セクレチンホルモンと感情刺激に対する扁桃の神経の反応との関係を新たに理解することにより、行動異常を特徴とするある種の精神障害の治療が導き出される可能性がある、とAmerican
Academy of Neurology 学会で報告された。あるパイロットスタディで米国の研究者らは健常成人男性にセクレチンを投与し感情刺激に対する反応が変化するかどうかを観察した結果、機能MRIにおいて扁桃が変化することを実証した。扁桃の機能不全は統合失調症、うつ病、双極性障害、および自閉症などの一連の行動障害と関連のあることが知られている。
パーキンソン病に対し細胞移植を受けたと信じているが実はシャム手術を受けた患者において術後1年間のQOLに対するプラセボ効果が認められることから、精神と身体の関連に関する新たなエビデンスが示される、という報告がArchives
of General Psychiatry 4月号に掲載された。計40人の患者は胎児ドーパミン作動性神経移植術またはシャム手術群に無作為に割り付けられた。QOLの研究に参加した患者30人において、追跡期間中に行ったQOLの自己評価および神経機能の客観的な評価は、実際の手術内容よりも患者自身が受けたと思っている手術内容とより関連が見られた。二重盲検の内容が解き明かされると全体の動作の改善は、実際の治療内容により影響された。筆者らはこの強いプラセボ効果のため、さらに二重盲検の脳神経手術試験を継続する必要性を主張している。