脈圧が高いことは心房細動新規発症リスクの重要な予測因子のようである、とJournal
of the American Medical Association 2月21日号に掲載された。研究者らはFramingham Heart Studyの対象となったベースライン時35歳以上の成人5,331人を評価した。16年の平均追跡期間の間に363人の男性および335人の女性に心房細動が発症した。脈拍の評価から発症までの時間の中央値は12年であった。年齢および性別で補正したところ、脈圧が20mmHg上昇するとリスクが34%上昇した。脈圧とリスクの関係は平均心房圧および既知の臨床上のリスクファクターで補正しても依然として認められた。つまり、脈圧が20mmHg上昇するとリスクが24%上昇した。一方、平均心房圧はリスク上昇とは関連がなかった。20年間の累積発症率は脈圧が40mmHg以下の群で5.6%であり、脈圧が61mmHgを超えると23.3%であった。
勃起障害は、年齢、心血管疾患、および糖尿病と強力に関連があるが、身体活動を増大するなどの生活習慣の改善によりこれら3つの疾患が予防できる可能性がある、とAmerican
Journal of Medicine 2月1日号に掲載された。研究者らは、米国国内のある調査に参加した米国男性2,126人のデータを解析した。全体における有病率は18%であった。70歳以上の男性は勃起障害があると訴える確率が非常に高かったが、20〜40歳の若い男性のその率は5%であった。糖尿病の男性の半数近くが勃起障害を有していた。さらに、勃起障害を有する男性の約90%が、糖尿病、高血圧、コレステロール上昇、または現在の喫煙、のいずれかのリスクファクターを少なくとも一つ有していた。勃起障害の男性はまた、このスタディに参加する前1ヵ月以内に活発な身体活動をしている傾向が低かった。
低侵襲大動脈断裂修復術は通常の開胸手術よりも生存率が高い可能性がある、と第19回International
Symposium on Endovascular Therapyで発表された。低侵襲修復術はステントを支柱とした布製のチューブであるエンドグラフトを用いるため開胸の必要が無い。このカナダでのレトロスペクティブ研究では、鈍的胸部大動脈損傷と診断された患者28人の診療記録を検討した。手術群では5人(31%)の患者が死亡し、1人(6%)は対麻痺を発症し、1人(6%)は出血過多のため再手術を施行された。一方エンドグラフト群では死亡した患者、対麻痺を発症した患者、および再手術を施行された患者はいなかった。
術中の出血を軽減するためにaprotininを使用することにより心臓手術後5年間の死亡のリスクが上昇する、とJournal
of the American Medical Association 2月7日号に掲載された。研究者らは、冠動脈バイパス術を施行された世界中の患者3,876人において術後6週、6ヵ月、および5年後まで1年ごとに生存率を評価した。使用薬物に基づき分けられた4群(アミノカプロン酸、トラネキサム酸、aprotinin、または止血薬不使用)について、死亡率が計測された。5年間の追跡調査の結果、aprotinin群の死亡率20.8%に対し、アミノカプロン酸群では15.8%、トラネキサム酸群では14.7%、対照群では12.7%であった。Aprotinin使用により透析を要するような術後腎不全のリスクが上昇する、という報告がなされている。筆者らは外科医に対して、有意な出血のリスクの高い患者の手術を計画する際には、他のいずれかの薬剤の使用を考慮するよう勧めている。