糖尿病および単なる空腹時高血糖でもさまざまながんのリスクを上昇させる [2005-01-25] 
Diabetes or simply a high fasting glucose level is associated with increased risk for a number of cancers

空腹時高血糖または糖尿病は肝がん、膵がんを含むさまざまながんのリスクを上昇させる、とJournal of the American Medical Association 1月12日号に掲載された。韓国の研究者らは成人約130万人を10年間追跡調査した(うち男性20,566人、女性5,907人ががんで死亡した)。喫煙および飲酒の有無で補正した結果、空腹時血糖が最も高い群は最も低い群と比較し、がん全体による死亡率が高かった(男性で29%、女性で23%)。この関係は膵がんで最も強く認められ、男性では食道がん、肝がん、大腸がん、女性では肝がんおよび子宮頚がんでも有意な相関関係がみられた。この関連は再度確認する必要があるが、今回の結果から、高血糖および糖尿病の患者の重要な有病率および死亡率に関するさらなるエビデンスが示された。

腎細胞がんの進行しやすさと死亡率を強固に予測する腫瘍細胞マーカー [2005-01-25] 
Tumor-cell marker identified that strongly predicts aggressiveness and mortality for renal cell carcinoma
B7-H1と呼ばれる細胞マーカーの発現およびそのレベルにより、腎細胞がん患者の病気の進行しやすさおよび死亡率が強固に予測される、とProceedings of the National Academy of Sciences オンライン版12月7日号に掲載された。この細胞マーカーはこれまでに正常免疫細胞および一部のがん細胞に認められていたが、健常なまたは悪性の腎細胞には認められていなかった。腎がん196例を対象とした研究で、米国の研究者らは初めてこのマーカーと臨床上の予後との関連を発見した。腫瘍のマーカー発現レベルの高い患者は原疾患による死亡のリスクが5倍高かった。B7-H1は免疫反応を抑制することが知られているため、このマーカーの阻害によりインターロイキン2のような免疫療法の有効性を上昇させる可能性がある。
体外/体内照射とホルモン療法の併用は放射線療法単独と比較し高リスク前立腺がん無病生存率を向上させる [2005-01-18] 
Internal/external radiation plus hormone therapy improves disease-free survival for high-risk prostate cancer compared with radiation alone

体外/体内照射とホルモン療法の併用は放射線療法単独と比較し高リスク前立腺がん無病生存率を向上させる、とInternational Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics 1月1日号に掲載された。高リスクとは、高Gleasonスコア、前立腺特異抗原レベルの上昇、および病期の進行、の二つ以上を有することで定義した。密封小線源療法と体外照射療法を併用された患者107人と、それにホルモン療法をさらに併用された患者69人を比較した。8年後、放射線療法とホルモン療法を併用された患者の94%近くが無病であったのに比べ、2種類の放射線のみを受けた患者のそれは84%であった。

神経芽腫に対する治療としてヘルペスウイルスを用いたマウスの実験から、この治療法は非転移性神経芽腫に非常に有効であることが示された [2005-01-18] 
Mouse experiments with herpes-virus-based therapy for neuroblastoma show great promise against non-metastatic disease
神経芽腫に対する治療としてヘルペスウイルスを用いたマウスの実験から、この治療法は非転移性神経芽腫治療に非常に有効であることが示された、とPediatric Blood and Cancer の出版に先立つオンライン版Journal of the American Society of Pediatric Hematology/Oncologyに掲載された。単発の固形神経芽腫を有するマウスの多くが、効力を弱めた単純ヘルペスの単回注射で治療された。同様のウイルスを用いた技術はある種の成人のがんに対してはすでに有効性が示されているが、小児の悪性腫瘍にこの技術を試みたのは今回の研究が初めてである。次の段階は転移性神経芽腫モデルに対する有効性を検証すること、およびウイルス誘発性の腫瘍アポトーシスに関する知識を集積させ臨床試験の題材を探し出すことである。
初期の黒色腫の可能性を判断するには時間経過による黒子の見かけの変化を観察することで本来十分である [2005-01-11] 
Observed change over time in a mole should be enough in itself to warrant investigation as a possible early melanoma
初期の黒色腫の可能性を判断するには、すでに確立されたクライテリアである、領域が非対称であること、辺縁がでこぼこであること、色が不均一および径が6mm以上であることのほかに、時間経過による黒子の見かけの変化を観察することで本来十分である、とJournal of the American Medical Association 12月8日号に掲載された。この論文のレビューは、ある一つの研究(患者125人)で結節型黒色腫の78%において黒子の見かけの変化が観察されたと報告している。他の型の黒色腫患者においても多くが同様に変化を認めている。他の報告(169の色素沈着部位)においても、変化した部位は変化しなかった部位と比較し、黒色腫である可能性が4倍高かった。現在のクライテリアに含まれない時間経過による見かけの変化が、黒色腫の10〜15%を占める結節型黒色腫を発見するには最も有用である可能性がある。
黒色腫が成長するにはある蛋白の持続的な供給が必要であることが発見されたことにより新たな治療法が開発できる可能性がある [2005-01-11] 
Discovery that melanomas require a steady supply of a certain protein to grow may lead to new treatment options
悪性黒色腫細胞は通常の細胞には必須ではないある蛋白が持続的に供給されないと成長することも分裂することもできないとの発見により、比較的副作用の少ない有効な新たな治療法が開発できる可能性がある、とCancer Cell 12月号に掲載された。酵素ファミリーCDKは細胞周期の調整に不可欠である。正常細胞ではCDK2が阻害されると他のCDK酵素が全ての機能を担う。しかし、今回の研究で、CDK2がメラノサイトに必須であることが明らかにされた。筆者らは既存のCDK2阻害薬を現在の化学療法を補足するものとして近日中に臨床試験に持ち込めるよう願っている。
 
 


 

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