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低用量シクロホスファミドとbevacizumabの併用は再発性卵巣がんおよび原発性腹膜がんの治療に有望である [2005-05-31] |
Combination of low-dose
cyclophosphamide and bevacizumab shows promise for recurrent
ovarian cancer and primary peritoneal carcinoma |
低用量シクロホスファミドとbevacizumabの併用は、再発性卵巣がんを縮小させ疾患の進行を遅延させる、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。再発性卵巣がんに対しすでに2回の化学療法を施行された患者29人に対し、血管新生阻害薬bevacizumabをシクロホスファミド内服と併用し静脈注射投与した。対象となったのは、一側性の測定可能な腫瘍を有し、プラチナ製剤およびパクリタキセルによる化学療法を行っても再発した、PS
0-2の患者であった。6ヵ月後に無増悪生存率は47%(無増悪生存期間中央値5.8ヵ月)であった。PRは29人中6人(21%)、SDは17人(59%)であった。Bevacizumabに伴う副作用は他のスタディ同様に、高血圧、低ナトリウム血症、および疼痛であった。今回のトライアルで有効性が確認されたため、さらに多くの患者がスタディに登録された。
Abstract
No: 5000
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TrastuzumabはHER-2陽性の初期乳がん患者に対し標準的な術後補助化学療法後に用いると無病生存期間を有意に延長させる [2005-05-31] |
Trastuzumab significantly
lengthens disease-free survival when given after standard
adjuvant chemotherapy for early-stage HER2-positive breast
cancer |
American Society of Clinical Oncology 学会の乳がんに対するモノクローナル抗体療法に関する追加セッションで、術後療法としてのHerceptin(HERA)トライアルを含むいくつかの進行中のトライアルに関しての報告があった。このphase
IIIのトライアルでは初期(リンパ節転移の有無に関わらず)HER-2陽性の乳がん患者を標準的な術後補助化学療法(必要に応じて放射線療法)後に12ヵ月または24ヵ月間のtrastuzumab療法および経過観察を行う群に無作為に割り付けた。中間追跡期間1年間のデータから、trastuzumab療法により再発のリスクが有意に低下(46%)することが示された。1年後の無病生存率は高かったものの、全体の生存期間には差が認められなかった。Trastuzumabの忍容性は高く、うっ血性心不全の発症は、プラセボ群で0%のところ、0.55に過ぎなかった。発表者は、Trastuzumabを病期に関わらずHER-2陽性乳がん患者に対する治療の基本とすべきである、と結論付けている。 |
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Lenalidomideは骨髄異形成症候群患者の多くにおいての輸血の必要性を有意に減少させ細胞遺伝学的効果を生み出す [2005-05-23] |
Lenalidomide significantly
decreases need for transfusions in myelodysplastic syndromes
and produces cytogenetic response in many patients |
Lenalidomideは輸血を必要とする5q欠失を有する骨髄異形成症候群患者の割合を低下させるのみでなく、症状のある治療反応患者の多くにおいて細胞遺伝学的な改善をもたらす、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。一日10mgのlenalidomideを24週間内服したことにより、5q欠失を有する輸血依存性の患者146人(37〜95歳、平均年齢71歳)のうち、66%が輸血非依存性となり、治療効果のあった者のうち73%が、中間追跡期間58週間後にも依然として輸血非依存性であった。現在進行中のトライアル(治療効果のあった者はすべて内服を継続)の結果、これらの患者の70%に何らかの細胞遺伝子学的効果が認められ、細胞遺伝子学的反応者の63%に骨髄の染色体異常の完全消失が認められた。最も多い副作用は用量依存性の骨髄抑制であった。死亡した15人中2人は薬物により死亡した可能性がある。Lenalidomideは多発性骨髄腫やいくつかの固形がんに対しても臨床試験が行われている。
Abstract No: 5
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トレミフェンは高悪性度前立腺上皮内腫瘍患者の前立腺がん発症リスクを減少させる [2005-05-23] |
Toremifene may reduce risk
for prostate cancer in men with high-grade prostatic intraepithelial
neoplasia |
トレミフェンは高悪性度前立腺上皮内腫瘍患者の前立腺がん発症のリスクを半分に減少させる、とAmerican Society
for Clinical Oncology学会で発表された。Phase IIbのスタディで、一日20mgを全期間投与された患者ではプラセボ群と比較しがんへの進行のリスクが48%低下した。プラセボ群患者の約3分の1がスタディ開始から12ヵ月以内に前立腺がんと診断された。計514人の患者がトレミフェン20mg、40mg、および60mg、またはプラセボを1年間投与され、生検を6および12ヵ月後に施行された。動物実験の結果と同様にリスク低下は用量依存性ではなかった。トレミフェンの忍容性は高かった。現在、トレミフェン20mgとプラセボを比較するphase
IIIのスタディが進行中である。
Abstract No: 1003
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11q欠失を有する神経芽腫の患者は染色体異常を有さない同疾患患者と比較し進行が速く生存期間が短い [2005-05-23] |
