Phase IIIの結果、ramelteonはリバウンドおよび離脱症状を生じさせることなく慢性不眠症の成人の睡眠時間を有意に増加させることが示された  [2006-04-25]

Phase III study results indicate ramelteon significantly reduces time to sleep in adults with chronic insomnia without rebound insomnia or withdrawal effects

Phase IIIの結果、ramelteonはリバウンドおよび離脱症状を生じさせることなく慢性不眠症の成人の睡眠時間を有意に増加させることが示された、とAmerican Academy of Neurology学会で発表された。大規模スタディのサブ解析で269人の患者がramelteon 8mgまたはプラセボを毎晩35日間内服する群に無作為に割り付けられ、ポリソムノグラフィーを用いて1、3、5週後に評価をされた。リバウンドによる不眠および離脱症状を評価するため、第36、37夜は、実薬はプラセボと交換した。一次エンドポイントは入眠までの時間の50%以上の改善を達成した患者の割合であった。入眠までの時間の50%以上の減少を示した患者は、1週間後の時点で、ramelteonを投与された患者群においてプラセボ群より有意に多かった(63%対40%)。これらの結果はスタディ期間中維持され、3週間後にそれぞれ63%と41%、5週間後にそれぞれ66%と48%であった。

うつのサルおよびヒトは類似の中枢神経系の特徴を示すことが発見されたことから、うつ病治療の評価法が改善する可能性がある [2006-04-25]

Discovery that depressed monkeys and humans show similar central nervous system characteristics may improve testing of possible therapies for depression

うつのメスザルとヒトは類似の症状および中枢神経系の特徴を示すことから、抗うつ剤の効果および副作用を評価する検査が改善する可能性がある、とArchives of General Psychiatry 4月号に掲載された。うつのメスザルの脳の11領域の5-HT1aセロトニン受容体をポジトロン断層法で評価した。うつのサルのセロトニン受容体結合能は低下しており、この結果は臨床研究の結果と一致した。サルは向精神薬やアルコール、たばこ、および他の薬剤などを摂取していないため、研究者らは、彼らが、薬剤を試したり認知障害のような複雑なうつ病症状を評価したりするのに適した始めての類似動物モデルとなるであろうと期待している。

機能的核磁気共鳴画像により認知行動療法の有効なうつ病患者が予測できる  [2006-04-18]

Functional magnetic resonance imaging predicts which patients with depression will respond to cognitive behavioral therapy

否定的な言語を読んだ際の脳の2領域、つまり小脳扁桃と前部帯状回の脳梁膝下野領域、の反応により、認知行動療法の有効なうつ病患者が予測できる、とAmerican Journal of Psychiatry 4月号に掲載された。計14人の患者が彼らの感情を表す否定的な言葉を選択した。12週間の認知行動療法の後、彼らは再度、機能的核磁気共鳴画像検査を受けた。その結果、脳梁膝下野帯状回の活動性低下から認知行動療法の有効な患者が予測できた。治療前の脳画像撮影で活動性が低下していた者のうち7人に回復が認められたのに対し、活動性の低下が認められなかった5人中回復したのはわずか1人であった。前向きなまたはニュートラルな言葉は回復に関連する脳の変化は起こさなかった。筆者らは、治療前検査が臨床的な有意性を有するかを観察するさらなる研究の必要性を強調している。

気分障害の既往のない女性は閉経した際にうつ病初発のリスクが高い可能性がある [2006-04-18]

Women with no history of mood disturbance may be at increased risk for first lifetime episode of depression as they enter menopause

気分障害の既往のない女性は閉経した際に閉経前の女性と比較しうつ病初発のリスクが高い可能性がある、とArchives of General Psychiatry 4月号に掲載された。米国の研究者らは、一度も大うつ病と診断されたことのない、米国のある郊外に住む36〜45歳の閉経前の女性460人を追跡調査した。うつ病の新規発症は構造化面接、抑うつ尺度(Center for Epidemiologic Studies Depression [CES-D]スコア)、自記式質問表に基づくものとした。ベースライン時の年齢で補正した結果、閉経期に入った女性は、閉経前の女性と比較し、有意なうつ病症状が2倍発症しやすかった。うつ病のリスク上昇度は、血管運動性症状を報告した女性においてやや高かった。

Duloxetineは全般性不安障害を有する患者の主な不安症状および機能障害を有意に軽減する  [2006-04-11]

Duloxetine significantly reduces core anxiety symptoms and impairments in function in patients with generalized anxiety disorder

