米国の大規模な腹部大動脈瘤スクリーニングプログラムの結果、対象者の25%はリスクを有し5%は実際に大動脈瘤を有していた、とSociety
of Interventional Radiology学会で発表された。この4年間にわたるほぼ46,000人を評価した研究で、大動脈瘤の5.3%は破裂のリスクが高く(径が5cmより大きい)、これら以外の人々で径が3.5cm以上あり経過観察が必要な者は22.5%に認められた。追跡調査の結果、11%の人々がこれらのスクリーニングの結果に基づき、受診したか処置を受けたと報告した。
Class IIまたはIIIの心不全患者における勃起障害またはうつ病に対するシルデナフィルの投与は安全であるとの結論が、前向きプラセボコントロール二重盲検クロスオーバー試験の結果得られた、とArchives
of Internal Medicine 3月8日号に掲載された。運動負荷試験または核医学検査の結果、虚血性心疾患が無いことを確認された患者計35人が12週間のトライアルに登録された。シルデナフィルを内服することにより無症状の血圧低下が認められ、また国際勃起機能指標(International
Index for Erectile Function survey)心不全の評価指標(Minnesota
Living with Heart Failure Questionnaire )、さらにうつ病に対する二つの評価スコアの改善がみられた。
糖尿病のハイリスク患者に対する脳卒中予防のための頚動脈ステント留置術は頚動脈エンドアテレクトミーよりもより有効で安全である可能性がある、とSociety
of Interventional Radiology 学会で発表された。血栓塞栓防護装置を備えたステントと手術を比較したSAPPHIREトライアルでは334人の患者を登録し、今回そのうちの86人の予後を解析した。術後30日以内の脳卒中、心筋梗塞、および死亡率はステント群において4.8%、手術群において22.7%であった。1年主要合併症発症率(術後30日以内の死亡、脳卒中、および心筋梗塞、または31日目から360日以内の同側の脳卒中または脳卒中による死亡など)はステント群で4.8%であり手術群では25%であった。
軽度から中等度の飲酒は高血圧を有する男性の心血管疾患死のリスクを低下させる可能性がある、という報告がArchives
of Internal Medicine 3月22日号に掲載された。研究者らは、ある長期健康調査の対象である男性医師14,125人のデータを解析した。平均5.4年の追跡期間中に1,018人が死亡し、そのうち579人(56.9%)の死因が心血管疾患であった。非飲酒者と比較し、毎週あるいは毎日飲酒をする者は総死亡率が低く(それぞれ28%、27%)、心血管死亡率はさらにリスクがより低下した(それぞれ39%と44%)。筆者らは、軽度から中等度の飲酒をする高血圧の男性は、この健康に良い影響を与えるであろう良い習慣をやめる必要はない、と結論付けている。