Neuroblastoma patients
with 11q deletion are more likely to have aggressive disease
and shorter survival than patients without chromosomal
anomaly |
ある特異的な染色体異常により神経芽腫患者の予後が予測できる、とAmerican Society of Clinical
Oncology学会で発表された。研究者らは患者917人の組織検体のDNAを解析した結果、長腕染色体11(11q)の欠失と予後に関連があることを見出した。診断後3年間に欠失を有する者の50%において疾患の進行および死亡が認められたのに対し、欠失を有さない患者におけるその割合は26%であった。11q欠失患者の3年生存率は65%であり核型の正常な者のそれは83%であった。小児における本疾患診断時の核型検査は治療に役立つ可能性があり、研究者らは11q上の遺伝子をさらに検査することにより進行の速い神経芽腫の発症の原因となる遺伝子をいくつか確認できる可能性があるとの希望を抱いている。
Abstract No: 6
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スタチンおよび低脂肪食により乳がんと再発のそれぞれのリスクが低下する [2005-05-23] |
Significant reductions
in breast cancer risk and recurrence seen with statins
and low fat diets respectively |
スタチンは乳がんのリスクを半分以下に軽減する可能性がある、とAmerican Society of Clinical
Oncology学会で発表された。退役軍人のケースコントロール研究において既往のある女性556人とコントロール39,865人(25〜92歳、平均年齢58歳)を対象とした。年齢、喫煙歴、飲酒、および糖尿病で補正した結果、スタチン内服者では非内服者と比較しリスクが51%低かった。他の研究(抄録#10)の結果、早期乳がんに対し同様の治療を受ける閉経後女性において、低脂肪食(一日平均33.3g)975人と通常の食事(一日平均51.3g)1,462人とでは予後が有意に異なった。中間追跡期間5年の後、再発率は低脂肪食群において通常食群よりも24%低かった。この効果はエストロゲン受容体陰性腫瘍において高く、低脂肪食群ではリスクが42%低下した。
Abstract No: 514
Abstract No: 10
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術後放射線療法および化学療法の併用によりStage
IIIAN2の非小細胞肺がん患者の予後が改善する [2005-05-23] |
Concurrent radiation and
chemotherapy followed by surgery improves outcome for
patients with stage IIIA N2 non-small cell lung cancer
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術後放射線療法および化学療法の併用によりリンパ節転移を有する非小細胞肺がん患者の予後が改善する、と American
Society of Clinical Oncology学会で発表された。化学放射線療法併用(194人)と術後化学放射線療法併用(202人)を比較したphase
IIIの North American Lung Intergroup Trial 0139から得られたデータである。対象者は全員stage
IIIAN2であり、ベースラインのperformance status 0-1であった。5年後、手術を受けた患者の27%が生存していたのに対し化学放射線療法のみの群では20%であった。さらに有意だったのは無病生存率であり、手術群のそれは22%であったのに対し手術を受けなかった群では11%であった。中間無病生存期間は手術群で12.8ヵ月であり化学放射線療法のみの群では10.5ヵ月であった。手術結果の解析によると、肺切除術が必要な場合この治療法は最善ではない可能性が示唆された。
Abstract No: 7014
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小児がんの既往を有する中年者は彼らの健常な兄弟姉妹と比較し中等度から重度の健康上の問題を有する確率が5倍高い [2005-05-23] |
The investigational drug
AMN107 produces strong responses in patients whose chronic
myeloid leukemia is resistant to imatinib |
小児がんの既往を有する中年者は彼らの健常な兄弟姉妹と比較し中等度から重度の健康上の問題を有する確率が5倍高い、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。研究者らは小児がんの既往を有する成人10,397人(18〜48歳)と彼らの健常な兄弟姉妹3,034人を評価した。既往者の57.1%および兄弟姉妹の18.2%が45歳までに中等度の慢性疾患を有しており、それぞれ37%および4.6%が重度の問題を有していた。化学療法や放射線療法と関連のある中等度の疾患とは酸素投与の必要な肺線維症、うっ血性心不全、肝硬変、および盲目などであった。重度の疾患は(小児期に患ったものと)異なるがん、心疾患、腎障害や腎移植の必要な状態、および精神遅滞であった。発表者は小児がん患者や小児がん既往を有する成人患者を診る医師らに、患者個々人のリスクを教育し、後の合併症を軽減する方法を図り、患者を綿密に監視するよう呼びかけている。
Abstract
No: 9
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標準的な併用化学療法にbevacizumabを加えることにより進行非小細胞肺がん患者の生存率が改善する [2005-05-16] |
Addition of bevacizumab
to standard combination chemotherapy improves survival