Duloxetineは全般性不安障害による主な不安症状および機能障害を有意に軽減する、とAnxiety Disorders Association of America学会で発表された。この9週間のスタディで168人の患者はduloxetineを一日 60mg、170人はduloxetineを一日120mg、175人はプラセボを内服する群に無作為に割り付けられた。Duloxetineは、不安な気分、恐怖や緊張などの主な症状を一日60mg群で51%、120mg群で50%軽減し、それと比較したプラセボ群におけるその割合は32%であった。Duloxetineの有効率はいずれの用量においてもプラセボ群(32%)よりも有意に高かった(58%および56%)。Duloxetineはまたプラセボと比較し、全ての疼痛、頭痛、背部痛、疼痛による障害、および歩行中の疼痛などに関するVisual Analogue Scale for Painを有意に改善させた。

Phase IIトライアルの結果、ACP-103は薬剤誘発性精神病のパーキンソン病患者に対し有効性、安全性、および忍容性の点で容認できることが示された [2006-04-11]

Phase II trial suggests ACP-103 has acceptable efficacy, safety, and tolerability in patients with treatment-induced psychosis and Parkinson’s disease

Phase IIトライアルのデータから、ACP-103は薬剤誘発性精神病のパーキンソン病患者に対し有効、安全であり、かつ運動機能の面で忍容性があることが示された。28日間にわたるこの米国のスタディにおいて、患者60人は既存の用量のドパミン補充療法を継続しながらACP-103またはプラセボの投与を受けた。抗精神病薬薬効評価は次の3つの評価尺度で評価した:精神障害を測定するUPDRSのPart I、幻覚および妄想を測定する陽性症状評価尺度(Scale for the Assessment of Positive Symptoms :SAPS)、精神疾患の重症度を反映する臨床全般印象尺度(Clinical Global Impression:CGI-S)。ACP-103は前述の最初の2つの指標に関してはプラセボと比較し有意に有効であった。3つ目の指標であるCGI-Sに関しては有意ではないが有効性が大である傾向が認められた(42%対18%)。

抗うつ薬では十分な寛解が得られない患者のうち有意な割合の患者が、他の薬剤または最初の薬剤に他の薬剤を追加することにより十分な寛解が得られる可能性がある  [2006-04-04]

Significant proportion of people who do not achieve full remission of depression with an antidepressant may do so if another drug is used or added to the first

初回の抗うつ薬では十分な寛解が得られない患者のうち有意な割合の患者が、薬剤を変更するか他の薬剤を追加することにより無症状になりうる、とNew England Journal of Medicine 3月23日号に掲載された。この6年間にわたる“real-world”STAR*D(Sequenced Treatment Alternatives to Relieve Depression:うつ病軽快のための次なる他の治療)スタディでは、米国のプライマリケアおよび精神科の患者約3,000人を対象とした。第一段階で患者はcitalopramを必要に応じて内服量を調整し最長14週間投与された。その結果約3分の1が無症状となった。その他の患者は内服薬を変更するか他の薬剤を追加することが可能であった。薬剤を変更した者はbupropion、セルトラリン、またはvenlafaxineを内服する群に無作為に割り付けられた。その結果、約25%の患者が14週以内に寛解を得、薬剤間に有効性の差はなかった。薬剤を追加した患者はcitalopramにbupropionかbuspironeを追加した。その結果、14週以内に30%が無症状となり、薬剤間に有効性の差はなかった。

選択的アミロイドβ42低下薬のPhase IIの結果、軽度のアルツハイマー病の患者において、その有効性は少なくとも21ヵ月維持されることが示された [2006-04-04]

Phase II study with selective amyloid beta-42 lowering agent shows benefits are maintained for at least 21 months in patients with mild Alzheimer disease

軽度のアルツハイマー病の患者において、選択的アミロイドβ42低下薬R-flurbiprofenの有効性は少なくとも21ヵ月は維持される、とAmerican Association of Geriatric Psychiatry学会で発表された。英国およびカナダの患者207人を対象とした12ヵ月間のPhase IIトライアルで薬剤の有効性が示された後、81%の患者がその後さらに9ヵ月の追跡調査を受けることを選択した。最初のトライアルでプラセボ群に割り付けられた患者は1日400mgまたは800mgを内服する群に無作為に割り付けられた。実薬800mg内服と推定されたプラセボのデータの比較によると、21ヵ月間にわたり認知機能および記憶障害の改善が増加し、全体的な機能および日常生活活動能力がより良好に維持された。日常生活活動能力(ADCS-ADL)の効果指標は52%、全体的な機能(CDR-sb scale)の効果指標は75%、認知機能低下(ADAS-cog scale)の効果指標は60%であった。実薬800mgとプラセボを比較したPhaseIIIトライアルが米国で開始されている。



 

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