関節痛とうつ病を有する高齢者がうつ病の治療を受けることにより、気分、疼痛や関節痛による機能低下が軽減しQOLが改善する、という報告がJournal
of the American Medical Association 11月12日号に掲載された。この研究はプライマリケアクリニックで治療中の60歳以上のうつ病1,801人を対象に行われた。計1,001人(56%)がベースライン時に関節痛の併存を訴えた。対象者は通常の治療または抗うつ薬、精神療法、あるいは両者による積極的治療を受けた。12ヵ月後、積極的な治療を受けた群の患者はうつ症状の軽減のみでなく疼痛や関節炎による日常生活の障害に関するスコアが低下し、健康全体やQOLに関するスコアの改善を示した。
近年の米国のニュースは、精神科医らに対し重症および慢性の精神疾患患者における体重関連の健康問題のリスクを軽減するよう注意を喚起することが重要である、と強調している。このニュースは、最近FDAから非定型抗精神薬の高脂血症や糖尿病に関する情報を表記することを要求された米国の医師らにとって、時宜を得たものであった。U.S.
National Alliance for the Mentally Illの医療指揮官は、患者に彼らの健康を害するような行動を避けるように教育することや、適切な栄養バランスや運動を勧めることにより患者の基本的な精神衛生状態を含めた健康状態全体に良好な影響を与えるであろう、と述べている。
高齢者における軽度の認知障害は年齢と共に増加し、脳血管疾患、うつ、および人種と関連がある可能性がある、という報告がArchives
of Neurology 10月号に掲載された。米国の研究者らは心血管認知研究に登録された成人3,608人を評価した。患者らは脳スキャン(1991年〜1994年)および詳細な評価(1998,1999年)を受けた。筆者らの施設近辺に住む一部の亜集団927人に関してはさらに検査が行われた。全体の発症率は19%(2,470人中465人)であり、75歳以下で19%であるものが85歳以上では29%にまで上昇した。亜集団における発症率は22%(599人中130人)であり、6%が健忘型を、16%が多発性認知障害を有していた。