横隔膜の転移巣除去を含む最大限の切除術は卵巣がん患者の生存率を改善する [2005-10-25]  
Optimal debulking surgery that includes removal of metastatic tissue from the diaphragm improves survival rate for patients with ovarian cancer

進行卵巣がん患者の最大限のがん組織切除の一部としての横隔膜転移巣切除は生存率を改善する、とGynecologic Oncologyオンライン版9月20日号に出版に先立って発表された。研究者らは米国メーヨークリニックで1994〜1998年および2002年8月1日〜2004年8月31日に手術を施行された原発性卵巣がん患者連続244人の記録を解析した。外科医の技術の進歩および当該科の最大切除の方針により、横隔膜病巣切除施行率は最初の期間は22.5%であったのが次の期間には40%となった。残存病巣の最小の患者(1cm未満)の術後5年生存率は横隔膜切除術施行群で55%であったのに対し、横隔膜手術を施行されなかった群では28%であった。

フィトエストロゲンの豊富な大豆製品などの植物性食品摂取量が多いと肺がんのリスクが軽減する [2005-10-25]  
Higher consumption of plant foods such as soy products that are rich in phytoestrogens is linked with reduced risk for lung cancer

フィトエストロゲンの豊富な植物性食品を多く摂取すると男女ともに肺がんのリスクが軽減する、とJournal of the American Medical Association 9月28日号に掲載された。米国の研究者らは、患者1,674人と対象1,735人からなる現在進行中のケースコントロールスタディのデータを解析した。定期的な対面調査の期間、女性はホルモン療法についても尋ねられた。肺がんのリスク軽減はフィトエストロゲン摂取量が多いほど上昇する傾向にあり、食物のみからのフィトエストロゲン摂取量の最も多い四分位群は最も少ない四分位群よりも肺がんのリスクが46%低かった。女性においてはエストロゲン療法との相乗効果が認められた。フィトエストロゲン大量摂取の有効性は現役の喫煙者および一度も吸ったことのない者両者において認められたが、過去の喫煙者においては明らかではなかった。編集局は医師らに、すべての患者に対し食事による予防に関して意識的に徹底的に話すように勧めている。

前立腺がんに対しホルモン療法および放射線療法を併用した後の前立腺特異抗体の増加の速度から臨床的な予後が評価できる [2005-10-18]  
Speed of increase in prostate specific antigen level after combined hormone and radiation therapy for prostate cancer predicts clinical outcome

ホルモン療法および放射線療法を併用された前立腺がん患者の予後は治療後の前立腺特異抗原(PSA)上昇の速さから予測できる、とInternational Journal of Radiation Oncology*Biology*Physics 10月1日号に掲載された。米国の研究者らは、あるがんセンターにおいて1989〜2003年に治療された患者621人のデータを解析した。PSAの値が2倍になる時間が8ヵ月より長かった者の5年間の治療不成功率は9.4%に過ぎなかったのに対し、8ヵ月以下では60.4%が前立腺局所のがん再発または転移などをきたし、治療が不成功に終わった。

悪性黒色腫および過形成性母斑の家族歴を有する者は多発性原発性黒色腫を発症する可能性が高い [2005-10-18]  
People with a family history of melanoma skin cancer or dysplastic nevi are more likely to develop multiple primary melanoma lesions

過形成性母斑または黒色腫の家族歴を有する者は多発性原発性黒色腫を発症する確率が高い、とJournal of the American Medical Association 10月5日号に掲載された。米国の研究者らは同一のがんセンターで初めて原発性黒色腫と診断された患者4,484人を評価した。多発性原発性黒色腫を有していた385人(8.6% )中21% が黒色腫の家族歴を有していたのに対し単発の黒色腫患者のその割合は12%であった。さらに、多発性原発性黒色腫患者の38%が過形成性母斑を有し、単発性の患者のその割合は18%であった。家族歴陽性または過形成性母斑を有する患者においては多発性原発性黒色腫が5年以内に発症する確率はそれぞれ19.1%および23.7%であり、2回目の原発性腫瘍発症の半数以上が追跡期間1年以内に認められた。

