空腹時高血糖または糖尿病は肝がん、膵がんを含むさまざまながんのリスクを上昇させる、とJournal
of the American Medical Association 1月12日号に掲載された。韓国の研究者らは成人約130万人を10年間追跡調査した(うち男性20,566人、女性5,907人ががんで死亡した)。喫煙および飲酒の有無で補正した結果、空腹時血糖が最も高い群は最も低い群と比較し、がん全体による死亡率が高かった(男性で29%、女性で23%)。この関係は膵がんで最も強く認められ、男性では食道がん、肝がん、大腸がん、女性では肝がんおよび子宮頚がんでも有意な相関関係がみられた。この関連は再度確認する必要があるが、今回の結果から、高血糖および糖尿病の患者の重要な有病率および死亡率に関するさらなるエビデンスが示された。
B7-H1と呼ばれる細胞マーカーの発現およびそのレベルにより、腎細胞がん患者の病気の進行しやすさおよび死亡率が強固に予測される、とProceedings
of the National Academy of Sciences オンライン版12月7日号に掲載された。この細胞マーカーはこれまでに正常免疫細胞および一部のがん細胞に認められていたが、健常なまたは悪性の腎細胞には認められていなかった。腎がん196例を対象とした研究で、米国の研究者らは初めてこのマーカーと臨床上の予後との関連を発見した。腫瘍のマーカー発現レベルの高い患者は原疾患による死亡のリスクが5倍高かった。B7-H1は免疫反応を抑制することが知られているため、このマーカーの阻害によりインターロイキン2のような免疫療法の有効性を上昇させる可能性がある。
神経芽腫に対する治療としてヘルペスウイルスを用いたマウスの実験から、この治療法は非転移性神経芽腫治療に非常に有効であることが示された、とPediatric
Blood and Cancer の出版に先立つオンライン版Journal of the American
Society of Pediatric Hematology/Oncologyに掲載された。単発の固形神経芽腫を有するマウスの多くが、効力を弱めた単純ヘルペスの単回注射で治療された。同様のウイルスを用いた技術はある種の成人のがんに対してはすでに有効性が示されているが、小児の悪性腫瘍にこの技術を試みたのは今回の研究が初めてである。次の段階は転移性神経芽腫モデルに対する有効性を検証すること、およびウイルス誘発性の腫瘍アポトーシスに関する知識を集積させ臨床試験の題材を探し出すことである。
初期の黒色腫の可能性を判断するには、すでに確立されたクライテリアである、領域が非対称であること、辺縁がでこぼこであること、色が不均一および径が6mm以上であることのほかに、時間経過による黒子の見かけの変化を観察することで本来十分である、とJournal
of the American Medical Association 12月8日号に掲載された。この論文のレビューは、ある一つの研究(患者125人)で結節型黒色腫の78%において黒子の見かけの変化が観察されたと報告している。他の型の黒色腫患者においても多くが同様に変化を認めている。他の報告(169の色素沈着部位)においても、変化した部位は変化しなかった部位と比較し、黒色腫である可能性が4倍高かった。現在のクライテリアに含まれない時間経過による見かけの変化が、黒色腫の10〜15%を占める結節型黒色腫を発見するには最も有用である可能性がある。