エピルビシンの単独およびドセタキセルとの併用療法は乳がん患者の生存率を改善する [2004-12-28] 
Epirubicin-based chemotherapy improves survival of breast cancer patients when used alone or with docetaxel
エピルビシンを基盤とした化学療法は乳がん患者の生存率を改善する、と第27回San Antonio (USA) Breast Cancer Symposium学会で発表された。ヨーロッパのphase III臨床試験で1,999人の患者に対して、エピルビシン-フルオロウラシル-シクロホスファミドの後にドセタキセルを使用する方法とエピルビシン基盤の化学療法のみの効果を比較した。5年後、ドセタキセルを併用した群と併用しなかった群の無病率はそれぞれ78.3%と73.2%であり、ドセタキセルを併用することにより再発のリスクが17%低下した。また、生存率は前者90.7%、後者86.7%であり、ドセタキセルを併用することにより死亡のリスクが23%低下した。患者全体のうち52%に対し保存的手術が施行され、39%の腫瘍がgrade III、79%がホルモン受容体陽性であり、また、62%の患者において1〜3個のリンパ節転移が認められた。
肺がんの発症に影響する遺伝子-環境因子相互作用の理解 [2004-12-28] 
Understanding the gene-environment interactions that influence development of lung cancer
肺がん患者の第一親族、第二親族、および第三親族は一般集団と比較し肺がんのリスクが高く、これらの遺伝的要素を有している人々においてもタバコが最も重要な役割を果たしている、とJournal of the American Medical Association 12月22日号に掲載された。他の記事では、水中に含まれる砒素に重度に暴露されると有意に肺がんのリスクが高くなり、これはタバコを含めた他の因子で補正しても認められることが示された。編集記者は、肺がんに対する遺伝子-環境因子の影響のメカニズムを明らかにした点でこれらの記事を賞賛している。しかし彼らは、喫煙を避けることが、依然として、肺がんのリスクを軽減させるために我々のできる唯一の重要な方法である、と強調している。
画像ガイドによる高周波切除法は手術が有効でないと考えられる肺がん患者の治療法として有望である [2004-12-21] 
Image-guided radiofrequency ablation shows promise for patients with lung cancer who are poor surgical candidates
画像ガイドによる高周波切除法は手術が有効でないと考えられる肺がん患者の治療法として有望である、とRadiological Society of North America(RSNA)学会で発表された。研究者らは医学的に手術不能な患者126人に対し、計163病変部位に対する155の手技を6年間にわたり調査した。CTまたは超音波ガイド下に腫瘍部位へ針を到達させた。この方法を用いた際の有病率および死亡率は外科手術のそれよりも低かった。多くの患者にとって生存率を改善することが治療の目標ではなかったが、この新たな方法は多くの患者のQOLも向上させた。今後早期がんの診断法がさらに進歩すれば、腫瘍焼灼術は低侵襲の治療法となりうるであろう。
核磁気共鳴画像を用いた冷凍凝固療法は組織の凍結をリアルタイムで視覚化することにより、 医師らが肝がん腫瘍を破壊することが可能になる [2004-12-21] 
Cryotherapy with magnetic resonance imaging allows physicians to destroy liver cancer tumors with real-time visualization of tissue freezing
核磁気共鳴画像を用いた冷凍凝固療法は組織の凍結をリアルタイムで視覚化することにより前例のない肝がん治療が可能になる、とRadiological Society of North America(RSNA)学会で発表された。研究者らはガイド下冷凍凝固療法を用いて患者31人(29〜87歳)の肝がんを治療した。39個の腫瘍のうち19個は切除に成功し、うち17個は一回しか切除を必要としなかった。この非侵襲的な冷凍凝固療法を用いた治療により、施術による瘢痕は軽度であり、回復が早く、入院期間も短かった。筆者らは、局所成功率も生存率に関しても有望であると述べている。このガイド下療法は近接健常組織や臓器および構造物を傷つけるのを防ぐ、という点でも優れている。
超音波検査と針生検を併用することにより乳がん患者のリンパ節転移を確実に診断できる [2004-12-14] 
