抗うつ薬を内服している自殺企図患者は、自殺企図のリスクは上昇する可能性はあるが自殺または他の原因で死亡するリスクは低い、とArchives of General
Psychiatry 12月号に掲載された。フィンランドの研究者らは自殺企図にて入院した患者15,390人(男性7,466人、女性7,924人)を退院後フォローした(平均3.4年)。フォローアップ期間中に自殺602件、自殺企図の結果の入院7,136件、および死亡1,583件が認められた。自殺既遂は抗うつ薬内服者において9%少なかったが、リスクは薬剤により異なった。例えば、fluoxetineは内服していない者と比較し自殺既遂のリスクを48%低下させたが、venlafaxineはリスクを61%上昇させた。筆者らは、自殺企図の増加の一部は用量過多によるものであるが、首吊りや銃の使用のようなより暴力的で致死率の高い自殺の方法が減少したため自殺既遂率は低下したものと推測している。
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