多形性膠芽腫に関連した3つの抗原から生み出された免疫療法は、実験や第I相臨床試験から有望であるとの結果が得られた [2004-07-26] 
Three antigens associated with glioblastoma multiforme produce promising immunotherapy results in laboratory and Phase I trials
多形性膠芽腫に関連した3つの抗原から生み出された免疫療法は、実験や第I相臨床試験から有望であるとの結果が得られた、と Cancer Research 7月15日号に掲載された。その3つの抗原、つまり、HER2、 gp100、およびMAGE-1は近年脳腫瘍細胞から発現されていることが確認された。第I相試験では再発性腫瘍を有する患者7人それぞれの腫瘍標本から樹状細胞ワクチンが用意された。ワクチンをうった患者の生存期間の中央値は133週間であったのに対し、同様の治療を受けワクチンをうたなかった7人の患者のそれは30週間であった。第II相試験がほぼ終了し、第III相試験が計画されている。
化学療法後に認知機能の低下した乳がん患者の有意数が治療前に認知機能低下の兆候を認めていた [2004-07-26] 
Significant percentage of breast cancer patients with cognitive decline after chemotherapy has signs of dysfunction before treatment
化学療法後に認知機能の低下した転移のない乳がん患者の有意数が治療前に認知機能低下の兆候を認めていた、とCancerオンライン版6月21日号に掲載された。研究者らは、同じ施設で行われた3つのコホート研究の患者計84人の治療前認知機能を評価した。全体の35%(29人)が言語の習得や記憶能において期待値よりも劣っていた。筆者らは、機能障害が個体または疾患、および両者の相互作用に関連する因子であると信じているが、それは性別には関係ないようである。彼らはまた、非小細胞肺がんの男性患者においても化学療法前に同様の認知機能低下が認められることを発見した。病因や臨床分類に関する研究がさらに続いている。
多くのがん患者はがん再発や慢性のがんよりも治療による心毒性で死亡するリスクが高い可能性がある [2004-07-20] 
Many cancer patients may be at greater risk for death from treatment-related cardiac toxicity than relapsing or chronic cancer
一部の最新の生物学的分子標的治療は従来の化学療法薬と同程度の心毒性があり、多くのがん患者はがん再発や慢性のがんよりも治療による心毒性で死亡するリスクが高い可能性がある、とCirculation 6月29日号に掲載された。Anderson Cancer Centerの循環器専門医らが大規模な調査を行った結果、ほとんど全ての抗がん剤が心毒性を有する、と結論づけた。筆者らは、治療に先立ち患者個々人のリスクファクターを評価し、治療中は厳重な監視とともに問題が生じた場合は迅速な対応をするよう述べている。例えば、Avastin、 Erbitux、 およびRituxinなどのモノクローナル抗体薬は高血圧を引き起こす。血圧を正常に戻すことにより長期の心毒性のリスクを軽減することが可能である。
米国において重症敗血症は毎年がん死の原因の10分の1を占めている [2004-07-20] 
Severe sepsis causes roughly one in ten cancer deaths each year in the United States
入院がん患者の重大な合併症である重症敗血症は、米国において毎年がん死の原因の10分の1を占めている、とCritical Care 7月号に掲載された。研究者らが米国の6つの州の入院データを調査したところ、1年に入院したがん患者の5%に重症敗血症が認められた。重症敗血症を合併したがん患者の死亡率は、敗血症を有さない入院がん患者のそれの約5倍であった(それぞれ37.8%と7.2%)。筆者らは医師らに対し、がんまたは治療による免疫抑制が感染のリスクファクターとなることに留意し感染コントロールに力を入れること、またがん患者の感染症は迅速に治療することを力説している。
細胞接着に関連した遺伝子発現の低下により進行の速い乳がんを見極めることができる [2004-07-12] 
Decreased expression of gene involved in cell adhesion helps to identify breast cancer tumors that are more aggressive
細胞接着に関連した遺伝子発現の低下により進行の速い乳がんを見極めることができ、患者個々人に合った治療を行うための情報がより多く得られる、とBreast Cancer Research誌7〜8月号に掲載された。Low-gradeな腫瘍と比較しよりhigh-gradeな腫瘍において、また、予後の比較的良好な腫瘍と比較し予後不良の腫瘍(局所再発、転移のどちらか一方または両者)においてActivated Leukocyte Cell Adhesion Molecule (ALCAM)遺伝子の発現低下が認められた。研究者らは、遺伝子発現低下によりある細胞が原発腫瘍より破れ出し易くなり転移を起こすとの仮説を立てている。
初期の無治療の前立腺がんを有する男性は時間とともに進行性の致死的な前立腺がんに進行するリスクを抱えている [2004-07-12] 
Men with early-stage, untreated prostate cancer face an increasing risk over time for progression to more aggressive and lethal disease
初期の前立腺がんに対して早期に治療をしなかった男性は時間とともに進行性の致死的な前立腺がんに進行するリスクを抱えている、とJournal of the American Medical Association 6月9日号に掲載された。スウェーデンの研究者らは前述のような患者223人を平均21年間追跡した結果、最初の15年間の前立腺がん死亡率が1,000人当たり15人であったものがさらに15年たつと1,000人当たり44人に増加することを発見した。筆者らは、長期生存が見込める患者に対し診断時により強力な治療を行うことを考慮するよう主張している。編集局は、臨床試験における患者の長期追跡調査の重要性、および注意深く辛抱強く観察し生存率の違いを見極めることの重要性を主張している。

寛解期に骨髄細胞の異常染色体を有する急性骨髄性白血病患者は再発のリスクが2倍である [2004-07-05]

Patients with acute myeloid leukemia who have abnormal chromosomes in bone marrow cells at remission are twice as likely to relapse
寛解期に入っても骨髄細胞の異常染色体を有する急性骨髄性白血病患者は、寛解期に染色体が正常の患者と比較し再発のリスクが2倍である、とJournal of Clinical Oncology 6月15日号に掲載された。米国の研究者らは118人の患者の予後をレトロスペクティブに調査した。118人中103人は診断時に異常染色体が認められたが寛解期には染色体は正常であり、15人は診断時および寛解期に異常染色体が認められた。この研究結果によると寛解期に異常染色体が認められると再発のリスクが高く生存期間が短いことから、筆者らは、細胞遺伝学的検査をルーチンで行うよう呼びかけるとともに、完全寛解のクライテリアに染色体が正常であることを含める必要があると主張している。

カルシウム補充の恩恵は進行大腸ガンのリスク軽減において最大である [2004-07-05]

Benefit of calcium supplementation appears to be greatest for advanced colorectal adenomas
前立腺特異抗原レベルと前立腺がんの有無の相関は1980年代より持続的に低下し続けていることから、抗原レベルの計測のみでは生検が必要な時期を判断するには不十分であることが示唆される、とAmerican Urological Association 学会で報告された。研究者らはある大学病院における無治療患者に対し施行された前立腺摘除術連続1,317例に対しこれらの相関関係を1983年から5年ずつの4期間において調査した。摘除された前立腺は3mmごとにスライスし最大のガンの大きさおよびGleason grade 4または5の割合、そしてその他の組織学的指標を計測した。学会は前立腺特異抗原レベル、直腸診所見、および病歴を組み合わせた所見が生検の必要性を示す最も良い指標であると述べている。
 


 

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