C反応性蛋白を低下させる新たな方法 (AHA Abstract # 874)
  蘇生ガイドラインの公衆衛生に与えるインパクト (AHA Abstract # 64)
  スタチンとナイアシンの併用 (AHA Abstract # 188)
  スタチンと睡眠障害 (AHA Abstract # 3725)
  β遮断薬と周術期合併症(POISE)
  心不全と心房細動(MASCOT)
  アンジオテンシンII受容体拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素阻害薬
(HIJ-CREATE)
  コンピュータ断層冠動脈造影の価値(CORE-64)
  T波交互脈検査の価値(MASTER I)
  心房細動と心不全(AF-CHF)
  遅れて施行した経皮的冠動脈インターベンションの価値(OAT)
  Eptifibatideの投与時間と有効性(BRIEF-PCI)
  Eptifibatideとabciximab(EVA-AMI)
  スタチンと心不全(CORONA)
  経皮的冠動脈インターベンション後の予後予測(COURAGE)
  抗血小板薬間の差異(TRITON-TIMI 38)
  左室補助装置の進歩 (AHA Abstract # 1762)
  末梢動脈疾患の傾向 (AHA Abstract # 3449)


Phase IIトライアルの結果、ヒト化モノクローナル抗体は動脈硬化性心血管疾患のハイリスク患者のC反応性蛋白レベルを低下させる可能性が示唆された [2007-11-27]

Phase II trial suggests that humanized monoclonal antibody can reduce C-reactive protein levels in patients at high risk for atherosclerotic cardiovascular disease
ヒト化モノクローナル抗体MLN1202は動脈硬化性心血管疾患のハイリスク患者のC反応性蛋白(CRP)レベルを低下させる可能性が示唆された、とAmerican Heart Association学会で発表された。このPhase IIトライアルでは高感度CRPレベルが3.0mg/dLを超えている患者108人を組み入れた。患者らはMLN1202単回投与またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、約16週間追跡された。その結果、57日後に、MLN1202はプラセボと比較し、CRPレベルを平均26.7%低下させ、この低下は85日後まで持続した。全体的に、実薬群の患者の11.3%においてCRPレベルが2mg/dL以下に低下し、一方プラセボ群におけるその割合は1.9%であった。CRPが有意に低下したのは、ある特異的なDNA(炎症のパスウェイに重要だとして知られる遺伝子における一塩基多型)を有する患者において認められる確率が高かった。この亜型はこのスタディの対象者全体の53%に認められた。

米国7都市のデータの研究から、2005年American Heart Association心肺蘇生ガイドラインの使用が支持された [2007-11-27]

Study of data from seven U.S. cities supports the use of the 2005 American Heart Association Cardiopulmonary Resuscitation guidelines
米国7都市の調査データから、2005年版の新たなAmerican Heart Association心肺蘇生ガイドラインの使用が強力に支持された、とAmerican Heart Association学会で発表された。患者893人の患者の病院外での心停止から退院までの追跡記録から評価したものである。胸部圧迫(心臓マッサージ)回数の増加、胸郭が元の状態に完全に戻ってから次の胸部圧迫をすることおよびimpedance threshold deviceの使用を含む新たなガイドラインを用いて治療された者は退院率が15.7%であったのに対し、古いガイドラインに基づき治療を受けたコントロール群におけるその割合は7.9%であった。Impedance threshold deviceは2005 Emergency Cardiac Care Guidelinesにおいて学会によりClass IIaとされており、心停止後の血行動態を改善し自己脈再開率を改善する治療であり、最も推奨されている。

SEACOASTトライアルの結果、シンバスタチンと徐放性ナイアシンの併用はシンバスタチン単独よりも脂質プロファイルを有意に効果的に改善することが示唆された [2007-11-27]

SEACOAST trial suggests simvastatin plus extended-release niacin is significantly more effective than simvastatin alone for improving lipid profiles
SEACOASTトライアルの結果、シンバスタチンと徐放性ナイアシンの併用はシンバスタチン単独よりも脂質プロファイルを有意に効果的に改善することが示唆された、とAmerican Heart Association学会で発表された。この24週間のトライアルでは、シンバスタチン20mgまたは40mgと徐放性ナイアシンの併用、または対照群のシンバスタチン80mgと短時間作用型ナイアシンを併用する群に無作為に割り付けた。低用量併用療法群の患者はシンバスタチン20mg単独群と比較し、non-HDLコレステロールが有意に低下しまたHDLコレステロールおよび中性脂肪レベルが有意に改善した。40mgシンバスタチンを含む高用量併用療法群の患者はシンバスタチン80mg単独と同程度にnon-HDLコレステロールが低下し、HDLコレステロールおよび中性脂肪は80mgシンバスタチン単独よりも有意により改善した。

