1988年以降、米国の小児およびティーンエイジャーにおいて血圧が上昇し続けており、その原因の少なくとも一部は過剰体重や肥満が増加し続けていることによる、という報告がJournal
of the American Medical Association 5月5日号に掲載された。二つの研究(1988〜1994年、1999〜2000年)の対象となった小児計5,582人(平均年齢:13歳よりやや若い)のデータから、最初の研究期間から後の研究期間までに収縮期血圧は1.4mmHg、拡張期血圧は3.3mmHg上昇していることが明らかとなった。過剰体重の小児は実質11.7%から16.3%に増加していた。この血圧上昇は体重で補正しても依然として認められたことから、体重以外の要因があることが示唆される。年齢、性別、身長から割り出した最新のパーセンタイルのデータ表を掲載した新たな実践ガイドラインが近日中に発行される。この表はウェブサイト
http://www.nhlbi.nih.gov/guidelines/hypertension/child_tbl.htmで閲覧可能である。
心拍動下で施行される冠動脈バイパス術の1年後の予後は人工心肺を用いて行われる手術のそれと同等である、という報告がJournal
of the American Medical Association 4月21日号に掲載された。外科手術による動脈血行再建(Surgical
Management of Arterial Revascularization Therapies :SMART)トライアルでは、ある1施設において197人の米国人患者をオンポンプまたはオフポンプの待機的単独バイパス術に無作為に割り付けた。30日後および1年後に評価した全てのエンドポイント(グラフトの開存率、死亡率、脳卒中、心筋梗塞、狭心症の発症率、および再血行再建術を必要とする率)は両群間で差がなかった。Editorialで記者は、適切な患者サブグループをも対象としたさらに大規模な多施設トライアルを行い、今回の小規模の研究結果で得られた良好な結果がさらに多くの経験をつんだ心臓外科医集団においても同様の結果が得られることを示す必要があると述べている。
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬ペリンドプリルは脳卒中や一過性脳虚血発作の既往のある患者において白質の虚血領域の進行を有意に抑制する、とAmerican
Academy of Neurology 学会で発表された。計226人の患者をペリンドプリル1日4mgまたはプラセボを内服する群に無作為に割り付け、3年後に核磁気共鳴画像(MRI)にて評価した。3年後、プラセボ群患者の新たな損傷領域の容量はACE阻害薬群患者のそれの5倍であった。またベースラインの時点で白質の虚血が重度であったサブグループで解析すると、プラセボ群はACE阻害薬群の7.5倍脳損傷領域が多くなっていた。