Sunitinibはイマチニブに抵抗性となった消化管間質腫瘍(GIST:Gastrointestinal stromal tumor)患者の生存期間を延長する [2006-02-28]  
Sunitinib lengthens survival of patients with gastrointestinal stromal tumors that have become resistant to imatinib

Sunitinibはイマチニブに抵抗性となった消化管間質腫瘍(GIST:Gastrointestinal stromal tumor)患者の生存期間を延長する、と2006年Gastrointestinal Cancersシンポジウムで発表された。このphase IIIトライアルではsunitinib(患者207人)とプラセボ(105人)を用いて全体の生存率および腫瘍コントロールの期間を比較した。プラセボを用いたのは、標準的なsecond line治療が存在しないためである。その結果、腫瘍が成長するまでの期間はsunitinib群(27.3週)においてプラセボ群(6.4週)の4倍以上長かった。Sunitinibで治療された患者の死亡の相対リスクもまたプラセボ群より50%低かった。このsunitinibの有益性は用量および過去のイマチニブ治療の期間と関係なく一定であった。このトライアルは、あるシグナル伝達経路を標的とした薬物に抵抗性の腫瘍に対し、他の標的治療が有効であることを示した初めてのものである。イマチニブはこの腫瘍に対して非常に有効であるが、半数以上の患者が約2年後に薬剤抵抗性を獲得してしまう。

化学療法に対する反応を早期に評価することで化学放射線療法よりも手術を受けるべき進行喉頭がん患者を見極めることができる [2006-02-28]  
Early evaluation of response to chemotherapy can identify patients with advanced laryngeal cancer who should have surgery rather than chemoradiation

化学療法に対する反応を早期に評価することで化学放射線療法よりも手術を受けるべき進行喉頭がん患者を見極めることができる、とJournal of Clinical Oncology 2月1日号に掲載された。この米国のスタディでは、97人の患者全員が6日間の化学療法を施行され、その後治療に対する腫瘍の反応の評価を受けた。75%の患者において腫瘍サイズが50%以上縮小した。これらの患者は週に5回の放射線照射を6〜7週間受け、追加の化学療法を3週間毎に施行された。残りの25%の患者は直後に手術を考慮された。3年後、患者全体の85%が生存しており、生存者の70%が喉頭を保持していた。初回の化学療法が不成功に終わった後に手術をされた患者の生存率は化学放射線療法が成功した患者と同等であった。進行喉頭がんの一般的な3年生存率は60%未満である。

オキサリプラチンを含むFOLFOX化学療法は若年結腸がん患者同様、高齢患者にも安全で有効である [2006-02-21]  
The oxaliplatin-containing FOLFOX chemotherapy regimen is as safe and effective for elderly patients as for younger adults with colon cancer

オキサリプラチン、5-フルオロウラシル、およびロイコボリンからなるFOLFOX化学療法は若年結腸がん患者同様、高齢患者にも安全で有効である、と2006年Gastrointestinal Cancersシンポジウムで発表された。米国の研究者らは、1990年代に開始された4つの国際大規模FOLFOXトライアルの70歳以上の患者3,743人のデータを解析した。治療の有益性は全ての年代を通して一定であり、80歳の人々でさえも30〜40歳代の人々同様に認められた。白血球数および血小板数の低下のみが、高齢患者においては若年患者と比較し重度であった。筆者らは、全身状態の良好な高齢患者には、すでに外科手術を施行された者であっても、進行がんに対しセカンドライン治療が必要であっても、この併用化学療法を考慮すべきであると結論付けている。

テトラカインを主成分としたマウスウォッシュは、頭頸部がんで放射線療法を受けた患者の口腔粘膜炎に基づく疼痛に効果が期待される [2006-02-21]  
Tetracaine-based mouthwash shows promise for mucositis-related mouth pain in patients with head and neck cancer who receive radiation therapy

Phase IIの結果によると、テトラカインを主成分としたマウスウォッシュは、頭頸部がんで放射線療法を受けた患者の口腔粘膜炎に基づく疼痛に、迅速で持続的な緩和効果をもたらすことが示された、とInternational Journal of Radiation Oncology*Biology*Physics 2月1日号に掲載された。このスタディは、様々な型の頭頸部がんを有し、放射線療法を受ける予定のイタリア人患者50人を対象としたものである。全ての患者が治療中にある程度の放射線照射に基づく疼痛を経験した。テトラカインを主成分としたマウスウォッシュはリドカインを主成分としたマウスウォッシュと比較し、4倍有効で効き目が早く持続時間も長かった。テトラカインは食事の前後約30分に使用されるか、または適当な間隔で1日6回使用された。疼痛緩和は50人中48人の患者が報告した。16人の患者が食べ物の味の悪さまたは味の変化を訴えた。

