New England Journal of Medicine 5月21日号オンライン版に掲載されたメタ解析の結果、2型糖尿病患者に対するrosiglitazone投与は心筋梗塞のリスクを有意に増加させ心血管疾患による死亡のリスクを増加させる傾向にあることが示されたが、これに対しAmerican
Heart Associationを含む医学会が応答陳述した。このメタ解析でSteven E. Nissen, MDおよび Kathy Wolski, MPHは、rosiglitazoneを他の糖尿病治療薬と比較した公表済みの24週以上の42のトライアル(平均年齢56歳;平均のベースラインヘモグロビンA1c
8.2%)を解析した。応答陳述では医師らに、rosiglitazoneによるリスクの程度は小さいようであることを念頭におきながら、この新たに得られた所見を注意深く考慮し2型糖尿病患者の治療方針を説明する際にこの新たな情報を含めることを提案している。
不安を有する冠動脈疾患患者は、不安を有さない患者と比較し心筋梗塞および死亡のリスクが有意に高いとJournal
of the American College of Cardiology 5月22日号に掲載された。研究者らは冠動脈疾患患者に対し、ベースラインおよびその後1年ごとにアンケートを行った。平均のフォローアップ期間3年の後、19人の患者が死亡し44人が非致死性心筋梗塞を発症した。累積の不安スコアの平均を計算し年齢で補正した結果、研究者らは、不安スコアが最も高い3分の1の患者はスコアが最も低い3分の1の患者と比較し有害事象のリスクが倍近く高いことを発見した。経時的に不安スコアが上昇していると心筋梗塞または死亡のリスクが10%増加した。逆に、ベースラインの不安レベルが最も高い3分の1に入っていても累積スコアが最も低い3分の1に含まれる患者は、心筋梗塞または死亡のリスクが最も低かった。