◆ |
ある症状型から卵巣腫瘍の可能性を評価すべき患者を見極めることが可能である [2004-06-28] |
Certain symptom patterns identify women who should be
evaluated for possible ovarian mass |
ある症状型は卵巣腫瘍のマーカーと考えられ、そのような症状を訴えた患者に対し医師らが診断のための検査を速やかに施行する必要がある、とJournal
of the American Medical Association 6月9日号に掲載された。研究者らは、卵巣腫瘍を有する女性128人とプライマリケアを受けた女性1,709人の症状の頻度、重症度、および持続時間を比較した。卵巣がん患者は対照群と比較し、腹囲の増加、むくみ、urinary
urgency、および骨盤痛のオッズ比がそれぞれ7.4、3.6、2.5、2.2であった。筆者および編集局の記者は、女性と医師がよくコミュニケーションを図り、頻度、重症度、最近の発症、および症状の回数などから特徴付けられる症候群を発見することの重要性を強調している。 |
|
◆ |
乳がんに対する乳房切除術は外科医よりも患者が希望する頻度が有意に高い [2004-06-28] |
Mastectomy
for breast cancer is chosen significantly more often by
patients than by their surgeons |
乳がん患者で治療法を自ら選択したものは、外科医がその治療法を選択した患者よりも乳房切除術を受ける頻度が高い、とAmerican
Society of Clinical Oncology学会で発表された。研究者らは乳がんに対する手術後約6ヵ月経過した女性1,726人を調査した。平均年齢は59歳であり、ほとんどの患者が大学教育以上の学歴を有していた。最も多くの女性(41%)が自分でまたは外科医からの情報により治療方針を決定し、37%は患者本人と外科医の両者で決定し、22%は外科医が決定したと答えた。患者が満足するための最も重要な予測因子は、患者が治療方針決定の過程に彼らの希望する程度まで携わることであった。一方、携わる度合いが少なかったり逆に多すぎたりすると満足度は低かった。 |
|
◆ |
診断時の合併症の状態を把握することはさまざまながん患者の予後予測に有用である [2004-06-08] |
Presence of comorbid conditions at diagnosis has prognostic
value for a variety of cancers |
診断時に合併症の情報が把握されていることはさまざまながん患者の予後予測に有用である、とJournal
of the American Medical Association 5月26日号に掲載された。1995〜2001年に新たにがんと診断された患者17,712人の合併症のデータが、正確な病歴に基づく評価法により、収集された。すべてのがんにおいて合併症の情報は予後予測の上で有効であったが、特に平均生存期間の長い前立腺がんや乳がんにおいてより重要性が高く、非小細胞肺がんのような予後不良のがんにおいて重要性は低かった。さらに、合併症およびがんの病期は相補的な関係にあった。合併症の情報を利用することにより、患者個々人のよりよい治療方針決定が可能となり、治療による予後を評価した研究の結果をより正確にすることが可能となるであろう。 |
|
◆ |
過剰体重または肥満の女性はマンモグラフィーで偽陽性となりやすい [2004-06-08] |
Women
who are overweight or obese are more likely to have false-positive
results with mammography |
過剰体重または肥満の女性は正常体重または過少体重の女性と比較しマンモグラフィーによるスクリーニング検査で偽陽性との結果を得やすい、とArchives
of Internal Medicine 5月24日号に掲載された。米国の研究者らはスクリーニングの乳房撮影100,622例を解析し診断の正確性と患者のbody
mass indexの関係を評価した。過剰体重の女性は偽陽性のために再検査の通知をされる確率が17%、軽度肥満の女性は27%、重度肥満の女性では31%高かった。過剰体重と偽陽性率との相関は年齢および乳房の放射線透過度で補正しても依然として認められた。 |
|
◆ |
造血細胞移植後の完全な身体的および精神的な回復には3年から5年かかる [2004-06-01] |
Full physical and emotional recovery from hematopoietic
cell transplantation can take 3 to 5 years |
白血病またはリンパ腫に対し造血細胞移植を受けた患者が身体的および精神的に完全に回復するには3年から5年が必要である、とJournal
of the American Medical Association 5月19日号に掲載された。研究者らは、骨髄破壊的細胞移植を受けた患者319人を移植前からその後の追跡期間まで調査した。生存者のうち悪性細胞の再発がなかった99人中94人において、5年間の完全な評価が可能であった。身体面が先に回復した。1年後に全体的に回復した者は19%に過ぎなかったが、5年後までには大きな問題がなくなった者が63%となった。筆者らは、この新たなデータにより、患者が移植前に回復のめどをより明瞭に立てることができ、医師らは回復が遅れるリスクのある患者を見分けることが可能となるであろうと述べている。 |
|
◆ |
前立腺特異抗原レベルと前立腺がんの有無の相関は1980年代より持続的に低下し続けている [2004-06-01] |
Correlation
between prostate-specific antigen level and presence of
prostate cancer has steadily declined since 1980s |
前立腺特異抗原レベルと前立腺がんの有無の相関は1980年代より持続的に低下し続けていることから、抗原レベルの計測のみでは生検が必要な時期を判断するには不十分であることが示唆される、とAmerican
Urological Association 学会で報告された。研究者らはある大学病院における無治療患者に対し施行された前立腺摘除術連続1,317例に対しこれらの相関関係を1983年から5年ずつの4期間において調査した。摘除された前立腺は3mmごとにスライスし最大のガンの大きさおよびGleason
grade 4または5の割合、そしてその他の組織学的指標を計測した。学会は前立腺特異抗原レベル、直腸診所見、および病歴を組み合わせた所見が生検の必要性を示す最も良い指標であると述べている。 |
|