不安症は将来的な自殺思考や自殺企図発症の有意で独立したリスク増大因子である、とArchives
of General Psychiatry 11月号に掲載された。このスタディでは7,000人を超えるオランダの人々を対象とし、ベースラインおよび1年後・3年後に面接を行った。1年後および3年後の時点で、計85例の自殺思考および39例の自殺企図が新たに認められた。他の精神障害や社会的な因子で補正した結果、初回面接を行った7,076人においてその時点での不安症の存在は後の自殺思考および自殺企図のリスクを2倍以上、上昇させた。3回の面接をすべて受けた4,796人の結果によると、初回面接の時点での不安症の存在はその後の自殺思考のリスクを2倍以上、自殺企図のリスクを3倍以上、上昇させた。
夜間血圧上昇―特に正常な夜間の血圧低下が認められない―と認知機能試験の低下は関連がある、とAmerican
Society of Nephrology学会で発表された。この結果は、24時間血圧測定の結果の方が医師が診察室で計測した血圧値よりも、高血圧により引き起こされる臓器障害のリスクを予測するよい指標であるとの過去の研究結果をさらに支持するものである。今回の研究では、外来血圧モニター計を装着した患者389人(平均年齢63歳)のほとんどが高血圧を有していた。この結果から、神経精神学的症状を有する成人患者を診察する医師は、血管障害およびそれに関連した脳障害の兆候を考慮しつつ心血管および神経学的状態を注意深く評価する必要があることが示唆される。
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下肢静止不能(restless
legs syndrome)症候群を有する成人は不安症やうつ病などの精神疾患のリスクが高い可能性がある [2005-11-08]
下肢静止不能(restless legs
syndrome)症候群を有する成人は不安症やうつ病などの精神疾患のリスクが高い可能性がある、とAmerican
College of Chest Physicians学会で発表された。米国世論調査対象の成人1,506人のうち、1週間に2〜3夜以上下肢に不快感を感じたり夜間に下肢の不快感が増悪すると訴えた者を、同症候群のリスクを有すると定義した。回答者のうち9.7%(男性の8%、女性の11%)がそのような症状を有すると答えた。過剰体重、失業者、または毎日喫煙する者は、うつ病や不安症の様な精神疾患を有する者と同様にリスクが高かった。リスクを有する者はまた、睡眠時無呼吸や不眠症の症状を有する傾向にあった。筆者らは、この症候群またはこれに関連した睡眠障害により気分障害のリスクが増大するのか、または気分障害治療薬が下肢静止不能(restless
legs syndrome)症候群のリスクを増大させるものと考えている。
CAFE(精神疾患初回エピソードに対する非定型抗精神病薬の効果の比較)トライアルの結果、初回の精神疾患エピソードを有する患者に対するクエチアピン、オランザピン、およびリスペリドンの有効性は同等であるとEuropean
College of Neuropsychopharmacology学会で発表された。内服開始後52週目の総治療中断率は3薬ともに同等であった(クエチアピン70.9%、オランザピン68.4%、リスペリドン71.4%)。しかし、オランザピンを内服した患者において体重がベースラインよりも7%以上増加した者が80%と、リスペリドンの57.6%およびクエチアピンの50%よりも多かったことは、意味深いことであった。これらの患者(慢性統合失調症ではなく精神疾患の初回エピソード)における平均の内服用量は一日当たりクエチアピン506mg、オランザピン11.7mg、リスペリドン2.4mgであった。