨害しないようであり、一部の患者においては治療に対する忍容性や予後を改善する可能性がある [2007-05-08]  
Antioxidant supplements do not appear to interfere with the efficacy of chemotherapy and may improve toleration of treatment and outcomes in some patients

抗酸化サプリメントは化学療法の効果を妨害しないようであり、一部の患者においては治療に対する忍容性や予後を改善する可能性がある、とCancer Treatment Reviews 5月号に掲載された。システマティックレビューにより5つの科学的データベースの論文が評価された。19のスタディ(患者1,554人、ほとんどが進行または再発の疾患を有する)が評価基準に合致した。抗酸化物質にはグルタチオン、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、エラグ酸、セレン、およびβカロチンが含まれた。生存データを含む全ての研究では、抗酸化群はコントロール群と比較し生存率が同様またはより優れていた。これらのサプリメントが化学療法の効果を低下させるとの仮説を支持するトライアルはなかった。治療の反応性を報告したスタディのうち一つを除き全てにおいて、抗酸化群はコントロール群と同様またはより良好な治療効果が認められた。最後に、化学療法の毒性を評価した17のトライアル中15において、抗酸化群はコントロール群と比較し副作用発症率が同等または低かった。

皮膚科医によるメラノーマの調査は、診断時の腫瘍進行度がより早期であることと生存率上昇の相互関係を明らかにしている [2007-05-01]  
Surveillance for melanoma by dermatologists correlates with earlier tumor stage at diagnosis and higher survival rates

皮膚科医によるメラノーマの調査は、診断時の腫瘍進行度がより早期であることと生存率上昇の相互関係を明らかにしている、とArchives of Dermatology. Analysis 4月号に掲載された。2,020人の米国人患者の記録を解析した結果、73%の患者が皮膚科医に診断され、一方27%の患者は他の専門の医師により診断されていた。皮膚科医により診断された腫瘍は平均の厚みが薄かった(0.86mm 対 1.0mm)。診断時の病期を解析すると、皮膚科医診断群はstage 0、 IまたはIIの症例がより多く、非皮膚科医診断群においてはstage IIIまたはIVがより多かった。6ヵ月、2年、5年の生存率は、皮膚科医診断群において非皮膚科医診断群よりも高かった。2年および5年生存率は、皮膚科医診断群でそれぞれ86.5%および73.9%であり、非皮膚科医診断群のそれは78.8%および68.7%であった。筆者らは、予後の差と診断時のメラノーマの深さを関連付けた。

原発性消化管間質腫瘍完全切除後のイマチニブ投与により再発のリスクが低下する [2007-05-01]  
Imatinib given after complete resection of primary gastrointestinal stromal tumor decreases risk of recurrence

原発性消化管間質腫瘍完全切除後のイマチニブ投与は手術単独群と比較し再発のリスクを低下させる、とAmerican College of Surgeons Oncology Group (ACOSOG)の研究者により発表された。このスタディは無再発生存期間を延長させるという主要エンドポイントを満たしたため、ACOSOG Z9001トライアル監修委員会は、最近行われた中間解析の結果を公表することを推奨した。つまり、術後1年間イマチニブを投与された患者の97%が再発しなかったのに対し、術後1年間プラセボを投与された患者におけるその割合は83%であった。この解析は原発性腫瘍の径が3cm以上であり腫瘍を完全切除された患者600人以上のデータに基づいており、1日400mgのイマニチブまたはプラセボを1年間投与する群に無作為化した。これら2群間における全生存期間に差はみられなかった。

 


 

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