脂溶性のシンバスタチンは一部の患者において、水溶性のプラバスタチンでは出現しない有意な睡眠障害を引き起こす可能性がある [2007-11-27]

Fat-soluble simvastatin can cause significant sleep problems in some patients who might not develop problems with water-soluble pravastatin
脂溶性のシンバスタチンは一部の患者において、水溶性のプラバスタチンでは出現しない有意な睡眠障害を引き起こす可能性がある、とAmerican Heart Association学会で発表された。研究者らは、シンバスタチン(20mg)、プラバスタチン(40mg)、またはプラセボを用いた二重盲検プラセボコントロール試験において健康な成人1,016人を調査した。結果はLeedsスケール、睡眠の質に関するvisual analog scale、および睡眠障害の評価尺度を用いて評価した。シンバスタチンを内服した者のうち睡眠の質が低下したと訴えた者は、睡眠の質が良いと答えた者と比較し、aggressionスコアもまた低下していた。筆者らは、シンバスタチンを内服する患者のうち臨床的に有意な睡眠障害を有する者の割合は小さいかもしれないが、他のスタチンを考慮することにより、これらの患者はスタチンを継続し睡眠の質も保つことができるであろうと述べている。

AF-CHFトライアルの結果、心房細動および心不全を有する患者は治療のゴールがリズムコントロールでもレートコントロールでも死亡率には差がないことが示された [2007-11-20]

AF-CHF trial suggests that patients with atrial fibrillation and heart failure have comparable mortality whether treatment goal is control of heart rhythm or rate
AF-CHFトライアルの最終的なデータによると、心房細動および心不全を有する患者は治療法がリズムコントロールまたはレートコントロールのいずれかに関わらず死亡率が同等であることが示唆された、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。計1,376人の患者がリズムコントロール(除細動と抗不整脈薬[初回選択薬としてアミオダロン、特定の症例においてはソタロールまたはdofetilide]の併用)またはレートコントロール(β遮断薬、ジゴキシン、または両方、および必要に応じペースメーカー)群に無作為に割り付けられた。両群ともに最大限の心不全治療および抗凝固療法を受けた。平均追跡期間37ヵ月での心血管死はリズムコントロール群で26.7%、レートコントロール群で25.2%であった。総死亡率(31.8%対32.9%)、脳卒中(2.6%対3.6%)および心不全増悪イベント(27.6%対30.8%)も両群間で同様であった。

MASTER Iの結果、マイクロボルトT波交互脈検査は、心筋梗塞後患者のうち心室性不整脈を最も発症しやすい者を検出する能力がないことが示唆された [2007-11-20]

MASTER I suggests that microvolt T wave alternans testing does not identify which myocardial infarction survivors are most likely to have ventricular arrhythmia
マイクロボルトT波交互脈検査は心筋梗塞後患者のうち最も心室性不整脈を発症しやすい者を検出できないため、現段階においては電気生理学的検査の代替検査として適切ではない、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。MASTER Iトライアルにおいて、標準的な適応により一次予防として植込み型除細動器を植え込まれている心房細動を有さない患者575人を組み入れた。全ての患者がT波交互脈検査を受け、その後地域の医師がフォローした。筆者らは、さらなる研究によりこの検査の根拠となる生理学を理解し、日常的に臨床で使用できるように改善できるかどうかを解明すべきであると述べている。

CORE-64トライアルの結果、多列検出器コンピュータ断層撮影(MDCT)による冠動脈造影は従来の冠動脈造影技術の代わりとなる可能性が示唆された [2007-11-20]

