腎機能の低下した高血圧患者は心疾患で死亡するリスクが高い、とJournal
of the American Society of Nephrology 6月号に掲載された。高血圧を有し正常腎機能の患者281人に対しスペインで施行した研究において、追跡調査(平均13年)の後の再評価にて15%の患者に中等度の腎機能障害が認められた。追跡調査中に約17%の患者に心血管イベントが発生した。心血管イベントは腎機能障害の認められた患者の41%に起こったが、一方、正常腎機能の患者におけるその割合は13%であった。他の因子で補正したところ、腎機能障害を有する患者の心疾患または脳卒中のリスクは2.5倍高かった。糖尿病患者ではアンジオテンシン変換酵素阻害薬を内服することにより心血管イベントのリスクは軽減した。
シクロオキシゲナーゼ2遺伝子のある特定の変異を有する人々は心筋梗塞および脳虚血発作のリスクが低い、とJournal
of the American Medical Association 5月12日号に掲載された。イタリアの研究者らは初回の心筋梗塞またはアテローム血栓性梗塞患者864人とコントロールとしての入院患者864人の、ジェノタイプおよび顕性のプラーク破裂を調査した。年齢、性別、喫煙状況、body
mass index、高脂血症、および糖尿病で補正した結果、765GCまたは765CCのジェノタイプを有する患者は心筋梗塞や脳虚血発作の相対リスクがそれぞれ52%および67%低かった。
インスリン抵抗改善薬ピオグリタゾンとスルホニル尿素薬、メトフォルミン(ビグアナイド薬)またはインスリンの併用はベースラインと比較し有意に中性脂肪値を減少させHDLコレステロールを増加させる、とAmerican
Association of Clinical Endocrinologists学会で発表された。3つの無作為多施設研究ではII型糖尿病患者におけるピオグリタゾンとスルホニル尿素薬、メトフォルミン(ビグアナイド薬)、またはインスリンの併用療法を評価した。計250人以上の患者がピオグリタゾン(30mgまたは45mg)とスルホニル尿素薬、メトフォルミン、またはインスリンとの併用療法に無作為に割り付けられた。12週間後および24週間後に認められた改善にはHDLコレステロールおよびLDLコレステロールサイズの増大が含まれ、これは心血管系のリスクを低下させるものである。