局所に限局した前立腺がんを治療された高齢者は治療されなかった者と比較し生存期間が有意に長い、とJournal of the American Medical
Association 12月13日号に掲載された。この観察研究において研究者らは、診断後1年以上生存した男性44,630人(ベースライン時の年齢65〜80歳)のデータを解析した。治療群(32,022人)は診断後6ヵ月以内に根治的前立腺摘除術または放射線療法を受けた。ホルモン療法のみを受けた患者は除外された。12年間のフォローアップ期間中に積極的な治療を行った群においては7,639人(23.8%)が、経過観察群においては4,643人(37%)が死亡し、積極的な治療により死亡のリスクは31%低下した。筆者および論評者は、初期治療の治療方針決定過程の選択バイアスを取り除くのは不可能であることに言及している。現在進行中の無作為化トライアルにより、早期の低−中悪性度の高齢前立腺がん患者の治療方針決定過程を改善するのに有用なデータが示されるであろう。
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