トピラメートはアルコール依存症患者の禁酒の促進に有効である [2003-05-27]

Topiramate shows promise as an effective promoter of abstinence in alcohol-dependent patients
抗てんかん薬トピラメートはアルコール依存症患者の禁酒の促進にも有効である、という報告がLancet 5月17日号に掲載された。米国の研究者らはアルコール依存状態の患者150人をトピラメート(1日最大内服量300mg)またはプラセボ群に無作為に割り付け3ヵ月間追跡した。その結果、トピラメートを内服した者は治験期間の最低1ヵ月は6倍以上禁酒をする率が上昇した。一方プラセボ群においては治験期間の最低1ヵ月はより多く飲酒する率が4倍高かった。研究者らはまた、肝疾患の指標として一般に使用される血中のγ-GTP (gamma glutamyl transferase) 濃度が、プラセボでは不変であるが、トピラメート内服により有意に低下することを見出した。
 

統合失調症の母親をもつ小児は成人初期までに精神疾患を発症する確率が高い [2003-05-27]

Children of mothers with schizophrenia are significantly more likely to develop mental illness by young adulthood
母親が統合失調症を有しているとその子供は重症の精神疾患を発症しやすい、という報告がe Archives of General Psychiatry 5月号に掲載された。スウェーデンの研究者らは精神障害を有する女性の子供(年齢22歳)166人の最新情報を収集した。統合失調症の母親(28人)をもつ子供は、母親(91人)が障害を有していない子供と比較し、Axis IおよびAxis IIの障害を有する頻度や全体的な機能低下、Symptom Checklist-90 scores、およびメンタルヘルスケアや向精神薬による治療を受けたことのある確率が有意に高かった。感情障害を有する母親(22人)の子供はSymptom Checklist-90 scoresが高く、機能低下を示し、Axis IIではなくAxis Iうつ病性障害に対しメンタルヘルスケアを受けている率が高かった。

双極性障害の女性におけるアルコール中毒症のリスクは双極性障害を有さない女性の7倍高い [2003-05-19]

Risk for alcoholism 7-fold higher among bipolar women than other women
双極性障害の女性におけるアルコール中毒症のリスクは双極性障害を有さない女性の7倍以上高い、という報告がAmerican Journal of Psychiatry 5月号に掲載された。研究者らは面接や質問表を用いて大学病院の外来患者267人を評価した。解析の結果、双極性障害を有する男性のリスク上昇率は3倍よりやや少なかった。アルコール中毒症を有する双極性障害の男性は、アルコール中毒症でない双極性生涯の男性と比較しより強い家族歴を有する傾向にあったが、両者を有する女性は過去にうつ病や社会的不安のエピソードを経験している傾向にあった。筆者らは医師らに双極性障害の、特に女性に関しては飲酒を注意深く観察するよう呼びかけている。
 

スタチン系薬剤は脳のコレステロールレベルを低下させることによりアルツハイマー病のリスクを低下させる可能性がある [2003-05-19]

Statin drugs may lower risk for Alzheimer’s disease through decrease in brain cholesterol levels
スタチン系薬剤は脳のコレステロールレベルを低下させることによりアルツハイマー病のリスクを低下させる可能性がある、という報告がArchives of Neurology 4月号に掲載された。心血管系疾患を有さないアルツハイマー病患者計44人をロバスタチン、シンバスタチン、またはプラバスタチンのいずれかを1日40mg、または1日1gの長時間作用型ナイアシンを6週間内服する群に無作為に割り付けた。その結果、スタチン系薬剤は3剤ともアルツハイマー病患者において上昇の認められる24Sハイドロコレステロールレベルを少なくとも20%低下させたが、一方、長期作用型ナイアシンは10%低下させたのみであった。今後の研究は、脳のコレステロール低下により認知機能が変化する可能性を評価することや、スタチン系薬剤とナイアシンの併用療法の効果を評価する方向になるであろう。

高齢女性に向精神薬を使用することにより椎骨以外の骨折のリスクが上昇する可能性がある [2003-05-13]

Use of psychotropic drugs by older women may increase risk for non-spinal bone fractures
高齢女性における抗うつ薬や麻薬の使用は椎骨以外の骨折のリスクを上昇させるがベンゾジアゼピンや抗てんかん薬にはそのような作用はない、という報告がArchives of Internal Medicine 4月28日号に掲載された。研究者らは65歳以上の地域住民女性8,127人を調査した。平均追跡期間4.8年間に15%の者が1回以上の椎骨以外の骨折を起こし、そのうち4%は初回の大腿骨頭頚部骨折であった。麻薬により骨折のリスクは約40%上昇した。抗うつ薬はリスクを25%上昇させたが、三環系抗うつ薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬の間ではその差はなかった。一方、ベンゾジアゼピンや抗てんかん薬にはそのような傾向は認められなかった。
 

脳深部刺激療法は再発性強迫性障害に対する有効な治療法である [2003-05-13]

Deep brain stimulation shows promise as a new treatment for refractory obsessive compulsive disorder
脳深部刺激療法は再発性強迫性障害に対する有効な治療法である、という報告がAnnual Meeting of the American Association of Neurological Surgeonsで発表された。研究者らは、平均年齢が36歳(発症年齢14歳)で薬物療法および行動療法が無効な15人の重症患者に治療を行った。全体として、患者は不安や症状の軽減および注意力や気力の増加などの変化を認め、生活の質は向上した。一方、軽躁病、嘔気、顔面知覚異常などの副作用も認められた。

米国政府は公衆衛生上の問題として男性のうつ病に焦点を当てたキャンペーンを開始する [2003-05-06]

U.S. government launches campaign to highlight depression among men as a public health issue
NIH(National Institutes of Health )の一機関であるNational Institute of Mental Healthは、男性における公衆衛生上の大きな問題として男性のうつ病に焦点を置いた米国発のキャンペーンを開始する。米国の男性の年間約600万人がうつ病に罹患している。データによると男性は女性に比べ治療法を探そうとせず、そのためか、男性の自殺による死亡率は女性の4倍である。キャンペーンは医師らに対し、彼らの業務に使用するために病気に対する認識および教育材料をオンラインで提供している。
 

反社会的生活習慣が不健康および早期死亡に繋がる理由に対する研究が発表された [2003-05-06]

Research uncovers the ways in which an antisocial lifestyle contributes to poor health and premature death
反社会的生活習慣が疾病、傷害、および早期死亡と関連があるという研究結果は、医師らが治療を有すると判断する指標を発見するのに役立つ、という報告がBritish Medical Journal 4月19日号に掲載された。筆者らは、すでに論文として発表されているデータを引用し、彼らの有する無断欠席、不品行、若年における警察との接触、および離婚等の早期死亡のマーカーとしての予測因子を有する人々を見極め治療しようと試みた。彼らは、政府当局に加え、家族、学校、警察、およびヘルスケアの専門家らの協力が必要であると主張している。
 


 

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