自閉症児が1歳の時点では発達は正常であったが2歳の時点では正常ではなかったとの多くの親の証言は正しい、とホームビデオから明らかとなった [2005-08-30]

Home videotapes show that many parents were correct in saying an autistic child’s development was normal at one year but not at two years

自閉症児の発達は最初正常であったがその後低下するとの親の証言がホームビデオの記録により支持された、とArchives of General Psychiatry 8月号に掲載された。研究者らは自閉症でない子供と自閉症スペクトラム障害を有する子供の1歳および2歳の誕生日のビデオテープを解析した。56人の子供のうち、15人は自閉症で、彼らの両親は重要な技能が1歳になってから悪化していったと報告し、21人は自閉症スペクトラムで、彼らの両親は症状が1歳未満から認められたと証言し、20人は典型的な子供であった。子供は全員7歳未満であり、4歳未満は3人だけであった。他の所見として、研究者らは、発達の低下が認められた小児は12ヵ月の時点ではノーマルな子供よりもより多くの言葉や片言を話していたことに気づいた。早期発症の小児は言葉や片言の使用が少なかった。ものを指差す頻度は12ヵ月の時点でノーマルな小児と自閉症児では差はなかった。自閉症を有する子供は発症が1歳未満の者も1歳以降の者も2歳の時点で典型的な子供とは明らかに異なっていた。

 

飢餓時期に生まれた人々における統合失調症発症率が高いことから、母親の栄養失調が疾患のリスクとなることがさらに支持される [2005-08-30]

Higher frequency of schizophrenia in people born during a famine further supports hypothesis that maternal nutritional deficiency contributes to risk for disease

中国における飢餓時期に生まれた人々の統合失調症のリスクが高いことは、胎児期の栄養失調と疾患の発症に関連があるとの他の研究の結果と一致する、とJournal of the American Medical Association 8月3日号に掲載された。飢餓年に出生した者が後に統合失調症を発症する確率は1959年の0.84%から1960年の2.15%および1961年の1.81%にまで上昇した。死亡で補正したリスクは1960年に生まれた者で2.3倍高く、1961年に生まれた者で1.9倍高かった。過去にこの研究者らは、第二次世界大戦中の飢餓期間にオランダで生まれた者のリスクが倍であったことを見出している。

自殺企図後短期間の間に認知療法を受けた人々は有意に自殺企図を繰り返しにくい [2005-08-23]

People who are treated with cognitive therapy after a recent suicide attempt may be significantly less likely to make a repeat attempt

自殺企図後短期間の間に認知療法を受けた人々はその後18ヵ月間に自殺企図を繰り返す確率が認知療法を受けなかった人々と比較し50%低い、とJournal of the American Medical Association 8月3日号に掲載された。米国のある主要な病院の患者をスクリーニングした後、120人の患者(平均年齢30代半ば、女性61%)を治験群または通常治療群に割り付けた。治験群は毎週または隔週で10回の自殺予防用認知療法の授業を受けた。その後概要試験に落ちた者はさらに授業を受けた。両群ともに約50%が向精神薬を内服し、13〜16%が薬物乱用の治療を受けていた。通常治療群の27%がこの試験以外の心理療法を受けており、一方認知療法群におけるその割合は21%であった。追跡期間中、認知療法群では24%(13人)しか自殺企図を繰り返さなかったのに対し、通常治療群では42%(23人)が繰り返した。

 

初めての選択的シナプス外GABA-A作動薬はphase II試験で有望な結果が得られ、phase III試験に入る [2005-08-23]

First member of the selective extrasynaptic GABA-A agonist drug class to enter clinical trials shows promise in phase II trial and enters phase III trial

初めての選択的シナプス外GABA-A作動薬gaboxadolはphase II試験で原発性不眠症に有望な結果を示し、phase III試験に入った、と第19回Annual Meeting of the Associated Professional Sleep Societies (USA)で発表された。この無作為化、二重盲検、3ウェイクロスオーバー、プラセボコントロールポリソムノグラフ研究では、18〜65歳の患者26人を評価した。患者はgaboxadol 5mg、15mg、またはプラセボをそれぞれ2夜連続で7〜14日間間隔で就寝時刻の30分前に内服した。プラセボと比較し、gaboxadol 5および15mgはそれぞれプラセボと比較し、総覚醒時間を15および16%減少させた。プラセボと比較しgaboxadol 15mgは徐波睡眠時間を有意に増加させた(15mg:114分、プラセボ:93.9分、21%)。

