双極性障害の女性におけるアルコール中毒症のリスクは双極性障害を有さない女性の7倍以上高い、という報告がAmerican
Journal of Psychiatry 5月号に掲載された。研究者らは面接や質問表を用いて大学病院の外来患者267人を評価した。解析の結果、双極性障害を有する男性のリスク上昇率は3倍よりやや少なかった。アルコール中毒症を有する双極性障害の男性は、アルコール中毒症でない双極性生涯の男性と比較しより強い家族歴を有する傾向にあったが、両者を有する女性は過去にうつ病や社会的不安のエピソードを経験している傾向にあった。筆者らは医師らに双極性障害の、特に女性に関しては飲酒を注意深く観察するよう呼びかけている。
スタチン系薬剤は脳のコレステロールレベルを低下させることによりアルツハイマー病のリスクを低下させる可能性がある、という報告がArchives
of Neurology 4月号に掲載された。心血管系疾患を有さないアルツハイマー病患者計44人をロバスタチン、シンバスタチン、またはプラバスタチンのいずれかを1日40mg、または1日1gの長時間作用型ナイアシンを6週間内服する群に無作為に割り付けた。その結果、スタチン系薬剤は3剤ともアルツハイマー病患者において上昇の認められる24Sハイドロコレステロールレベルを少なくとも20%低下させたが、一方、長期作用型ナイアシンは10%低下させたのみであった。今後の研究は、脳のコレステロール低下により認知機能が変化する可能性を評価することや、スタチン系薬剤とナイアシンの併用療法の効果を評価する方向になるであろう。
高齢女性における抗うつ薬や麻薬の使用は椎骨以外の骨折のリスクを上昇させるがベンゾジアゼピンや抗てんかん薬にはそのような作用はない、という報告がArchives
of Internal Medicine 4月28日号に掲載された。研究者らは65歳以上の地域住民女性8,127人を調査した。平均追跡期間4.8年間に15%の者が1回以上の椎骨以外の骨折を起こし、そのうち4%は初回の大腿骨頭頚部骨折であった。麻薬により骨折のリスクは約40%上昇した。抗うつ薬はリスクを25%上昇させたが、三環系抗うつ薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬の間ではその差はなかった。一方、ベンゾジアゼピンや抗てんかん薬にはそのような傾向は認められなかった。
脳深部刺激療法は再発性強迫性障害に対する有効な治療法である、という報告がAnnual
Meeting of the American Association of Neurological Surgeonsで発表された。研究者らは、平均年齢が36歳(発症年齢14歳)で薬物療法および行動療法が無効な15人の重症患者に治療を行った。全体として、患者は不安や症状の軽減および注意力や気力の増加などの変化を認め、生活の質は向上した。一方、軽躁病、嘔気、顔面知覚異常などの副作用も認められた。
NIH(National
Institutes of Health )の一機関であるNational Institute of Mental
Healthは、男性における公衆衛生上の大きな問題として男性のうつ病に焦点を置いた米国発のキャンペーンを開始する。米国の男性の年間約600万人がうつ病に罹患している。データによると男性は女性に比べ治療法を探そうとせず、そのためか、男性の自殺による死亡率は女性の4倍である。キャンペーンは医師らに対し、彼らの業務に使用するために病気に対する認識および教育材料をオンラインで提供している。
反社会的生活習慣が疾病、傷害、および早期死亡と関連があるという研究結果は、医師らが治療を有すると判断する指標を発見するのに役立つ、という報告がBritish
Medical Journal 4月19日号に掲載された。筆者らは、すでに論文として発表されているデータを引用し、彼らの有する無断欠席、不品行、若年における警察との接触、および離婚等の早期死亡のマーカーとしての予測因子を有する人々を見極め治療しようと試みた。彼らは、政府当局に加え、家族、学校、警察、およびヘルスケアの専門家らの協力が必要であると主張している。