Body mass index(BMI)の高値は男性よりも女性において大腸がんのより有意なリスクファクターである、とAmerican
College of Gastroenterology学会で発表された。米国の研究者らが無症状の成人2,300人(男性1,250人、女性1,050人)に大腸内視鏡検査を施行した結果、喫煙、年齢、飲酒、および家族歴で補正した後、BMIが40(肥満の閾値)以上の女性はBMIが25以下の女性と比較し問題のある新生物(大きなあるいは多発性のポリープ、高度異型、またはがんと定義)と診断される確率が5.2倍高かった。男性においても同様の傾向は認められたが、統計学的に有意ではなかった。
喫煙者は非喫煙者と比較し結腸ポリープのリスクが有意に高くそのリスクは喫煙期間とともに増大する、とAmerican
College of Gastroenterology学会で発表された。成人157人(平均年齢55歳)を対象としたある前向き研究において、喫煙者は非喫煙者よりもポリープを有する確率が高く、またポリープの数は多く大きかった。回帰分析の結果、喫煙期間が一年延びるごとにポリープのリスクは4%ずつ増加した。興味深いことに食事および他の栄養素のデータから、ビタミンCを日常的に一日1,000mg以上摂取していた16人においてはポリープを有する者はひとりもいないという統計学的に有意な関係が認められた。
小児がんの既往を有する女性の乳がんのリスクファクターを同定することで、増加している若年女性の乳がんのリスク層別化が向上する、とAnnals
of Internal Medicine 10月19日号に掲載された。小児がんを有する米国女性6,000人以上を対象とした研究において、小児期または青年期に胸部放射線照射を受けた場合、原発の腫瘍が骨または軟部組織肉腫(胸部照射は受けていない)の場合、または乳がんの家族歴を有する場合に発がん率が上昇した。胸部照射を受けた後に甲状腺疾患を発症した者も乳がんのリスクが高かった。一方、骨盤照射を受けた者は平均よりも乳がんのリスクが低いように見受けられたが、これはおそらくエストロゲン産生が減少しているためと思われる。
進行非小細胞肺がんに対するネオアジュバント化学療法と術前放射線療法の併用は化学療法と術後照射の併用と同様に有効である、とAmerican
Society for Therapeutic Radiology and Oncology学会で発表された。あるヨーロッパのphase
IIIの無作為試験で、stage IIIAおよびIIIBの患者558人は術前照射および3クールの化学療法後に手術を施行されるか、術後に放射線照射を施行された。その結果、3年間の生存率は2群間で同等であり(術前群26.2%
対 術後群24.6%)、腫瘍のコントロール状況も同等であった。しかし、両群ともに重要な副作用が認められた。術前照射群においてはgrade
IIIの食道炎、そして術後照射群においてはgrade III/IVの肺炎であった。