心房細動の患者は他の心疾患患者よりも閉塞性睡眠時無呼吸を合併しやすい、とCirculationオンライン速報版
7月13日号に掲載された。米国の研究者らは心房細動患者151人と他の心疾患患者312人に、いびき、日中の眠気、body
mass index、および高血圧に関する問診表を配り、睡眠時無呼吸のリスクを評価した。心房細動患者の約半分(49%)は睡眠時無呼吸のリスクが高かったが、他の心疾患患者におけるその割合は3分の1(32%)であった。つまり、心房細動患者は他の心疾患患者と比較し睡眠時無呼吸を合併する割合が倍であった(odds比2.19)。筆者らは、特に肥満または高血圧を有する心房細動患者に関しては睡眠時無呼吸の可能性を考慮したほうがよいと述べている。
血管拡張薬が無効な肺高血圧患者にカルシウム拮抗薬を投与すると致命的な問題が生じる可能性があることから、医師らは肺高血圧患者に対してカルシウム拮抗薬を慎重に使用する必要があると、新たなエビデンスに基づくガイドラインがAmerican
College of Chest Physiciansから発行されCHEST 7月号に掲載された。さらにガイドラインでは診断の確定および疾患の重症度判定のため右心系カテーテルを使用することを支持し、家族歴を有したり症状から高リスクと考えられる者、特にリスクの高い20〜40歳代の女性のスクリーニングを行うよう勧めている。原因不明の新規発症の肺高血圧患者に対しては結合組織疾患やHIV感染のスクリーニングを行うべきである。
ST非上昇型急性冠動脈症候群患者に対しEnoxaparinは未分画ヘパリンの代替薬となる有効な薬剤である、とJournal
of the American Medical Association 7月7日号に掲載された。Superior
Yield of the New Strategy of Enoxaparin, Revascularization
and Glycoprotein IIb/IIIa inhibitors (SYNERGY) 国際トライアルでは、早期侵襲的治療施行予定のハイリスク患者10,027人をEnoxaparin皮下注群または未分画ヘパリン静注群に無作為に割り付けた。一次エンドポイントである30日以内の死亡または非致死的心筋梗塞はEnoxaparin群で14.0%、ヘパリン群で14.5%であった。Enoxaparin群では非致死的心筋梗塞の発生率が低くやや出血のリスクが高い傾向(有意ではない)がみられた。
Framingham Heart Studyのデータから、心房細動を発症するリスクは、親のどちらかが心房細動を有すると倍になる、とJournal
of the American Medical Association 6月16日号に掲載された。この研究は、両親が元の研究の参加者であった女性1,165人および男性1,078人を対象とした。約30%が少なくとも両親のどちらかに心房細動を有する者がいた。今回の研究の対象者のうち70人(男性47人、女性23人、平均年齢62歳)に心房細動が発症した。両親が75歳未満で本人が明らかな心疾患を有さない者だけに限ると、心房細動を有する親を持つ者が心房細動を発症するリスクは3倍となった。さらなる研究によりこの不整脈を発症する遺伝因子が発見されることであろう。