Combination of ultrasound and fine needle biopsy can reliably identify malignant lymph nodes in women with breast cancer
超音波検査と針生検を併用することにより乳がん患者のリンパ節転移を確実に診断でき、一部の患者においては余分な外科的処置を避けることができる、とRadiological Society of North America 学会で発表された。米国の研究者らは、新たに診断された患者57人に超音波を用いて腋窩リンパ節の外観が正常か異常かを評価した。一つ以上のリンパ節が異常に見えた場合には22ゲージの針生検による検体を用いて、病理学的解析を行った。リンパ節転移が認められた患者には乳房手術と同時にセンチネルリンパ節生検か腋窩リンパ節郭清を行った。超音波検査で異常所見の認められた女性のうち92.8%に手術の際リンパ節転移が認められた。超音波検査で異常が認められ、針生検で陽性であった者はすべて手術の際にリンパ節転移が認められた。
進行非小細胞肺がんに対する高線量の放射線治療により生存率が改善する [2004-12-14] 
Higher-dose radiation for patients with advanced non-small cell lung cancer can improve survival
進行非小細胞肺がん患者に高線量の放射線照射を行うことにより、一部の患者において局所のがんの拡散を予防し生存率を改善する、とInternational Journal of Radiation Oncology, Biology, Physics 11月1日号に掲載された。Stage IIIの患者計72人が2群に分配され、異なった線量の3次元 conformal 放射線療法および化学療法を受けた。低線量の放射線照射を受けた患者37人のうち、1年以内に61%、2年以内に76%において疾患の進行が認められた。一方、高線量の照射を受けた患者の27%が1年以内に疾患の進行を認め、2年以内に47%の患者に再発が認められた。中間生存期間は低線量患者で15ヵ月であったのに対し高線量のそれは20ヵ月であった。
タキサンを基本とした化学療法および放射線療法を受けた乳がん患者は肺炎のリスクは高くない [2004-12-07] 
Breast cancer patients treated with taxane-based chemotherapy plus radiation are not at increased risk for pneumonitis
タキサンを基本とした化学療法および放射線療法を受けた乳がん患者は肺炎のリスクは高くない、とJournal of the National Cancer Institute 11月17日号に掲載された。米国の研究者らは189人の患者をパクリタキセル4サイクルの後に5フルオロウラシル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミド(FAC)4サイクル投与、そして放射線療法かFAC8サイクル投与の後に放射線療法を受ける群に無作為に割り付けた。肺毒性は両群間において同様で、パクリタキセル−FACおよび放射線療法群で5%であり、一方FACと放射線療法群では4.5%であった。今回の研究結果をタキサン療法でリスクが上昇すると報告した過去の小規模の研究と比較し、筆者らは、今回の研究では化学療法に引き続き放射線照射が行われていたが、過去の研究ではこれらが同時に行われていたことを指摘している。
臍帯血から得られた幹細胞は他の治療法のない白血病患者に対する有効な移植供給源である [2004-12-07] 
Stem cells derived from umbilical cord blood are an effective transplant source for leukemia patients who have no other therapy options
臍帯血から得られた幹細胞は他の治療法のない白血病患者に対する現実的で有効な移植供給源である、とNew England Journal of Medicine 11月24日号に掲載された。研究者らは、臍帯血、HLAが完全に一致する他人の骨髄、または一つのHLAだけが一致しない他人の骨髄からの幹細胞移植が行われた500人以上の成人患者の結果を解析した(研究期間は1996〜2001年)。生存率は、HLAの一致した他人から骨髄移植を受けた者において最高(33%)であった。臍帯血とHLAが一つだけ一致しない他人の骨髄を移植された者において、生存率は同等(22%)であった。米国では年間約16,000人の白血病患者が臍帯血幹細胞移植の恩恵を受けていると考えられる。


 

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