CORE-64 trial suggests multidetector computed tomography angiography may replace conventional technique for diagnosis of coronary artery disease
64列MDCTによる非侵襲的冠動脈造影は、一部の患者の初回の冠動脈造影に関して、従来の冠動脈造影技術の代わりとなる可能性のあることが、American Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。アジアを含む国際試験であるCORE-64トライアルでは、冠動脈疾患疑いにより従来の冠動脈造影を予定されていた患者291人において検査を比較した。カルシウムスコアが600未満の患者においては、血行再建術の適応となる病変を有する患者を検出するのに、コンピュータ断層撮影の診断能は従来の冠動脈造影と同等であった。コンピュータ断層撮影は、従来の冠動脈造影と比較し、どの血管に狭窄があるかを特定する能力は低かった。

HIJ-CREATEトライアルの結果、カンデサルタンは短期の心血管イベントのリスクを軽減するがアンジオテンシン変換酵素阻害薬はリスクを変化させない可能性のあることが示唆された [2007-11-20]

HIJ-CREATE trial suggests candesartan may decrease short-term risk for cardiovascular events whereas angiotensin-converting enzyme inhibitors do not alter risk
高血圧および冠動脈疾患を有する患者に対し、アンジオテンシンII受容体拮抗薬は少なくとも短期の主要な心血管系有害事象を減少させるが、アンジオテンシン変換酵素阻害薬はリスクに影響しないようである、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。HIJ-CREATEトライアルにおいては、2,049人の患者をカンデサルタンを基本とした治療またはアンジオテンシン受容体拮抗薬以外の薬剤を基本とした標準的な治療を行う群に無作為に割り付けた。約35%の患者が急性冠症候群の既往を、38%が心筋梗塞の既往を有していた。平均追跡期間4.2年のイベント発症率は、カンデサルタン群で264例(25.8%)、アンジオテンシン受容体拮抗薬以外の群で288例(28.1%)であった(有意差なし)。しかし、カンデサルタンは無作為化後3〜6ヵ月の一次エンドポイント発現率を有意に低下させた。

MASCOTトライアルの結果、心房のオーバードライブペーシング機能を備えた心臓再同期療法は心不全患者における持続性心房細動の発症を予防しない [2007-11-20]

MASCOT trial suggests cardiac resynchronization therapy for overdrive atrial pacing does not protect patents with heart failure from permanent atrial fibrillation
心房のオーバードライブペーシング機能を備えた心臓再同期療法の使用は心不全患者における持続性心房細動の発症を予防しない、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。MASCOTトライアルでは394人の患者(平均年齢68歳)を、心房オーバードライブペーシング機能を備えた再同期療法または単なる心室再同期療法を受ける群に無作為に割り付けた。2年間を予定しているスタディのうちの1年間の結果から、この装置は安全でありまたプログラムされたアルゴリズムは、左室駆出率が35%以下のNYHAクラスIIIまたはIVの心不全患者において安全であることが示された。しかし、1年後の時点で、持続性心房細動の発症率には差がなかった(両群ともに3.3%)。オーバードライブ機能を備えた再同期療法群において有意ではないが死亡率が低い傾向にあった(7.6%対11.7%)。

POISEトライアルの結果、非心臓手術を受ける患者に対する周術期の徐放性メトプロロール製剤の使用は利益と損害の両方をもたらすことが示唆された [2007-11-20]

POISE trial suggests perioperative use of controlled-release metoprolol produces both benefits and harms for patients undergoing noncardiac surgery
徐放性メトプロロール製剤は、心血管系におけるアテローム性動脈硬化リスクを有し非心臓手術を受ける患者に対し利益と損害の両方をもたらす、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。POISEトライアルでは8,351人の患者を、術前後に経口メトプロロールまたはプラセボを内服し術後30日間継続する群に無作為に割り付けた。データから、周術期のメトプロロールは30日以内の心筋梗塞のリスクは低下させたが、死亡および脳卒中のリスクを上昇させたことが、強く示唆された。データ解析から血圧低下および徐脈が増加することも示された。試験に参加可能な患者の条件は、45歳以上で、24時間以上の入院が予想され、無作為化前3年以内に冠動脈性心疾患、末梢血管疾患、脳卒中、またはうっ血性心不全の既往のある者、または過去に大血管手術を受けたことのある者であった。

TRITON-TIMI 38トライアルの結果、経皮的冠動脈インターベンションを施行される患者に対し、prasugrelはクロピドグレルよりもより有益であることが示された [2007-11-13]

