いくつかの特異的な遺伝子変異が頭頸部の喫煙関連皮膚がんの発症と関連しているようである、とJournal of the American Medical
Association 1月10日号に掲載された。口腔内および中咽頭腫瘍、または下咽頭腫瘍患者122人の腫瘍上皮および周囲組織が分離された。これらの組織は全ゲノム解析に用いた。喫煙者の組織は非喫煙者のそれと比較し、ゲノム変異の程度が高かった。ある特異的な5つの遺伝子座において腫瘍の悪性度には相関が認められた。3つの組織特異的遺伝子座は腫瘍のサイズおよび領域リンパ節転移と関連があった。さらに、2つの特異的な変異はリンパ節転移および臨床ステージと正の相関があった。
細胞骨格蛋白ネスチンは基底上皮細胞乳がんと高度に関連しているようであり、研究者らがそれを選択的バイオマーカーとして使用できるようになり早期診断や初回治療後患者のモニターの手段となる可能性がある、とCancer
Research 1月15日号に掲載された。この基底上皮細胞乳がんは全ての乳がん患者の17〜37%を占め、発症年齢が低いことおよび治療から再発までの時間が短いことで知られている。エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、およびHer2を有さない乳がん腫瘍を用いたレトロスペクティブ研究において研究者らは、16個の腫瘍中14個においてネスチンの量が極端に多いことを見出した。遺伝性のBRCA1変異と基底細胞乳がんが関連していることを示した他の研究と一致することから、今回の研究の研究者らはこれらの腫瘍においてもネスチンレベルが高いことを見出した。
腎移植レシピエントは、一般的には特にウイルス感染に関連した多くのがんのリスクが3倍高い可能性がある、とJournal of the American
Medical Association 12月20日号に掲載された。研究者らは、腎移植を受けたオーストラリアの末期腎疾患患者28,855人のがん発症率を比較した。データは、移植の5年前、透析中、および移植後の3つの異なる時期に収集された。メラノーマ以外の皮膚がんおよびしばしば末期腎障害を引き起こすがんを除いたがん全体の発症率は、移植後3.27倍に上昇した。一方、透析中および移植前のがん発症率はわずかに上昇しているのみであった(それぞれ1.35倍と1.16倍)。25の施設において移植後のがん発症率が有意に上昇し、18の施設においてリスクは3倍を超えた。
メラノーマは、厚みがあり、対称で隆起し、境界が明瞭な、または症状を有する場合、進行が速いとの報告がArchives of Dermatology 12月号に掲載された。オーストラリアの研究者らは、連続404人の浸潤性メラノーマ患者(平均年齢54.2歳)の進行率を調査した。最初と比べて腫瘍が変化したと気付いた日や腫瘍が成長していることが疑われた日、切除日や厚さおよび病理レポートから得られた細胞分裂率などを用いて成長率を推定した。細胞分裂率は推定成長率とよく一致した。約3分の1(141)が1ヵ月0.1mm未満成長し、3分の1(136)が1ヵ月に0.1〜0.49mm成長し、残りの3分の1が1ヵ月に0.5mm以上成長した。