RIO-Europeトライアルの2年目のデータによると、rimonabantにより得られた心血管リスクファクターの改善は2年目も維持されることが示唆された、とAmerican
College of Cardiology学会で発表された。1,507人の患者を対象としrimonabant一日5または20mg、およびプラセボ内服群に無作為に割り付けたphase
III臨床試験の結果である。有意差はrimonabant 20mg内服群とプラセボ内服群の比較で認められ、rimonabant群においては減量、ウエスト周囲径減少、および代謝指標(メタボリックシンドロームのクライテリアに合致する患者数の減少を含め)において良好な結果であった。統計学的解析によると、rimonabant
20mg内服群で患者の約半数は体重減少とは関係なくHDLコレステロールおよび中性脂肪の改善がみられた。さらに、糖尿病患者を除いた集団においてはHomeostasis
Model Assessmentにより評価したインスリン感受性の改善を認めた。
心筋梗塞による入院患者の治療改善のための努力は成功しつつあるが、男性患者の方が不釣り合いに恩恵を受けている、とAmerican
College of Cardiology学会で発表された。米国の研究者らは、ACCガイドラインGuidelines
Applied in Practice projectの導入前または後に入院した患者2,857人の記録を評価した。ガイドラインに沿って治療された患者は男女ともに、ガイドラインから外れた治療を受けたり、内服および生活習慣に対する1対1のカウンセリングなどの入院中に行うべき項目を行われなかった患者と比較し、入院後1年間の生存率が良好であった。解析の結果、男性患者の方が、エビデンスのある薬剤使用などガイドラインに沿った治療を高率に受けていることが明らかとなった。筆者らは、女性患者はより高齢であり合併症を多く有している傾向にあるため、エビデンスに基づいた治療の必要性が低いのではなくむしろ逆に高いであろう、と述べている。
薬物溶出ステントは適応となる患者が幅広く長期にわたり有効であることが証明された、と第54回American
College of Cardiology学会で発表される。今回発表される薬物溶出ステントを用いた最初の研究であるREALITYトライアルでは、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、およびアジアの中等度の複雑病変を有する患者1,386人をシロリムス溶出ステントまたはパクリタキセル溶出ステントを挿入する群に無作為に割り付けた。今回の研究の終了時点である8ヵ月後に行った冠動脈一区分あたりの再狭窄発症率(一次エンドポイント)の解析の結果、これら2種類のステントの有効性は同等であった。一方、2群間の抗血小板療法に対するコンプライアンスは同等であったにもかかわらず、血栓症発症率はシロリムス溶出ステント群のほうが低かった。糖尿病など様々な患者集団に対するステント使用を調査した他の研究結果が今週発表される予定である。
国際的心臓発作予防のためのスクリーニングと教育(international
Screening for Heart Attack Prevention and Education [SHAPE])組織が作成した新たなガイドラインにより、初回心筋梗塞のリスクのある無症状の患者が鑑別でき、未然に治療が行われリスクが軽減するに違いない、とAmerican
College of Cardiology学会で発表される。本人および家族のリスクファクターの不明な少人数を除き、45歳以上の男性および55歳以上の女性については不顕性動脈硬化の検査を行う。CTで冠動脈石灰化を、超音波を用いて頸動脈内中膜厚およびプラークの有無を評価する。リスクの程度と推奨される治療法(LDLコレステロールの目標値なども含む)はスクリーニングの結果および従来のリスクファクター有無により異なる。心筋虚血の所見のあるものは最も高リスク群となり最も積極的な治療が推奨される。
長期にわたるU.S. Nurses’ Health
Studiesの結果、葉酸摂取量の多い女性は高血圧を発症するリスクが低いことが示された、とJournal of
the American Medical Association 1月19日号に掲載された。スタディ開始時27〜44歳の女性93,803人および43〜70歳の女性62,260人のデータから、葉酸の一日総摂取量(食事およびサプリメント)が1,000μg以上の若年の女性は葉酸の一日摂取量が200μg未満の女性と比較し、高血圧発症のリスクが46%低かった。葉酸摂取量の多い高齢女性では、高血圧のリスクが18%低かった。