for patients with advanced non-small cell lung cancer |
標準的な化学療法に血管新生阻害薬bevacizumabを加えることにより進行非扁平上皮非小細胞肺がん患者の生存率が改善する、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。Phase IIおよびIIIの臨床試験において、未治療のstage
IIIbまたはIVの患者878人はパクリタキセルとカルボプラチン併用、またはこれらにbevacizumabを加えた化学療法を受けた。追跡期間(中間追跡期間9.4ヵ月)中の生存期間はbevacizumabを投与された患者群において(12.5ヵ月)併用療法のみを受けた患者(10.2ヵ月)と比較し有意に長かった。また、bevacizumab群においては治療反応率が高く(27%対10%)、疾患の進行までの期間が長かった(6.4ヵ月対4.5ヵ月)。最も重大な副作用である、命に関わるまたは致死的な出血(肺原発)はまれであり、bevacizumabを投与された患者のみに認められた(1.2%)。今回の研究結果は、標準的な化学療法に標的治療薬を加えることにより、これらの患者の生存率が改善することを示した初めてのものである。
Abstract No: LBA4
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血管新生阻害薬PTK/ZKをFOLFOX化学療法に加えることにより進行大腸がん患者の予後の改善傾向が認められる [2005-05-16] |
Addition of angiogenesis
inhibitor PTK/ZK to FOLFOX chemotherapy produces trend
toward better outcome in patients with advanced colorectal
cancer |
血管新生阻害薬PTK/ZKをFOLFOX化学療法に加えることにより転移性大腸がん患者の無進行生存期間は改善するが、この改善度は統計学的には有意に達しなかった、とPTK/ZKのPhase
IIIスタディ・CONFIRM 1の結果がAmerican Society of Clinical Oncology学会で発表された。計1,168人の患者が化学療法(オキサリプラチン、5フルオウラシル、およびロイコボリン)とPTK/ZKまたはプラセボの併用のいずれかに無作為に割り付けられた。無進行生存期間の改善率は12%と有意ではなかったのに対し、治療後に乳酸脱水素酵素(LDH;薬剤性細胞傷害のマーカー)高値を示した患者群においては無進行生存期間の改善率が39%と統計学的に有意な効果が認められた。他の血管新生阻害薬のように、PTK/ZKの副作用としては高血圧や血栓塞栓症がみられた。プラセボと比較し出血や消化管穿孔のリスクは上昇しなかった。この研究の最終結果は2006年に明らかとなる。
Abstract
No: LBA3
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アロマターゼ阻害薬letrozoleは閉経後女性の乳がんの再発予防にはタモキシフェンよりも有効であるとAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された [2005-05-16] |
The aromatase inhibitor
letrozole is more effective than tamoxifen in prevention
of breast cancer recurrence in postmenopausal women, according
to a presentation at the annual meeting of the American
Society of Clinical Oncology. |
アロマターゼ阻害薬letrozoleは閉経後女性の乳がんの再発予防にはタモキシフェンよりも有効である、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。この国際的トライアルでは8,028人の患者を、タモキシフェン5年間、letrozole
5年間、タモキシフェン2年間の後letrozoleを3年間、およびletrozole 2年間の後タモキシフェン3年間投与のいずれかの群に無作為に割り付けた。今回の発表では開始後2年間の結果が公表された。再発のリスクはletrozoleを投与された群でタモキシフェン投与群よりも19%低かった(それぞれ351人対428人)。遠隔転移の発生に関してもletrozoleの効果は大であり、タモキシフェンと比較しリスクが27%低かった。重大な副作用発生率は概して低かった。しかし、letrozole投与によりコレステロールレベルが軽度上昇し、また、まれではあるが致死的な脳血管障害や心事故がletrozole群に多く認められた。
Abstract No:
511
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Oxaliplatinは標準的な化学療法単独と比較し初期大腸がん患者の再発のリスクを軽減する [2005-05-16] |
Oxaliplatin reduces risk
of recurrence in patients with early-stage colorectal
cancer compared with standard chemotherapy alone. |
Oxaliplatinは標準的な化学療法単独と比較し初期大腸がん患者の再発のリスクを軽減する、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。主として北米の患者を対象としたこの国際的スタディでは、stage
IIおよびIIIの大腸がん患者1,200人を5フルオウラシルおよびロイコボリンの併用療法にoxaliplatin投与を追加し6ヵ月間投与した群、1,207人を併用療法のみの群に無作為に割り付けた。中間追跡期間34ヵ月の後、oxaliplatin群は標準的な化学療法群よりも再発率が21%低かった(無病率はそれぞれ76.5%および71.6%)。過去のヨーロッパのスタディ(MOSAIC
trial)と異なり、今回の研究では5フルオウラシルは1週間に2時間の点滴で投与した。今回のスタディの2群間における副作用は概して同様であったが、入院を必要とする神経内科的な問題や下痢および脱水はoxaliplatin群に多く認められた。
