軽度または明らかな心電図異常を有する無症状の閉経後女性は心血管イベントおよび死亡のリスクが高い、とJournal
of the American Medical Association 3月7日号に掲載された。研究者らは、ある大規模トライアルでエストロゲンとプロゲステロン、またはプラセボを内服した女性14,749人のデータを解析した。心電図異常が無い(9,744人)、軽度(4,095人)、または明らかな(910人)女性のうち、それぞれ118件、91件、および37件の冠動脈イベントが認められた。心電図異常が無い、軽度、または明らかな女性10,000人当りの年間冠動脈イベントはそれぞれ、21、40、75件であった。3年間のフォローアップの後、ベースラインの時点で心電図異常の無かった女性のうち5%に異常が出現し、年間の冠動脈イベントは10,000人当り85件であった。ホルモン治療群に割り付けられたことと心血管エンドポイントが予測されるような心電図異常には有意な関連は無かった。
CASES-PMSトライアルの新たなデータは、塞栓予防装置を用いた頸動脈ステント留置術は高リスクの患者であっても安全で有効であるとのSAPPHIREトライアルの結果を支持する、とSociety
of Interventional Radiology学会で発表された。厳選された施設の熟練した医師を対象とした前回のSAPPHIREトライアルとは異なり、今回のスタディでは様々な経験をもつ医師らがこのステント装置を使用できるように体系化したトレーニングを行った。今回のシングルアームスタディに登録された患者1,493人の1年間の脳卒中発症率は4.8%であった(症候性患者7.0%および無症候性患者4.2%)。CASES-PMS
トライアルにおける予備的な1年間の重大な有害事象の累積発症率は11.9%であり、SAPPHIREトライアルのステント群では12.2%、SAPPHIREトライアルの外科手術群では20.1%であった。
アスピリン、アセトアミノフェン、および非ステロイド抗炎症薬などの鎮痛薬を頻繁に使用する男性は、それらの薬剤を定期的に使用しない対照群と比較し高血圧のリスクが上昇するようである、とArchives
of Internal Medicine 2月26日号に掲載された。研究者らは、ベースラインの時点で高血圧のない男性の医療従事者16,031人(平均年齢64.6歳)を追跡した。4年間に1,968人が高血圧を発症した。鎮痛薬を内服しない男性と比較し、アセトアミノフェンを週に6〜7回使用する男性は高血圧のリスクが34%高かった。非ステロイド抗炎症薬を週に6〜7回内服する男性は38%、アスピリンを週に6〜7回内服する男性は26%リスクが高かった。薬剤の種類ではなく量で評価した結果、週に15錠以上内服する者は通常全く内服しない男性と比較し、高血圧のリスクが48%高かった。
低リスク患者に対するオフポンプ冠動脈バイパス術は術後5年間の認知機能または心臓に対する予後に利益をもたらさないようである、とJournal
of the American Medical Association 2月21日号に掲載された。オランダの研究者らは無作為にオフまたはオンポンプ手術に割り付けた患者281人を評価した。5年後、各々の群で130人の患者が生存していた。オフおよびオンポンプ群の患者それぞれ123人と117人の認知機能を評価した。標準的な認知機能低下の定義を使用したところ、オフポンプ群およびオンポンプ群いずれも50.4%の患者において低下が認められた。より古典的な定義を用いたところ、オフポンプ群の33.3%、およびオンポンプ群の35.0%において認知機能の低下が認められた。心血管イベントはフォローアップ期間終了までにオフポンプ群の21.1%、およびオンポンプ群の18.0%に発生した。総合的なQOLまたは狭心症の状態には、両群間で差はなかった。
ラジオ波エネルギーを用いた焼灼のラインを正しく位置決めするために心臓を適当な位置に定め固定する新たなデバイスの開発は、心房細動に対するCox-maze法を簡便にするとともに時間も短縮する、とJournal
of Thoracic and Cardiovascular Surgery 2月号に掲載された。今回の研究において、最初にCox-mazeの術式を開発した大学の外科医らは、Cox-maze
IIIの術式を施行された患者群と年齢、性別および心臓の状態をマッチさせた患者において新たなデバイス(Cox-maze IV)と従来の切除し縫合する術式(Cox-maze
III)を評価した。その結果、治癒率は同等であったが、新たな方法は切除−縫合法と比較し所要時間が約3分の1であり、過剰出血のリスクがはるかに低かった。このデバイスの簡便化およびそれに伴う新たな技術により、より広範な外科医および患者群に適用できるようになる。