ビタミンCやEおよびβカロチンをそれぞれ単独または組み合わせて補充した抗酸化サプリメントは心疾患のリスクの高い女性の心血管イベントまたは心血管に関連した死亡のリスクを軽減しないようである、とArchives
of Internal Medicine 8月13日号に掲載された。Women’s Antioxidant Cardiovascular Studyにおいて40歳以上の女性8,171人(ベースライン時平均年齢60.6歳)を平均9.4年間追跡調査した。対象者は全員心血管疾患またはリスクファクターを少なくとも3つ有していた。対象女性は単一または複数組み合わせのサプリメント摂取群に無作為に割り付けられた。フォローアップ中に1,450人の女性に1個以上のイベントが発生し、そのうち274例が心筋梗塞、298例が脳卒中、889例が血行再建術施行、395例が心血管死であった(死亡計995)。治療と結果に関係が見られたのは、アスコルビン酸およびビタミンEの併用をしている者において脳卒中が少ない傾向にあったことのみであった。抗酸化療法による明らかな副作用は認められなかった。
ヒトの骨morphogenetic蛋白7は心筋線維化の過程を逆戻りさせるとの動物実験結果から、線維化または高血圧、心筋梗塞、またはその他の原因による線維化に基づく心不全の予防法または治療法が開発される可能性がある、とNature
Medicine 7月29日号に掲載された。最初の実験で研究者らは、遺伝子的にマークした内皮細胞を有するマウスを用いて、心筋線維化の過程で内皮細胞が活性化された線維芽細胞に変換されることを確認した。次の研究では、組み換え型蛋白がこの過程をうまく逆戻りさせ、線維化の進行を抑制し刺激伝導および心機能などの臨床的な改善をもたらすことを発見した。
スタチン療法による低密度リポプロテイン(LDL)コレステロール低値とがんのリスク上昇の関連が新たに認められたことから、これらの関連性を再確認しがんリスク上昇がスタチン治療によるものか低コレステロールそのものによる問題かを評価する研究がなされるであろう、とJournal
of the American College of Cardiology 7月31日号に掲載された。スタチンと肝および筋損傷などの有害事象との関連を明らかにするために、13のトライアルの41,173人のデータを解析した研究者らは、LDLレベルが低い者においてはそれより高いレベルの者と比較し1,000人当たり1例がん症例が増えることを確認した。研究者らは、この結果をもとにスタチンの使用状況を変更することは推奨していないが、医師らはがんのリスクや一般的ながんのスクリーニングについてもっときめ細かく患者に質問したくなるであろうと述べている。