TRITON-TIMI 38 trial indicates prasugrel offers more benefit than clopidogrel for patients undergoing percutaneous coronary intervention
経皮的冠動脈インターベンションを施行される中等度−高リスクの急性冠症候群患者に対し、prasugrelはクロピドグレルよりも有益である、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。TRITON-TIMI 38では30ヵ国の患者13,608人を、prasugrel(初回投与量として60mg、維持量として1日10mg)またはクロピドグレル(初回投与量300mg、維持量1日75mg)を施術後最長15ヵ月間内服する群に無作為に割り付けた。その結果、prasugrel群において心血管死または非致死的心筋梗塞または脳卒中の一次エンドポイントが有意に低かった(prasugrel群で9.9%に対しクロピドグレル群で12.1%)。重大な出血はprasugrel群において有意に多かった(2.4%に対しクロピドグレル群1.8%)が、全体的な臨床上の有益性はprasugrelにおいて有意に高かった。今回の投与量において、prasugrelに対する反応が不良であることを予測する因子には、脳卒中の既往、高齢、低体重が挙げられた。

COURAGEサブスタディにより、経皮的冠動脈インターベンションの恩恵を被るであろう患者を見極める上でのsingle photon emission computed tomography(SPECT)の有用性が示された [2007-11-13]

COURAGE substudy shows value of single photon emission computed tomography in identifying who will benefit from percutaneous coronary intervention
Single photon emission computed tomography(SPECT)により、冠動脈狭窄を有する患者のうち薬物療法単独よりも経皮的冠動脈インターベンションを施行した方が有益性が得られるであろう患者を見極めることが可能である、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。COURAGEトライアルの核医学サブスタディにおいて研究者らは、313人の患者を、薬物療法のみまたは薬物療法とインターベンションの併用による治療の前後に画像診断を行った。フォローアップの画像診断時に、併用療法群においては虚血が2.7%減少していたのに対し薬物療法のみの群における減少は0.5%であった。また一方、ハイリスクの虚血(虚血心筋が10%を超える)を有した状態でスタディに参加した患者においては、薬物単独療法よりも併用療法の方が虚血を軽減するのにより有効であった。この結果から、このサブグループは経皮的インターベンションにより最も利益を得やすい群であることが示唆された。

CORONAトライアルの結果、最大限の薬物治療にスタチンを加えても進行した収縮不全患者の予後は改善しないことが示された [2007-11-13]

CORONA trial suggests that adding a statin to optimal medical therapy for advanced systolic heart failure does not improve prognosis
最大限の薬物治療にスタチンを加えても虚血性心疾患を伴う進行した収縮不全患者の予後は改善しないことが示された、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。CORONAトライアルではクラスIIまたはIIIの男女心不全患者5,011人(平均年齢73歳、平均左室駆出率31%)をロスバスタチン(1日10mg)またはプラセボを加える群に無作為に割り付けた。平均追跡期間は2.5年間であった。スタチン群では心血管死または非致死的心筋梗塞または脳卒中からなる複合エンドポイントが8%減少したが有意ではなかった。この減少は主に、動脈硬化に関連した致死的心筋梗塞および脳卒中イベントの減少によるものであった。死亡のほとんどは突然死または非虚血性の原因によるものでロスバスタチンの影響を受けるようなものではなかった。興味深いことに、スタチン群は心不全悪化を含む全ての原因による入院が有意に少なかった。

EVA-AMIトライアルの結果、冠動脈インターベンションを施行されるST上昇心筋梗塞患者に対し、eptifibatideの倍量ボーラス投与はabciximabと同様の有効性を示すことが示唆された [2007-11-13]

EVA-AMI trial suggests a double bolus of eptifibatide is as effective as abciximab for patients with ST-elevation infarctions who undergo coronary intervention
冠動脈インターベンションを施行されるST上昇心筋梗塞患者に対し、eptifibatideの倍量ボーラス投与はabciximabと同様の有効性を示す、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。EVA-AMIの一次エンドポイントは、インターベンション60分後のST上昇が最初のST上昇より70%より大きく改善していることであった。筆者らは、インターベンション後のSTの改善度は30日後および長期の死亡率と密接に関連することを特筆している。どちらのグリコプロテインIIb/IIIa阻害薬もクロピドグレルおよびアスピリン、およびヘパリンまたはエノキサヘパリンと併用投与された。

BRIEF-PCIトライアルの結果、複雑・緊急ではない経皮的冠動脈インターベンションの際のeptifibatide投与時間を短縮しても、標準的な投与法と有効性が同等であることが示された [2007-11-13]

