体重に関していじめを受けている成人はいじめを受けていない同輩と比較し、自殺思考および自殺企図のリスクが高い可能性がある、という報告がArchives
of Pediatrics & Adolescent Medicine 8月号に掲載された。米国の成人4,746人のうち81.5%が身長や体重のデータを含むアンケートに回答した。女子および男子ともに同輩(それぞれ30%、24.7%)あるいは家族(それぞれ28.7%、16.1%)に体重についていじめられている(からかわれている)と回答した。女子の約14.6%および男子の約9.6%は同輩および家族の両方からいじめられていた。いじめ、体型に対するイメージの低下、自己評価の低下の程度と、自殺思考および自殺企図の率の間には実際の体重に関係なく有意な相関が認められた。
新たなスクリーニング検査は、インターネットに熱中することが健康上有害となっている患者を医師が見分けるための補助になる、という報告がDepression
and Anxiety 2003 年版に掲載された。米国の研究者らはインターネットの使用に問題があると自己申告したボランティア20人と無作為に選ばれた対照17人に、実際にインターネットを使用している頻度、使用頻度の減少ができるかどうか、および必要とされる物事の責任や関係の遂行に対するインターネット使用の影響について質問した。ネット使用に問題があると述べた者は平均して、双極性障害、うつ、またはアルコール多飲などの5つの精神病的状態を有した。筆者らは、適切な治療法を確立するために、インターネット中毒が刺激コントロール障害なのかあるいは個人的な障害かを分類すべきであるか否かを決定すべく、さらなる研究が必要であると主張している。
新たなスクリーニング法は、子供の外傷による子供と親の外傷後ストレス障害のリスクを評価する、という報告が
Journal of the American Medical Association 8月6日号に掲載された。研究者らは交通事故の影響を受けた171家族に対し50の質問からなるパイロット調査を初期治療時と3ヵ月後に行った。最後のスクリーニング法(親に対し4つのyes/noの質問、子供に対する4つのyes/noの質問、および医療記録からの4項目)は外傷3ヵ月後のフォローアップ時に外傷後ストレス症候群であると最もしばしば予測される反応から導き出された。スクリーニングで陽性と判断された子供のうち、その後障害を有すると診断されたのは25%であり、一方陰性と判断されたもののそれは5%であった。スクリーニングで陽性と判断された親のうちその後障害を発症した者は27%であり、陰性であった者のそれはたったの1%であった。
セルトラリンはアルツハイマー病およびそれに伴う大うつ病を有する患者に対し、認知能力に対する効果は欠如するものの、QOLを向上し日常生活の混乱を軽減させる、という報告がArchives
of General Psychiatry 7月号に掲載された。アルツハイマー病およびうつ病両者を有する外来患者に対し、一時的なうつ病を除外するためプラセボを1週間投与した。その結果、除外されなかった患者44人がプラセボまたはセルトラリン(平均投与量95mg/day)12週間投与群に無作為に割り付けられた。患者は治療終了後12週間追跡調査された。実薬群の84%の患者が何らかの改善を認めたのに対し、プラセボ群におけるその割合は35%であった。セルトラリンはうつ病の症状を改善したのみならず、行動障害のレベルを低下させ日常生活動作能力を改善した。しかし認知能力の変化は認められなかった。