妊娠後期に選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)を内服した母親から生まれた新生児は持続性の肺高血圧のリスクが高い、とNew
England Journal of Medicine 2月9日号に掲載された。この米国のケースコントロールスタディでは、肺高血圧を有する新生児およびその母親377人とそれに匹敵するコントロールの女性および新生児836人を対象とした。肺高血圧を有する新生児のうち14人が妊娠20週以降にSSRIに暴露されており、それと比較しコントロール群におけるその人数は6人であった。妊娠中いずれの時期における他の抗うつ剤の使用も、妊娠20週より前のSSRIの使用も、リスクを上昇させなかった。この相関関係が確かであれば、妊娠後期に胎児がこの類の薬剤に暴露された場合には、約99%の新生児は肺高血圧を有さないであろうと予測される。筆者らは、患者と医師間における妊娠後期の治療に関する話し合いが向上することを願っている。
うつ病のリスクに対する遺伝子の貢献度は男性より女性において有意に高く、ある遺伝的な因子が一方の性においてのみ働いており他方では関与していない可能性がある、とAmerican
Journal of Psychiatry 1月号に掲載された。今回の疫学的なスタディは、双生児を用いたこれまでで最も大規模な研究であり、米国およびスウェーデンの双生児約42,000人の生涯におけるうつ病のリスクを調査した。研究者らは、うつ病の遺伝性が女性では42%であるのに対し男性では29%であるとの結果を得た。筆者らは、この性差の一部は、性ホルモンレベルの変化のような(特に産褥期)、女性のみに存在する遺伝子の働きによるホルモン環境が原因の可能性がある、との仮説を立てている。