きびきびと歩くことにより食事性脂肪の処理が体重にかかわらず一時的に改善する [2005-01-25]

A brisk walk may temporarily improve the body’s handling of dietary fats regardless of body weight
痩せている太っているにかかわらず、男性において、高脂肪食を摂取した後であっても、90分の歩行により中性脂肪が低下し内皮機能が改善し、その効果は翌日まで持続する、とJournal of the American College of Cardiology 12月21日号に掲載された。この小規模研究(痩せ型10人、肥満10人)では、対象者に中等度の強度の運動(トレッドミル歩行)を行わせた結果、この効果は体重にかかわらず認められることが示された。今後の研究では、さらに短時間の運動または一日の総運動量の食事性脂肪処理および血管機能に対する影響を評価することになるだろう。

てんかん発作中に危険な不整脈が出現する患者は心臓ペースメーカー埋め込みが必要な可能性がある [2005-01-25]

Development of significant cardiac arrhythmias during epileptic seizures may require implantation of cardiac pacemaker
てんかん発作に伴い危険な不整脈が出現することはあまり報告されていないようであるが、一部の患者においては心臓突然死を回避するためにペースメーカー埋め込みが必要である可能性がある、とLancet 12月18日号に掲載された。イギリスの研究者らは活動性てんかん患者20人に心拍モニターを埋め込んだ(最長22ヵ月間)。その結果、20人中16人においては、てんかん発作中に頻拍が認められた。発作中に徐脈または心拍停止が認められた4人(3人は致死的な調律)はペースメーカーを埋め込まれた。筆者らは、活動性てんかん患者の不整脈の発現に関するさらに大規模な研究を行う必要があると主張している。

血管形成術後に弁置換を行うほうが両者を同時に行うよりも死亡率が有意に低い [2005-01-18]

Valve replacement surgery after angioplasty has significantly lower mortality than single procedure combining angioplasty and valve replacement
血行再建療法と弁置換の同時手術の死亡率は5人に1人と高いこともありうるが、弁置換前に血管形成術を行った場合の死亡率は26人中1人と低い、とJournal of the American College of Cardiology 1月4日号に掲載された。血管形成術数日後に弁置換を施行された合併症の多い患者26人は弁置換の際に出血が多かった(これはステントに対してclopidogrelを投与されていたためと考えられる)が、長期生存率は従来通りのバイパス術と弁置換の同時施行と同等であった。この研究の最大の限界は患者数が少ないことである。しかし、この記事の評論者は、段階を踏んだ混合療法は、さまざまなリスクの程度のさらに多くの患者群に施行が可能となるに違いない、と述べている。

心肥大を抑制または逆行させ拡張障害による心不全の発症を予防する可能性のある天然蛋白が発見された [2005-01-18]

Natural protein identified that may inhibit or reverse cardiac hypertrophy and avoid development of diastolic heart failure
重要な心筋蛋白であるトロポニンの退歩を調節する蛋白の発見により、一部の患者における心肥大や拡張障害を予防する治療法が開発される可能性がある、とProceedings of the National Academy of Science (USA) 12月28日号に掲載された。この新たに発見された蛋白、 muscle-specific RING finger 1はトロポニンを退歩させる経路を開始させる。従って、この蛋白は肥大の程度を調整する役割(心筋細胞の抗肥大活性)を有する。この心筋肥大の経路に関する新たな分子学的理解により薬剤開発の新たな標的が生まれる可能性がある。

両心室ペーシングは単心室ペーシングと比較し入院や身体障害の機会を減少させるため医療費削減に役立つ [2005-01-11]

Dual-chamber pacemakers are cost effective because of reductions in hospitalization and disability compared with single-chamber pacemakers
両心室ペーシングはそれ自体は単心室ペーシングより高価であるが、入院や身体障害の機会を減少させることから医療費削減に役立つ、と Circulation 1月4日号に掲載された。これは成人の洞不全症候群患者2,010人(平均年齢74歳、女性48%)を4年間追跡した研究の結果であり、1,014人は両心室ペーシング、996人は右室ペーシング群に無作為に割り付けられた。両心室ペーシング群の患者においては、心房細動の発症率が低く、死亡または脳卒中のリスクもやや低く、心不全スコアの結果が良好で、健康に関連したQOLのいくつかの評価で、少しではあるがしかし有意に良好な結果が認められた。

降圧療法としてのカルシウム拮抗薬と利尿薬の併用は心血管疾患による死亡のリスクを上昇させる [2005-01-11]

Combination of calcium-channel blockers and diuretics as antihypertensive therapy increases risk for death from cardiovascular disease
降圧療法としてのカルシウム拮抗薬と利尿薬の併用はベータ遮断薬と利尿薬の併用と比較し心血管疾患による死亡のリスクを倍増させる、と Journal of the American Medical Association 12月15日号に掲載された。Women’s Health Initiative Observational Study(50〜79歳の女性93,676人、平均追跡期間5.9年)のデータ解析の結果であるが、スタディ開始時には30,219人の女性が高血圧を有していたが心血管疾患の既往はなかった。19,889人が内服しており、11,294人(57%)がアンジオテンシン変換酵素阻害薬、ベータ遮断薬、カルシウム拮抗薬、または利尿薬いずれかの単剤投与を受けており、4,493人(23%)は2種類の薬剤を併用していた。カルシウム拮抗薬単剤療法は利尿薬単独療法と比較し、心血管疾患による死亡のリスクを55%上昇させた。
 
 


 
 

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