貧血を伴ったがん患者に対するepoetin alfaの投与は3週間に1回投与で毎週投与と同様の効果が得られる [2006-03-14]  
Treatment once every three weeks with epoetin alfa is as effective as weekly treatment for cancer patients with anemia

貧血を伴ったがん患者に対するepoetin alfa投与は3週間に1回の投与で毎週投与するのと同様に十分なヘマトクリット値を維持することが可能である、とJournal of Clinical Oncology 3月1日号に掲載された。研究者らは360人の患者を、1週間に1回40,000単位のepoetin alfaを21週間投与する群と、1週間に1回40,000単位のepoetin alfaを3週間投与しその後18週間は3週間毎に1回120,000単位のepoetin alfaを投与する群に無作為に割り付けた。2群間で輸血が必要な患者の割合に差はなかった。副作用の内容もまた同様であった。スタディ期間中のヘモグロビン値は毎週投与群においてやや高かったが、ヘマトクリット値は3週間毎投与群においても輸血を要するレベルより上回っていた。スタディ終了時点で両群間のQOLに差はなかった。筆者らは、さらに大規模のスタディを行い、低頻度の投与によりQOLを低下させることなくヘマトクリット値を維持させることができるとの知見をさらに広めるよう提案している。

シスプラチン耐性の卵巣がん細胞株にシスプラチンとアスピリン誘導体を併用投与することにより化学療法に対する感受性を復活させることが可能である [2006-03-14]  
Combining cisplatin with an aspirin derivative restores sensitivity to chemotherapy in cisplatin-resistant ovarian cancer cell lines

シスプラチン耐性の卵巣がん細胞株にシスプラチンとアスピリン誘導体NCX-4016を併用投与することにより化学療法に対する感受性を復活させることが可能である、とProceedings of the National Academy of Sciences (USA) オンライン版2月23日号に掲載された。研究者らは、臨床的にシスプラチン耐性となった卵巣がん細胞は抗酸化チオール化合物が相対的に過剰であることを示した後、細胞内の一酸化窒素を増加させるような治療により、チオールによる薬剤耐性効果が消失する可能性があるとの仮説を立てた。アスピリン誘導体から放出された一酸化窒素が細胞増殖を停止させシスプラチンに対する感受性を回復させる。この研究は動物実験で開始されている。

小さい無症状の肺がんは、大きいが依然として無症状の肺がんより転移しにくいようである [2006-03-07]  
Small asymptomatic lung cancer tumors appear to be less likely to metastasize than larger but still asymptomatic tumors

無症状の原発性肺がん患者のうち、小さい腫瘍の方が大きい腫瘍よりも転移しにくいようであることから、早期のコンピュータ断層撮影によるスクリーニングにより治療可能な肺がんの発見率を改善する可能性がある、とArchives of Internal Medicine 2月13日号に掲載された。ある国際チームが1993〜2004年にかけて男女28,689人をスクリーニングした結果、464人が肺がんと診断された。非小細胞肺がん患者436人においては転移のリスクは腫瘍サイズとともに上昇した。腫瘍の堅さを解析したところ、この相関関係は充実性腫瘍において最も強く認められ、一部充実性腫瘍においては相関関係がより弱く、非充実性腫瘍においては相関関係が認められなかった。同様の関係は小細胞がん28例においては強いようであった。全てのタイプにおける非転移性がんの割合は過去のスタディで報告されたよりもはるかに高かった。

韓国のスタディの結果、乳ガンの傾向は、若年者の発症率や無症状の患者の増加など、欧米のパターンと類似していることが示された [2006-03-07]  
Korean study finds trends in breast cancer similar to Western patterns including increased incidence of young patients and women with asymptomatic disease

韓国のスタディの結果、アジアにおける乳がんのパターンは欧米のデータとますます傾向が似通ってきたことが示唆された、とArchives of Surgery 2月号に掲載された。研究者らはある病院で治療された患者5,001人のデータを解析した。診断時年齢中央値は比較した1991年と2003年とで、44歳から46歳に上昇した。新規発症例の約64.9%が50歳未満の閉経前の女性であった。マンモグラフィーで発見された無症状のがんの割合は3.8%から21%に増加し、早期がん(ステージ0および1)の割合は34.2%から48.8%に増加した。また、乳房温存手術を選択した患者の割合は5.1%から39.1%に増加した。初潮年齢が低い、初産年齢が30歳以上、肥満などのリスクファクターにより患者の割合は増加した。筆者らは、生活習慣の欧米化により欧米に見られるような傾向が持続するであろうと結論づけている。

 
 


 

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