故意に自己を傷つけ救急部を訪れる女性はそのような行為を行わない女性と比較し家庭内暴力があると報告する確率が75倍高いとの結果から、自傷行為を行う患者を評価する医師らは家庭内暴力を疑う必要があることが示唆されるとEmergency
Medicine Journal 9月号に掲載された。英国の研究者らはある大病院の救急部を2週間のあいだに訪れた成人270人のうち、質問に回答した256人を評価した。自傷行為を行う男性はそうでない男性と比較し身体的または言葉による家庭内暴力を受けている確率が2倍高かった。筆者らは、救急の治療を要する患者の5人中1人の女性、およびほぼ同じ割合の男性が彼らの配偶者から暴力を受けたことがあると推定している。
幼児期の虐待歴を有する成人は肝疾患のリスクが高い可能性があることを精神科医は気にとめておくべきである、という報告がArchives
of Internal Medicine 9月8日号に掲載された。研究者らは、感情、身体的および性的虐待、家庭機能不全、家庭内暴力、薬物濫用、犯罪、精神疾患、そして健康関連行動などの10の経験に関する調査結果を成人17,337人から得た。これらの小児期の有害事象はいずれも肝疾患のリスクをそれらを有さない者の1.2〜1.6倍上昇させた。また6つ以上の有害事象を有していた者のリスクは2.6倍に上がった。アルコール濫用や危険な性的行動で補正するとこの関連性は38〜50%低下したことから、これらの行動が強力に肝障害と関連していることが示唆される。
同級生よりも低年齢の子供は感情や行動の問題を有したり精神疾患と診断されるリスクが高い、という報告がBritish
Medical Journal 8月30日号に掲載された。英国の研究者らは10,000人以上の学生、その教師、および親らを調査し精神衛生スコアを作成した。生まれ月に基づく学年のわりあては調査を行った3地域で異なっていたが、全ての地域において同様の傾向が認められた。つまり、同級生よりも低年齢の子供は精神疾患のリスクが高かった。筆者らは、子供と行動を共にしたり評価をしたりする大人たちは年齢の差異に注意をする必要がある、と述べている。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬であるsertralineは小児および青年の大うつ病性障害患者に有効であり忍容性に優れている、という報告がJournal
of the American Medical Association 8月27日号に掲載された。最近の研究で研究者らは、6〜17歳の患者376人の障害に対するsertralineまたはプラセボによる治療を比較した2つの研究から得られた結果を解析した。二群間の差は3週後から現れ、10週後には統計学的に有意な差(実薬群69%対プラセボ群59%)が認められた。編集者は、プラセボ群における反応が良好であったのは、少なくとも一部は、研究の一環として与えられた非特異的補助手段に対する患者らの感受性が発達したことを反映しているものであろう、と記している。
病的ギャンブラーの脳は、ギャンブルの画像を見たときにギャンブラーでない者の脳と比較して異なった活性を示す、という報告がArchives
of General Psychiatry 8月号に掲載された。研究者らは病的ギャンブラー10人とギャンブルをしない者11人の脳の機能性核磁気共鳴画像を施行した。幸福および悲哀のビデオに対する脳の反応は二群間で差はなかったが、ギャンブルに関する内容を見たときの脳の機能には明らかな違いが認められた。最も大きな活性の違いは見始めたときに認められた。病的ギャンブラーにおいては前頭皮質および眼窩前頭皮質、尾状脳底神経節、視床などの刺激コントロールに関連する部位における活性の相対的な低下が認められた。
小児期に深刻な注意力散漫であった注意欠陥多動性障害を有する成人は、アルコール関連の問題や大量または早期の喫煙および他の薬剤使用のリスクが高い、という報告がJournal
of Abnormal Psychology 8月号に掲載された。研究者らは、13〜18歳の大学病院の若年者142人を登録した。彼らは10歳代、親、教師、および障害を有さない10歳代100人にコントロールとして面接を行った。酩酊、高アルコール問題スコア、および薬物乱用の可能性が高いと報告した者は、重症の早期注意力散漫性障害を有する者たちであった。小児期の注意力散漫性障害の症状は薬物乱用の家族歴と同様に強力な危険因子のようである。