ヘビースモーカーで喫煙量を半分に減らした者は肺がんのリスクを軽減することができる [2005-10-11]  
Heavy cigarette smokers who decrease their smoking by half can reduce their risk for lung cancer

ヘビースモーカー(たばこを一日15本以上)で喫煙量を半分に減らした者は肺がんのリスクを軽減することができる、とJournal of the American Medical Association 9月28日号に掲載された。デンマークの研究者らは地域住民ベースの観察研究に参加した男性11,151人、女性8,563人を最大31年追跡調査した。調査期間中に864例(女性360例、男性504例)が肺がんと診断された。ヘビースモーカーで喫煙量を半分に減量した者は喫煙量が不変であった者と比較し、肺がんのリスクが27%低かった。少量喫煙者および追跡期間中に禁煙した者は継続的なヘビースモーカーと比較し、それぞれ肺がんのリスクが56%および50%低かった。過去に喫煙をしていて禁煙した者のリスクは継続的なヘビースモーカーよりも83%低かったが、一度も喫煙したことのない者と比較するとリスクは有意に高かった。編集者は、肺がんや心血管疾患のリスクを軽減するためには禁煙がやはり目標であるが、今回のデータをヘビースモーカーに節煙の動機を起こさせるのに使用すべきであると述べている。

コンピュータ処理のマンモグラフィによって若年者のより多くのまたより小さな乳がんを検出できる [2005-10-11]  
Computer-aided mammography can detect more breast cancer tumors and find smaller tumors in younger women

コンピュータ処理のマンモグラフィによって若年者の小さな腫瘍を含めたより多くの乳がんを検出できる、とAmerican Journal of Roentgenology 10月号に掲載された。米国のある1施設で3年間に行われたスクリーニングのマンモグラフィ27,274例(7,872例はコンピュータ処理システム導入前に施行され、19,402例はコンピュータ処理を用いたマンモグラフィを施行された)を評価した。その結果、この強化システムによりがんの検出率が16%増加した。特に、コンピュータ処理のマンモグラフィにより1cm以下の進行の早いがんの検出率が164%上昇した。また、この方法にてがんが発見された女性の平均年齢はベースラインの時期と比較し5歳低下した。

強力な乳がんの家族歴があってもBRCA変異のない女性は卵巣がんのリスクは高くない [2005-10-04]  
Women with a strong family history of breast cancer but no BRCA mutation do not have increased risk for ovarian cancer

強力な乳がんの家族歴があってもBRCA変異のない女性は卵巣がんのリスクは高くない、とJournal of the National Cancer Institute 9月21日号に掲載された。米国のあるがんセンターの研究者らは、家族内に乳がんが多発しているがBRCA変異を認めない家系199例を調査した。追跡期間中に19例が乳がんと新たに診断された。この結果は予測値の6例の3倍多かった。また、卵巣がんと診断されたのはたったの1例であり、これは一般人口における予測値と同等であった。筆者らは、これらの家系の女性は卵巣がんのリスクは高くないが、乳がん症例の半数を占める遺伝性のメカニズムは不明のままであると述べている。

高齢者における無治療の非小細胞肺がんに対するerlotinibの効果は有望である [2005-10-04]
Erlotinib shows promise for elderly patients with previously untreated advanced non-small cell lung cancer

チロシンキナーゼ阻害薬であるerlotinibの高齢者における無治療の非小細胞肺がんに対する有効性は有望である、と第15回European Respiratory Society学会で発表された。米国の一施設における対照群を設定していないphase IIのトライアルにおいてStage IIIBまたはIVの患者80人(半数が男性、年齢中央値75歳)を登録した。そのうち75人が現在または過去に喫煙をしていた。80人全員に対し生存および毒性を評価し、69人に対しては最良効果の評価を行った。計10人の患者が毒性のために使用を中断し、また、1例は治療に関連し肺炎のために死亡した。完全寛解が認められたものはいなかったが、8人においては部分奏功が認められ、33人は病状が安定しており、わずか28人において進行した。生存期間中央値は46週間であり、部分奏功期間および病状の安定した期間の中央値はそれぞれ65週間および24週間であった。

 


 

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