BRIEF-PCI trial suggests abbreviated infusion of eptifibatide is equally effective as standard infusion for uncomplicated non-emergent percutaneous coronary interventions
複雑・緊急ではない経皮的冠動脈インターベンションの際のeptifibatide投与時間を短縮しても、標準的な投与時間で投与するのと安全性および有効性が同等である、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。BRIEF-PCIトライアルでは、624人の患者が複雑ではないインターベンション/ステント挿入前にeptifibatideの投与を受け、その後18時間の持続点滴を受ける群と2時間以内の短時間の点滴を受ける群に無作為に割り分けられた。周術期の酵素上昇を伴う心筋損傷は二群間で同等であり、30日間の心筋梗塞および標的血管の緊急血行再建術施行率も同等であった。施術後の重大な出血は短時間投与群において有意に少なかった(1%対4.2%)。

OATサブスタディの結果、心筋梗塞後遅れて経皮的冠動脈インターベンションを施行することによる長期ベネフィットは少ないことが示唆された [2007-11-13]

OAT substudy suggests that delayed percutaneous coronary intervention after myocardial infarction is associated with little long-term benefit
遅れて施行した経皮的冠動脈インターベンション(心筋梗塞から3〜28日後)による長期ベネフィットは小さく、少なからぬ経費がかかる、とAmerican Heart AssociationのLate-Breaking Clinical Trialセッションで発表された。OATスタディの対象は主要な冠動脈が完全閉塞し症状発現から12時間以内に有効な治療を受けなかった患者である。インターベンションと最大限の薬物治療の費用対効果の解析において研究者らは、OATの対象患者951人の組み入れ時および組み入れから4ヵ月後、1年後、および2年後のQOLのデータを得た。インターベンションにより4ヵ月後の身体機能においては臨床的に有意な有益性が得られたが、その有益性は1年後には消失した。精神衛生上はインターベンションによる有意な有益性は認められなかった。二次的なQOLにおいては、インターベンションにより4ヵ月後および1年後の狭心症状がやや軽減したが、その効果は時間とともに減少した。

無症候性末梢動脈疾患の有病率は着実に増加しているようである [2007-11-06]

Prevalence of asymptomatic peripheral artery disease appears to be steadily increasing
米国成人における無症候性末梢動脈疾患の有病率は着実に増加しているようである、と2007年American Heart Association学会で発表された。研究者らは1999〜2004年に施行された米国国内の3つの詳細な調査を通して集計されたデータを解析した。これらの調査では、足関節上腕血圧比(ankle-brachial blood pressure index)0.9未満を末梢動脈疾患と定義した。ベースライン時に心血管疾患歴のない40歳以上の5,376人において、有病率は1999〜2000年には3.7%であったものが2001〜2002年には4.2%、2003〜2004年には4.6%に増加した。有病率は70歳以上の最高齢グループにおいて最も高かったが、各々のサブグループ(40〜49歳、50〜69歳、70歳以上)において一つの期間から次の期間へ移行するごとに有病率は増加した。このデータから心血管疾患として知られる肥満、糖尿病、および高血圧の有病率も同様に増加していることが確認された。

より小さな左室補助装置が開発されることは、より多くの女性や体格が小さい低身長の男性がこの技術の恩恵を受けられることを意味する [2007-11-06]

Development of a smaller left ventricular assist device means that more women and short men with slim builds may be able to benefit from the technology
バッテリーサイズの新たな左室補助装置により、より多くの女性や小柄な男性が移植待機中にこの技術の恩恵を受けられる、と2007年American Heart Association学会で発表された。HeartMate II の phase IIスタディはClass IVの米国心不全患者231人(23%が女性)を対象とした。6ヵ月後の追跡データを有する194人の患者において、生存率は女性が79.5%、男性は80.6%であった。これらの患者には、移植を受けた者、心機能の改善によりデバイスを除去した者、およびデバイス挿入中の者が含まれた。平均のデバイス使用期間は女性で175日間(8〜667日)であり、男性では130日間(0〜693日)であった。3ヵ月後に女性の76%、男性の57%において6分間の歩行距離が200m以上増加した。さらに、3ヵ月後の心不全臨床症状は84%の患者においてClass IまたはIIに有意に改善した。
 
 
 
 

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