米国で認可されたramelteonは乱用や依存性のリスクを有するというデータがない初めての不眠症治療薬である [2005-08-09]

Ramelteon becomes the first insomnia medication without evidence of risk for abuse and dependence to be approved in the United States

成人不眠の短期および長期治療薬としてのramelteon 8mgを米国食品医薬品局が認可したことを受けて、米国の医師らは乱用や依存性のデータのない薬剤を初めて処方することができる。Ramelteonはまた、睡眠薬の歴史30年以上の中で初めての新しい作用メカニズムを有する:この薬剤は上視交叉核へ働きかけ、サーカディアンリズムを調節する。この新たな作用機序に基づく非一般的な副作用に関してはまだ不明である。最近発表された臨床試験に基づくと、ramelteonは高齢者や軽度−中等度の慢性閉塞性肺疾患、軽度−中等度の睡眠時無呼吸症の患者にも安全なようである。Ramelteonは重症肝障害患者への投与およびフルボキサミンとの併用投与は禁忌である。

 

産後うつ病を発症した父親の子供は早期に行動および感情上の問題を有するリスクが高い [2005-08-09]

Children whose fathers had postnatal depression have an increased risk for behavioral and emotional problems in early life

産後うつ病を発症した父親の子供は早期に行動および感情上の問題を有するリスクが高い、とLancet 6月25日号に掲載された。英国の研究者らは、ある都市部の長期研究に参加した母親13,500人以上を調査した。そのうち12,800人以上にパートナーがいた。子供の誕生から8週後に両親ともに有効性の確認された産後うつ病に関する質問票に回答した。父親は21週後に再度評価を受けた。子供の3.5歳時の感情および行動上の発達は母親が質問票に回答する形で評価した。父親の産後うつ病は子供、特に男児の感情および行動上の問題と関連があった。この影響は母親の産後うつ病および父親の後のうつ病で補正しても依然として認められた。

パーキンソン病の治療としてドパミン受容体作動薬を使用することにより一部の患者において病的賭博行為を発症する可能性がある [2005-08-01]

Dopamine agonists used as treatment for Parkinson’s disease may cause development of pathological gambling behavior in some patients

ドパミン受容体作動薬で治療されていたパーキンソン病患者11人に病的賭博行為が発症したとの報告がArchives of Neurology オンライン版7月11日号に掲載された。11人中7人において病的賭博は、内服が維持量に達してからあるいは投与量を増量してから1〜3ヵ月以内に発症した。一方、強迫観念的な賭博行為が12〜30ヵ月まで発症しなかった4人においては内服中止後1ヵ月以内に賭博行為は治まった。6人の患者においては同時に他の行動異常が発症したが、賭博行為が解決すると同時に治まった。この異常行動には強迫的な過食、アルコール摂取増量、浪費、過剰な性行動などが含まれた。この報告された症例では選択的ドパミンD3作動薬プラミペキソールが使用されていた。

新薬とドネペジルの併用によりアルツハイマー病および他の痴呆患者の記憶能蓄積に有望である [2005-08-01]

Combination of novel drug and donepezil shows promise for retention of memory function in patients with Alzheimer’s disease and other dementias

新薬SGS742とドネペジルの併用はアルツハイマー病および他の痴呆患者の記憶保持に役立つ可能性がある、とNeuropsychopharmacology 6月号に掲載された。研究者らは、過去に軽度認知障害患者に有効であったSGS742とドネペジルの効果を、記憶障害のないラットに徐々に困難な記憶問題を与えることで評価した。SGS742とドネペジルどちらか一方の使用によって無投与よりも記憶能は向上したが、併用によりどちらか一方よりもさらに向上した。特に興味深かったのは、併用投与を受けたラットは無投薬のラットと比較し、迷路ナビゲーションに必要な情報をより早く習得し長期維持したことである。分子学的研究の結果によると、SGS742は長期記憶形成の改善により作用を発揮することが示されている。

 


 

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