イリノテカンを含む治療にオキサリプラチンを併用することにより進行大腸がん患者の生存率が改善する [2006-02-14]  
Addition of oxaliplatin to combination therapy including irinotecan improves survival of patients with advanced colorectal cancer

イリノテカン/5-フルオロウラシル(5-FU)/ロイコボリンの化学療法にオキサリプラチンを併用することにより進行大腸がん患者の生存率が改善する、と2006年Gastrointestinal Cancersシンポジウムにて発表された。イタリアのphase IIIの臨床試験において、無治療の転移性大腸がん患者122人をイリノテカン、5-FU、およびロイコボリン(FOLFIRI)投与群、他の122人を前記の3薬剤にオキサリプラチンを加える(FOLFOXIRI)群に無作為に割り付けた。その結果、FOLFOXIRI群の患者で生存期間が長かった(22.6ヵ月対16.7ヵ月)。平均追跡期間14ヵ月の後、無増悪生存期間はFOLFOXIRI群(9.8ヵ月)の方がFOLFIRI群(6.8ヵ月)よりも長かった。さらに、腫瘍の消失および腫瘍の縮小はFOLFOXIRI群においてFOLFIRI群より多く認められた(66%対41%)。下痢、嘔吐、神経障害、白血球減少症等の副作用は4剤併用療法(FOLFOXIRI)群において多く認められたが、それらは概して対処可能で耐えられる程度と考えられた。

経口xaliprodenはオキサリプラチン療法に伴う神経障害を化学療法の有効性を低下させることなく軽減する [2006-02-14]  
Oral xaliproden reduces the frequency of neuropathy associated with oxaliplatin therapy without reducing the chemotherapeutic drug’s effectiveness

近年、筋萎縮性側索硬化症の治療薬として使用されている経口薬xaliprodenは、オキサリプラチンによるGrade 3-4の神経障害を、進行大腸がんに対する化学療法の有効性を低下させることなく軽減する、と2006年Gastrointestinal Cancersシンポジウムにおいて発表された。この英国のphase IIIの二重盲検試験において、転移性大腸がん患者649人をFOLFOX(オキサリプラチン、5-フルオロウラシル、ロイコボリン)とxaliproden併用群またはFOLFOXのみの群に無作為に割り付けた。その結果、重症の末梢知覚神経障害がFOLFOX群の16.7%に認められたのに対し、FOLFOXにxaliprodenを併用した群におけるその割合は11.1%であった。Xaliprodenが化学療法の有効性に影響したとのエビデンスは認められなかった。

診察時間内に行える尿中NMP22蛋白の測定と膀胱鏡を組み合わせることにより再発性膀胱がんの検出能が向上する [2006-02-07]  
Measurement of the protein NMP22 in urine during a doctor’s appointment in combination with cystoscopy can improve detection of recurrent bladder cancer

尿中NMP22蛋白を測定することにより再発性の膀胱がんの検出能が向上し、また、この検査は診察時間内に結果が得られる、とJournal of the American Medical Association 1月18日号に掲載された。米国の研究者らは膀胱がんの既往のある患者668人をスタディに登録した。膀胱鏡に先立ち、患者はNMP22蛋白の解析および細胞診のために尿検体を提出した。膀胱がんは103人の患者において発見された。膀胱鏡のみでがんが検出できたのは91.3%であった。膀胱鏡とNMP22アッセイを組み合わせることにより再発の99.0%が発見できた。NMP22アッセイにより、初回の膀胱鏡では発見できなかったがん9例中8例を検出することができ、そのうち7例は悪性度が高かった。一方、細胞診はがん検出における膀胱鏡の感度を改善しなかった。

手術を行わない患者の局所食道がんに対する化学療法と放射線療法の併用は放射線療法単独よりも有効である [2006-02-07]  
Combined chemotherapy and radiation is more effective for cancer of the esophagus than radiation alone for nonsurgical cases of localized disease

手術を行わない患者の局所食道がんに対する化学療法と放射線療法の併用は放射線療法単独よりも有効である、との大規模メタ解析の結果がCochrane Database of Systematic Reviews 2006年第1号に掲載された。カナダの研究者らは19の無作為化試験を解析した。これらには放射線療法または化学療法を5〜6週間施行された患者計11,998人が含まれた。2年生存率は併用療法で5〜12%であり、放射線療法単独の3〜6%と比べ有意な差が認められた。しかし、併用療法では胃腸障害や血液異常などの有害な副作用発症率が15%高かった。

 
 


 

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