痴呆による体重減少は明らかな痴呆の症状より前に出現し、また交絡因子とは独立した因子であるため、痴呆の初期兆候の発見に役立つ可能性がある、と
Archives of Neurology 1月号に掲載された。日系米国人高齢男性1,890人(痴呆を発症した者112人、痴呆の発症が認められなかった者1,778人;追跡期間34年)の長期研究のデータ解析の結果、痴呆を発症した者には発症前に有意な体重減少が認められた。つまり、痴呆を発症した者の大部分が5kg(平均体重のほぼ10%)以上減少した。多くの症例で、臨床的な痴呆に達する2〜4年前に体重減少が認められた。この関係はアルツハイマー型痴呆と血管性痴呆とで同等であった。
青年期および成人初期の大麻乱用は後の精神疾患のリスクを中等度上昇させるが、精神疾患にかかりやすい因子を既に有する若年者においてそのリスクははるかに高い、とBritish
Medical Journal 1月1日号に掲載された。ドイツの前向き地域住民ベースの研究で、14〜24歳の青少年2,437人を対象とし、薬物使用、精神疾患の素因、および精神疾患症状をベースラインと4年後に調査した。社会的経済的地位、小児期のトラウマ、および大麻以外の薬物、たばこ、アルコールの使用などで補正した結果、大麻を使用することで精神疾患症状の発症のリスクが中等度上昇した。しかし、ベースラインの時点で精神疾患のリスクファクターを有していた者は、大麻と精神疾患の用量依存性の相関関係がはるかに強く認められた。
Clozapineとオランザピンは肥満のない統合失調症患者にインスリン抵抗性を引き起こすが、リスペリドンは耐糖能検査の結果を変化させないようである、とArchives
of General Psychiatry 1月号に掲載された。肥満のない統合失調症の外来患者36人にclozapine、オランザピン、またはリスペリドンを投与し、体重を維持するような食事を与え、頻回に採血を行い耐糖能を観察した。筆者らは、肥満のない患者においてある種の非定型抗精神病薬とインスリン抵抗性の関連が認められたことから、内服開始前および開始後に厳密に検査し、糖尿病や心血管疾患の他のリスクに関しても詳細に説明すべきである、と述べている。
2004年10月に日本で起こった集団自殺は、自殺した9人がインターネットで知り合ったという点で比較的稀なケースであり国際的な注目を浴びている、とBritish
Medical Journal 12月4日号に掲載された。この記事は、詳細で図入りの自殺の方法を提供するwebsiteが増加していることを強調している。影響を受けやすい、特に青少年は、そのようなwebsiteを見ることが自殺のきっかけとなる可能性があると考えられている。10月の集団自殺に基づき筆者は、医師らに、リスクのある患者や人々がインターネットで知り合い集団自殺をする可能性があることを頭に置いておく必要がある、と主張している。