Abstract No: LBA3500
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標準的な治療法にイリノテカンを追加することにより初期結腸がんの術後療法効果を軽度改善する
[2005-05-16] |
Addition of irinotecan
to standard therapy slightly improves efficacy for postsurgical
treatment of early-stage colon cancer. |
標準的な治療法にイリノテカンを追加することにより初期結腸がんの術後療法効果を軽度改善する、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。このヨーロッパのトライアル(PETACC-3)ではstage
IIおよびIIIの患者3,278人を5フルオウラシル及びロイコボリン併用投与6ヵ月間またはこの併用療法にイリノテカンを追加する群に無作為に割り付けた。中間追跡期間32ヵ月後に、イリノテカンはstage
IIおよびIIIの患者全体では再発率を13%低下させたが、stage IIIの患者のみで評価した場合この効果は有意ではなかった。今回のトライアルでは5フルオウラシルは緩徐に注入された。この方法は過去に用いられたボーラスの注射法で見られたような薬物毒性が低い。イリノテカン使用群では全体的な毒性、特に白血球減少症や下痢などがやや多く認められた。米国においてイリノテカンは現在、進行大腸がんの初回治療および術後の併用化学療法を行ったにもかかわらず疾患の進行が認められた患者の第二選択薬として認可されている。
Abstract No: LBA8 |
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多発性骨髄腫に対し標準的治療にサリドマイドを併用することにより寛解達成率が上昇し再発のリスクが軽減する
[2005-05-16] |
Addition of thalidomide
to standard therapy increases likelihood of achieving
remission and reduces risk for recurrence in multiple
myeloma |
多発性骨髄腫に対し標準的治療にサリドマイドを併用することにより寛解達成率が上昇し再発のリスクが軽減する、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。計668人の患者がTotal Therapy
2(化学療法と幹細胞移植の併用)のみまたはTotal Therapy 2にサリドマイドの追加投与を受けた。サリドマイド投与群ではサリドマイドは治療開始時点から投与され、再発するまで継続された。中間追跡期間35ヵ月の後、サリドマイド群の62%、標準的治療の43%が完全寛解に至った。5年後、サリドマイド群の55%が無病であったのに対し、標準的治療群におけるその割合は40%であった。総生存率は両群間で差はなかった。サリドマイド投与により深部静脈血栓症の発症率が上昇したが、これはcalciparine(ヘパリン)投与により減少した。また、感覚神経および運動神経の違和感も多く認められた。
Abstract No: LBA6502 |
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HER-2遺伝子のアンドロゲン受容体再活性化と前立腺がんの臨床上の再発に対する役割に関する新たな知見 [2005-05-10] |
New insight into the role of the HER-2 gene in reactivating
androgen receptors and contributing to clinical recurrence
of prostate cancer |
がん細胞株の研究によると、HER-2遺伝子活性はアンドロゲン受容体を介し、前立腺がんの再発に多大な役割を果たしている、とCancer
Research 4月15日号に掲載された。仮説を検証するために研究者らはまず、操作したウイルスを介してヒト前立腺がん細胞内に人工HER-2抗体を到達させた。次に、彼らはHER-2酵素活性を特異的に阻害する治験薬を使用した。この薬剤lapatinibは、近年、HER-2が発症に関与した乳がん患者に対し臨床試験が進行している薬剤である。この両実験において、前立腺がん細胞内のチロシンキナーゼ活性およびアンドロゲン受容体機能は大きく低下していた。筆者らは、前立腺がん患者に対するlapatinibの臨床試験が計画されていると述べている。 |
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開発中の薬剤AMN107はイマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病患者の反応性を強力にする [2005-05-10] |
The investigational drug AMN107 produces strong responses
in patients whose chronic myeloid leukemia is resistant
to imatinib |
開発中の薬剤AMN107はイマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病患者の反応性を強力にするとAmerican
Association for Cancer Research学会で発表された。AMN107は、イマチニブ抵抗性を引き起こす変異型も含めたBcr-Abl酵素に、より効率的に結合するため、イマチニブの30〜100倍有効であると推定されている。100人以上の患者を対象とした現在進行中のトライアルでは、AMN107の用量が増加されたため、ますます強力な効果をもたらしている。現在までに、慢性期の患者の90%以上において血球数は正常値に戻り、移行期または芽球期の患者の70%以上において同様の効果が認められた。白血病や、イマチニブが有効な他の悪性疾患においてAMN107が第一選択薬となる可能性を調査するトライアルが計画されている。 |
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